Memorandumの小部屋
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お水がいっぱいですよ!!!
ワイヤレスでお風呂水位を監視。
1.背景
今回の電気電子工作のきっかけは、友人よりの一通のメールからです。 そのものズバリ、ワイヤレスお風呂ブザーの資料の問い合わせでした。 お風呂の水位を検知して、水が所定の水位になった時点でブサーを鳴らします。 センサの設置場所がお風呂場ですから赤外線通信は見通し範囲内でしか信号を送ることはできません。 そのため、当初は微小電力無線でブザーをオンオフすることを考えてました。 これに相当するのがMemorandumの小部屋の「リモコンリモコン その1 (おまけはリモコンガチャガチャ迷惑防止器!!!)」で使用している433MHz Transmitter Module / TX433・433MHz Receiver Module / RX433の無線モジュールです。 この方式でインターネットで検索を行いましたが、製品としては要望に近いものがありましたが電気電子工作としてはこれといったものがありませんでした。 次は蔵書のなかからの検索です。 自分の蔵書の検索も手元のファイルではなく「サイト検索の小部屋」を使ってインターネット検索をしております。 いくつかのキーワードで探してみると参考資料の小部屋の図解 2・3石エレクトロニクス 製作集に2石ワイヤレスお風呂報知器があるのを見つけました。 この2石ワイヤレスお風呂報知器 のコンセプトはワイヤレスマイクに低周波発振回路を設け、水の検知有無でこの低周波発振をオンオフするものです。 これならば手頃な部品で製作することができます。 しかし、この製作記事では低周波発振回路にトランスを使用していますので部品入手が面倒ですし、今更トランスを使うこともないと思えます。 さあ、ここから物作り虫が動き始めました。 |
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2 製作
2.1 ワイヤレス モールス練習キット
低周波発振とワイヤレスマイクの2つキーワードで思い浮かぶのが「ワイヤレス モールス練習キット」です。 下記画像のKEY端子に電鍵をつないでモールス信号のトーンをFMラジオで聞くことができます。
【 ワイヤレス モールス練習キット 】
電鍵の代わりに水検知センサでKEY端子間をオンオフできるようにすれば目的を達することができそうです。 電鍵キー端子用の2本の電線の先端に部品リード線(錫メッキ線)をハンダ付けしたものを水検知センサとして使用します。
さすがにこのセンサだけをKEY端子に接続しただけではトーンを発生させることはできませんでした。 この対応として水検知センサ電流増幅回路を抵抗2個トランジスタ1個で製作 しました。 この回路で、水を検知するとトーンを発生し、水がなくなるとトーンを停止できるようになりました。 これでワイヤレス風呂ブザーの完成です。
このときのラジオから聞こえるトーン音をここに示します。
【 水検知センサ 】 | 【 水検知センサ電流増幅回路 】 |
2.2 フリーカさせたい
水を検知すると約500Hzