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Memorandumの小部屋

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まるごとNMEA Raspberry Pi Pico編

 

 このWebページは「Raspberry Pi Pico」を用いてGNSSロガーを試作した経緯を記録として残した個人的なメモです。

 文中の一部の用語は下記を意味します。


− 目次 −

1.はじめに

2.プロトタイプ3の製作

3.プロトタイプ4の製作

4.GNSSロガー「まるごとNMEA」の製作

5.パラメータ設定

6.公開用スケッチ(uf2ファイル)

7.SDカード書込み結果

8.結論・今後の予定
 


1.はじめに

 「まるごとNMEA Arduino編」では GNSSモジュールから受信したデータを確実にSDカードに記録することができませんでした。 数時間以下の連続記録では、実用上は我慢できるかなとは思いましたが、やはりちゃんと記録できるGNSSロガーに仕上げたくなります。 そのためには我が身のスキル不足を GNSSロガーの性能・能力でカバーする必要があります。 幸いにも、最近はスキル不足を隠すことのできる性能・能力を有するデバイスを安価に入手できる時代です。 今回は安価で開発ツールも慣れてきたArduino IDEを利用できる「Raspberry Pi Pico 」を採用することにしました。 「Raspberry Pi4 Model B」・「Raspberry Pi Zero」もありますが、パソコンと同様に電源投入からアプリケーションを起動するまでに とても時間を要します。 電源投入後に短時間でアプリケーションが立上り、かつ、小型化も視野に入れることができる「Raspberry Pi Pico 」に軍配があがりました。 さあ、「Raspberry Pi Pico」版GNSSロガーの製作開始です。


 結論じみた記載ですが、製作して痛感したのは開発ツール(環境)としてArduino IDEをそのまま利用することで効率よくスケッチ作成できたことです。 

 

2.プロトタイプ3の製作

 GNSSロガーの操作・機能は「まるごとNMEA Arduino編」とほぼ共通化しました。 主な仕様・相違点を以下に示します。

 

 プロトタイプ3の回路図、外観を下記に掲載します。 流用した「まるごとNMEA Arduino編」の入出力用基板 にはSW1・SW2・SW3・SW4にプルアップ抵抗が設けられていますが、プルアップ抵抗は不要なようにスケッチを作成しています。 そのため、下記回路図ではプルアップ抵抗を記載していません。

 

上記回路図をクリックすると原寸大の回路図をダウンロードできます。

【 プロトタイプ3 回路図 】

 

【 プロトタイプ3 動作確認状態(全体外観1) 】

 

【 プロトタイプ3 動作確認状態(全体外観2) 】

 

【 プロトタイプ3 動作確認状態(ブレッドボード部外観) 】

 

【 プロトタイプ3 動作確認状態(SDカード接続部外観) 】

 

あい路事項 「Raspberry Pi Pico」破損

 プロトタイプ3のスケッチ確認中に突然「Raspberry Pi Pico 」を認識しなくなりました。 原因調査のために別の「Raspberry Pi Pico 」で確認すると正常に認識するため、当該の「Raspberry Pi Pico 」を損傷したようでした。 当初、不具合部位がわかりませんでしたが、しばらく通電しているととても熱くなる部品を見つけました。 3.3Vを生成する電源ICがダメージを受けているようでした。 動作確認中に3.3Vラインを短絡もしくは過負荷にしたようです。
 このまま貴重な(?)「Raspberry Pi Pico」を見捨てるのは忍びないのでリニア式の3端子レギュレータAM1117−3.3に交換したところ、無事復活してくれました。 破損部に関わる極一部の機能は失いましたが、普通に使う範囲では復活してくれました。 また、全く気付かなかったのですがBOOTSELスイッチが分解破損していました。 BOOTSELスイッチを押すタイミングで初めて気付きました。 仕方ないので一時的にタクトスイッチを外付けしました。

 損傷電源ICの撤去作業はとても難渋しました。 損傷電源ICの裏面放熱パッドが全面ハンダ付けされているため、ハンダこての温度を相当高くして作業をしました。 周辺部品や基板パターンへのダメージを考えると、そう無茶な作業もできず、最後は損傷 していた電源ICを壊しながらの撤去となりました。 どうにか基板回路・パターンに致命的なダメージまでは与えることはなかったようです。

 

 【 損傷電源IC撤去後 全体外観 】

 

 撤去部を洗浄・拭き取りした後です。 汚れや遷移くずが残っています。 これ以上パターンを痛めたくないため、汚れ などが目立ちますがこのまま利用することにしました。

 【 損傷電源IC撤去後 撤去部拡大 】

 

 わずか1mm×2mm程度のパッドですが、鉛フリーハンダによるハンダ付けのせいか、取り外しにはとても難渋・・・・・ 破壊した跡が痛々しい・・・・・

 【 撤去した損傷電源IC外観 】

 

 【 修理後 全体外観 】

 

配線短絡防止のためにポリイミドテープを貼っています。

 【 修理部分拡大 】

   

 

 プロトタイプ3では基本的な動作を確認するために「まるごとNMEA Arduino編」と同じ機能の動作をできるようにスケッチの移植をしました。 開発環境Arduino IDEを採用したおかげて、予想より短い時間でスケッチ移植ができました。 この段階ではEEPROMによるパラメータ設定の機能はありませんでした。
 なお、「Raspberry Pi Pico」のIOレベルは3.3V用ですが、「Micro SD TFカードメモリシールドモジュール (MicroSD Card Adapter)」のIOレベルは5V用となっています。 「Micro SD TFカードメモリシールドモジュール」内部のインターフェース用IC(74VHC125)は3.3V電源駆動のため、回路的には「Micro SD TFカードメモリシールドモジュール」に3.3Vレベルの回路を接続しても利用できると判断しました。 インターフェース用ICの入力ラインに挿入されている抵抗1kΩが波形を乱す、もしくはレベル低下を招くのではと気になりましたが特に支障なく使えました。

 

3.プロトタイプ4の製作

 プロトタイプ3で「Raspberry Pi Pico」を破損したため、配線の見通しをよくしたプロトタイプ4を製作しました。 「Raspberry Pi Pico 」のマイコン部分は電源電圧3.3Vで動作しています。 わざわざ「Micro SD TFカードメモリシールドモジュール」を使う必要もないため、「microSDカードスロットDIP化キット」を利用することにしました。 これ以外はプロ トタイプ3と同じ回路となっています

 

上記回路図をクリックすると原寸大の回路図をダウンロードできます。

【 プロトタイプ4 回路図 】

 

【 プロトタイプ3 動作確認状態(全体外観1) 】

 

【 プロトタイプ3 動作確認状態(全体外観2) 】

 

【 プロトタイプ3 動作確認状態(全体外観3) 】

 

 Arduino IDEで「Raspberry Pi Pico」を使えるようにライブラリを追加しました。 当初「Arduino Mbed OS RP2040 Boards」と「Paspbery Pi Pico/RP2040」の両方をインストールしていましたが、何かと間違い(?)を生じ、挙句の果てにコンパイルや書込みが正常に行えなくなるなど困った事態になりました。(単に使い方が悪いのが原因だと思うのですが。。。。。) 一旦Arduino IDEをアンインストール、再起動、再度インストールして「Paspbery Pi Pico/RP2040」のみを追加インストールしました。

 

【 ライブラリ「Paspbery Pi Pico/RP2040」インストール 】

 

4.GNSSロガー「まるごとNMEA」の製作

  当初の予定どおり、プロトタイプ4ではGNSSロガーのパラメータを設定・選択できる機能を追加しました。 プロトタイプ4の仕様を下記に記載します。
 

項  目

仕  様

電源電圧

5Vdc (「Raspberry Pi Pico 」のUSBコネクタから給電)

消費電流

消費電流は利用するSDカード、GNSSモジュールにより異なります。

SDHCカード32GB、GR−A013U(GM−A013R)の場合、約40mA(4.92Vdc)でした。

GNSS
供給電源

3.3Vdc及び5Vdc。

GNSS
シリアルポート
通信速度

4800bps、9600bps、19200bps、38400bps、57600bps、115200bps

(接続とロギングを確認したのは4800bps、9600bps、115200bpsのみです。)

GNSS
信号レベル

3.3Vレベルのみ (5Vレベル の場合はGNSSロガーのTX信号を抵抗分圧することで対応可能の場合があります。)

GNSS用
バックアップ
電源

外部より別途供給する必要があります。 

SDカード

FAT16もしくはFAT32。

マイクロSDカードもしくはマイクロSDHCカード。 (最大32GB)

できる限り高速書き込みができるクラスの製品が望ましいです。 今回の動作確認にはCLASS10を利用しました。

タクトスイッチ
SW1

電源投入直後もしくはリセットスイッチSW4押してリセットした直後

GNSSロガーのパラメータBLOCK0をロードします。

GNSSモジュール NMEAセンテンス受信時

スイッチを押すごとにLED表示、ブザー発音有無を順次切り替えます。 (Step 0→1→2→3→4→0→1→2→…) デフォルトはStep3です。 

 

Step

LED表示

ブザー発音

有り

無し

無し

有り

無し

無し

有り

有り

 切替えのタイミングはトリガとなるNMEAのIDメッセージを検出判定した場合です。 なかなか思うように切替えできず所望の状態にするために何度も押し直しする必要がありました。

タクトスイッチ
SW2

電源投入直後もしくはリセットスイッチSW4押してリセットした直後

GNSSロガーのパラメータBLOCK1をロードします。

GNSSモジュール NMEAセンテンス受信時

約3〜5秒連続押すことでロギング終了します。 (SDカードアクセス停止)

スライド
スイッチ
SW3

SW3をオンすることで、GNSSモジュールのTXデータをTB 2のMonitor−TXから出力します。 Monitor−TXはスケッチデバッグ用に設けた機能です。  通常の使い方ではTXデータを表示する必要はないので、SWをオフで利用、もっと言えばSW3自体を設ける必要はありません。

LED表示

ブザー発音

注記:ブザー周波数はパラメータ設定となります。 下記表中ではパラメータ毎にF1・F2・F3・F4として記載しています。

 

状態

LED/ブザー

電源投入時
(リセット時)
Core1起動

時間

0.3s

 

0.3s

 

0.3s

 

0.3s

 

0.3s

 

0.3s

 

0.3s

 

0.3s

LED

赤色

消灯

緑色

消灯

青色

消灯

全色(白)

消灯

ブザー

F4

 

消音

 

F4

 

消音

 

F4

 

消音

 

F4

 

消音

電源投入時
(リセット時)
Core0起動

時間

0.2s

 

0.5s

LED

全色(白)

消灯

ブザー

F4

 

消音

パラメータ設定
ルーチン
開始

時間

0.1s

 

0.3s

 

0.1s

 

0.3s

 

0.1s

 

0.3s

LED

赤色

消灯

緑色

消灯

青色

消灯

ブザー

F4

 

消音

 

F4

 

消音

 

F4

 

消音

パラメータ設定
BLOCK0
(SW1)
読込み終了

時間

0.2s

 

0.2s

 

0.2s

 

0.2s

LED

緑色

消灯

緑色

消灯

ブザー

F4

 

消音

 

F4

 

消音

パラメータ設定
BLOCK1
(SW2)
読込み終了

時間

0.2s

 

0.3s

 

0.2s

 

0.3s

 

0.2s

 

0.3s

LED

赤色・緑色

消灯

赤色・緑色

消灯

赤色・緑色

消灯

ブザー

F4

 

消音

 

F4

 

消音

 

F4

 

消音

ロギング
終了時

電源投入時と同一動作の後、下記の繰返し

時間

0.5s

 

0.5s

LED

全色(白)

消灯

ブザー

消音

 

消音

SDカード
未検出時

下記の繰返し

時間

0.5s

 

0.5s

LED

赤色

消灯

ブザー

消音

 

消音

測位表示

測位表示期間(次行参照)のLED表示とブザ−発音

時間

測位不可/
2次元測位

3次元測位

3次元測位/
QZSS衛星(みちびき)補足

LED

赤色

緑色

青色

ブザー

F1

F2

F3

 

測位表示
期間

 測位表示の開始は NMEAのIDメッセージで判定します。 判定用IDメッセージはパラメータ設定NMEA ID値で設定されます。 デフォルトはID値=1(GGA)です。

 測位表示終了もはパラメータ設定Period値で設定されます。 デフォルトはPeriod値=100(100ms)です。 

備考

 当該のセンテンスを受信できない場合は、測位表示しない現象が発生します。す。

 「GSU−140型GNSS評価キット」の初期設定では測位する衛星システムを「GPS」+「QZSS L1S」を選択しています。

GNSS

ロガー

シーケンス

 

Step

状態

LED表示/ブザー発音 (前記項目参照)

電源投入時 (リセット時)

電源投入時 (リセット時) Core1起動

電源投入時 (リセット時)

電源投入時 (リセット時) Core0起動

パラメータ設定開始

パラメータ設定ルーチン開始

SW1検出時

パラメータ設定BLOCK0(SW1)読込み終了

SW2検出時

パラメータ設定BLOCK1(SW2)読込み終了

SW1・SW2いずれも
未検出

LED表示/ブザー発音 無し

(パラメータはスケッチ中のデフォルト値となります。)

SDカード初期設定

正常終了時:LED表示/ブザー発音 無し

異常終了時:SDカード未検出時

GNSSロガー
NMEAセンテンス記録

測位表示

記録終了時

SW2を約3〜5秒連続押 します。 終了時はこの操作することを強く推奨します。

ロギング終了時

 

格納ファイル

格納ファイル名は「GNSS」+「000」を開始番号とした追番号+拡張子「.LOG」となります。

例 GNSS000.LOG → GNSS001.LOG → …

格納ファイルの1行目にヘッダー文字列を格納します。

 

5.パラメータ設定

 EEPROMにGNSSロガーのパラメータを記録して、電源投入時にEEPROMからロードする機能を有します。 本WebページでEEPROMと記載していますが、「Raspberry Pi Pico」にはEEPROMがありません。 正 しくは「Raspberry Pi Pico」のチップRP2040に内蔵されているFLASHメモリの一部をデータ保存/読出しすることでEEPROMと同等の機能を実現しています。

 パラメータ設定するデータ例を下記に掲載します。 BLOCK0は4800bpsのGNSSモジュール、BLOCK1は「GSU−140型GNSS評価キット」(測位する衛星システム「GPS」+「QZSS L1S」)を対象としています。 GNSS用初期設定ルーチンの選択値1は「GSU−140型GNSS評価キット」専用の初期設定ルーチンを実行します。 しかし、GNSS用初期設定ルーチンの選択値2および3はGNSSモジュールの通信速度設定を行うだけです。 そのため、GNSS用初期設定ルーチンの選択値2と3の相違はありません。

項目

BLOCK0

BLOCK1

Default

Monitor−TX
送信データ項目

アドレス

アドレス

GNSS用初期設定ルーチンの選択

0x0000

0x02

0x0100

0x01

0x03

Initialize GNSS

GNSSモジュールの通信速度(bps)  

1:4800

2:9600

3:19200

4:38300

5:57600

6:115200

その他:9600

0x0001

0x01

0x0101

0x06

0x02

GNSS Baud Rate

Monitor−TXの通信速度(bps)

1:4800

2:9600

3:19200

4:38300

5:57600

6:115200

その他:9600

0x0002

0x06

0x0102

0x06

0x06

Monitor Baud Rate

測位表示トリガ判定用IDメッセージ NMEA ID

1:GGA

2:GLL

3:GSA

4:GSV

5:RMC

6:VTG

7:ZDA

 

 

0x0003

0x01

0x0103

0x01

0x01

Trigger NMEA ID

LED表示、ブザー発音有無初期値

0:LED表示有り・ブザー発音無し
1:LED表示無し・ブザー発音有り
2:LED表示無し・ブザー発音無し
3:LED表示有り・ブザー発音有り
 

0x0004

0x03

0x0104

0x03

0x03

LED/Buzzer Status

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F1
unsigned int 上位バイト (例:2000Hz=0x07D0)

0x0005

0x07

0x0105

0x07

0x07

Buzzer Freqency 1

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F1
unsigned int 下位バイト

0x0006

0xD0

0x0106

0xD0

0xD0

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F2
unsigned int 上位バイト (例:4000Hz=0x0FA0)

0x0007

0x0F

0x0107

0x0F

0x0F

Buzzer Freqency 2

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F2
unsigned int 下位バイト

0x0008

0xA0

0x0108

0xA0

0xA0

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F3
unsigned int 上位バイト (例:5000Hz=0x1388)

0x0009

0x13

0x0109

0x13

0x13

Buzzer Freqency 3

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F3
unsigned int 下位バイト

0x000A

0x88

0x010A

0x88

0x88

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F4
unsigned int 上位バイト (例:3000Hz=0x0BB8)

0x000B

0x0B

0x010B

0x0B

0x0B

Buzzer Freqency 4

ブザー周波数(未測位・2D測位時) F4
unsigned int 下位バイト

0x000C

0xB8

0x010C

0xB8

0xB8

測位表示期間(LED・ブザー) Period
unsigned int 上位バイト (例:100msz=0x0064)

0x000D

0x00

0x010D

0x00

0x00

Period of LED/Buzzer On

測位表示期間(LED・ブザー) Period
unsigned int 下位バイト

0x000E

0x64

0x010E

0x64

0x64

SDカード用バッファサイズ
unsigned int 上位バイト (例:1024=0x0400)

0x000F

0x04

0x010F

0x04

0x04

Buffer size (SD)

SDカード用バッファサイズ
unsigned int 下位バイト

0x0010

0x00

0x0110

0x00

0x00

GNSSモジュール受信用バッファサイズ  
unsigned int 上位バイト (例:2048=0x0800)

0x0011

0x08

0x0111

0x08

0x08

Buffer size (Serial)

SDカード用バッファサイズ
unsigned int 下位バイト

0x0012

0x00

0x0112

0x00

0x00

SDカード格納時先頭行コメント(ヘッダー) 最大128バイト
(半角文字を推奨、127バイト以下の終了判定データ:0x00)

BLOCK0
GNSS Logger for Raspberry Pi Pico (4800bps) (末尾に0X00追加)

BLOCK1
GNSS Logger for Raspberry Pi Pico (GSU-140B-102) (末尾に0X00追加)

Default
GNSS Logger for Raspberry Pi Pico (9600bps)

0x0020

0x00BF

0x0120

0x01BF

Header

 

6.公開用スケッチ(uf2ファイル)

(下記スケッチのアップデートは中止しています。 「まるごとNMEA AE−RP2040編」のスケッチを利用することを推奨します。)

 前節のEEPROM書込みはArduino IDEの書込み専用スケッチを作成して書込みました。 また、書込み結果の確認をするためにEEPROM読み出しスケッチも作成しました。 これらのスケッチはArduino IDEの「ファイル」→「スケッチ例」→「Raspberry Pi Pico用のスケッチ例」→「EEPROM」にある「eeprom_clear」・「eeprom_read」・「eeprom_write」を参考にして作成しました。  これらのスケッチではEEPROMライブラリ開始を「EEPROM.begin(512);」で作成しました。 上記以外の値を設定したい場合は、これらのスケッチ例を参考にして書込むことが可能です。

 プロトタイプ4のGNSSロガーを起動するためには以下の手順で行いました。  なお、EEPROMデータを利用する必要のない通信速度9600bpsのGNSSモジュールを利用する場合は下記手順1と手順2をスキップして手順3のみでよいです。 下記のサンプルスケッチファイル名をクリックするとダウンロードできます。

 

 

7.SDカード書込み結果

 そもそも「Raspberry Pi Pico」を用いた「まるごとNMEA」の製作のきっかけとなったNMEAセンテンスの書込み結果は下となりました。

 さすがバッファの効果で全てのNMEAセンテンスを正常に書込みできました。 機能的・性能的には目標を達成できました。

 SDカード書込み時の波形を観測しましたので参考までに下記に掲載します。

 

SDカード書込み関連信号の観測結果(SDカード書込みタイミング:GNSSロガー受信データ128バイト

観測条件

観測波形

GSU−140型
GNSS評価キット

(115200bps)

ファイルサイズ
0MB

32GB class10



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。

 上段のNMEA GGAはほぼ1s間隔で検出(立上りエッジ)できています。 また、SDカードへの書込みも短時間で終了しています。、 なお、サンプリング間隔が10kHzのため、波形を全て観測できているわけではありません。

GSU−140型
GNSS評価キット

(115200bps)

ファイルサイズ
59MB

32GB class10



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。

SDカードへの書込み時間が長くなっていますが、問題はなさそうです。

GR−A013U
(GM−A013R)

(9600bps)

ファイルサイズ
0MB

128MB class不明

 



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。

 IDメッセージの間隔が約1sから外れていますが、GNSS_TX波形からGNSSモジュールからのタイミングがずれているのが原因と思われます。

GR−A013U
(GM−A013R)

(9600bps)

ファイルサイズ
約59MB

128MB class不明



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。

 IDメッセージの間隔が約1sから外れていますが、SDカードへの書込み処理終了が遅れたのが原因と思われます。

GR−A013U
(GM−A013R)

(9600bps)

ファイルサイズ
約59MB

128MB class不明



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。

 IDメッセージの間隔が上記より大きく1s間隔から外れています。 SDカードへの書込みタイミングによってばらつきが大きくなっているようです。

GR−A013U
(GM−A013R)

(9600bps)

ファイルサイズ
0MB

32GB class10

 



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。
 

GR−A013U
(GM−A013R)

(9600bps)

ファイルサイズ
約59MB

32GB class10



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。

 class10とすることで書込み時間が短くなっています。

GR−A013U
(GM−A013R)

(9600bps)

ファイルサイズ
約216MB

32GB class10



上記波形をクリックすると原寸大の波形をダウンロードできます。

 ファイルサイズをさらに大きくしましたがIDメッセージの間隔は約1s間隔で正常でした。 しかし、ときたま2回連続でIDメッセージGGAを検出していました。 この原因はNMEAのIDトーカの違いで$GPGGLと$GLGGAの 2種類が連続送信されているのが原因でした。

ログサンプル (一部伏字****にしています。)

$GPGGA,223853.000,****.****,N,*****.****,E,1,09,0.9,57.7,M,28.2,M,,0000*6B
$GLGGA,223853.000,****.****,N,*****.****,E,1,04,0.9,57.7,M,28.2,M,,0000*7A

$GNGSA,A,3,13,02,29,18,15,30,24,05,20,,,,1.4,0.9,1.2*27
$GNGSA,A,3,72,87,73,71,,,,,,,,,1.4,0.9,1.2*2B
$GNRMC,223853.000,A,****.****,N,*****.****,E,0.00,80.49,******,,,A*44
$GNVTG,80.49,T,,M,0.00,N,0.0,K,A*26
$GPGGA,223854.000,****.****,N,*****.****,E,1,10,0.8,57.7,M,28.2,M,,0000*65
$GLGGA,223854.000,****.****,N,*****.****,E,1,04,0.8,57.7,M,28.2,M,,0000*7C

$GNGSA,A,3,13,02,29,15,30,24,05,18,20,11,,,1.4,0.8,1.1*25
$GNGSA,A,3,72,87,73,71,,,,,,,,,1.4,0.8,1.1*29
$GNRMC,223854.000,A,****.****,N,*****.****,E,0.00,80.49,******,,,A*43
$GNVTG,80.49,T,,M,0.00,N,0.0,K,A*26
$GPGGA,223855.000,****.****,N,*****.****,E,1,10,0.8,57.7,M,28.2,M,,0000*64
$GLGGA,223855.000,****.****,N,*****.****,E,1,04,0.8,57.7,M,28.2,M,,0000*7D

$GNGSA,A,3,13,02,29,15,30,24,05,18,20,11,,,1.4,0.8,1.1*25
$GNGSA,A,3,72,87,73,71,,,,,,,,,1.4,0.8,1.1*29
$GNRMC,223855.000,A,****.2633,N,*****.3167,E,0.00,80.49,******,,,A*42
$GNVTG,80.49,T,,M,0.00,N,0.0,K,A*26
$GPGGA,223856.000,****.****,N,*****.****,E,1,09,0.9,57.8,M,28.2,M,,0000*60 $GLGGA,223856.000,****.****,N,*****.****,E,1,04,0.9,57.8,M,28.2,M,,0000*71 $GNGSA,A,3,13,02,29,15,30,24,05,18,20,,,,1.4,0.9,1.2*27 $GNGSA,A,3,72,87,73,71,,,,,,,,,1.4,0.9,1.2*2B $GPGSV,4,1,14,13,58,028,32,02,62,248,31,29,13,237,30,15,66,316,26*7F $GPGSV,4,2,14,30,14,041,25,24,34,195,25,05,58,079,25,18,39,308,21*7F $GPGSV,4,3,14,20,29,110,17,11,09,155,07,31,59,136,,14,42,259,*7C $GPGSV,4,4,14,08,26,047,,28,01,116,*7E $GLGSV,3,1,10,72,46,019,35,87,45,232,27,73,18,041,24,71,14,063,18*66 $GLGSV,3,2,10,74,35,089,22,88,38,303,16,65,36,305,,75,18,148,*6B $GLGSV,3,3,10,86,07,181,,81,01,340,*6A $GNRMC,223856.000,A,****.****,N,*****.****,E,0.20,80.49,******,,,A*42 $GNVTG,80.49,T,,M,0.20,N,0.4,K,A*20
$GPGGA,223857.000,****.****,N,*****.****,E,1,09,0.9,57.8,M,28.2,M,,0000*61 $GLGGA,223857.000,****.****,N,*****.****,E,1,04,0.9,57.8,M,28.2,M,,0000*70 $GNGSA,A,3,13,02,29,15,30,24,05,18,20,,,,1.4,0.9,1.2*27 $GNGSA,A,3,72,87,73,71,,,,,,,,,1.4,0.9,1.2*2B $GNRMC,223857.000,A,****.****,N,*****.****,E,0.00,80.49,******,,,A*41 $GNVTG,80.49,T,,M,0.00,N,0.0,K,A*26

 

参考 : 上記波形測定のNMEA_GGA信号は「Raspberry Pi Pico」の29ピン(GP22)に割り当てています。 jsk91s3.uf2でもこの機能は残したいます。、

 

8.結論・今後の予定

 上記観測結果より、「Raspberry Pi Pico」を用いることで当初目標としていた「GNSSモジュールから受信したデータを確実にSDカードに記録」できることを確認できました。  さらにSDカードclass10クラス以上を利用することで、より確実にl記録できるようです。
 今回製作したのはブレッドボードを用いたプロトタイプ4ですが、このまま「Raspberry Pi Pico」を用いて基板化しても外形サイズが大きくなるのは確実です。 GNSSロガーとしては小型化もできるようにしておきたいため、「Raspberry Pi Pico」ではなく「RP2040−Zero」を用いたGNSSロガーを 製作しました。 本Webページ公開時点ではブレッドボード用いて「RP2040−Zero」版のGNSSロガーの動作確認が済んでいます。  スケッチは「Raspberry Pi Pico」版のスケッチオブジェクトuf2ファイル をそまま流用できることも確認しています。 その後、製作した「RP2040−Zero」版を 「まるごとNMEA RP2040 Zero編」で公開しています。

 

【 「RP2040−Zero」版GNSSロガー(動作確認中) 】

 

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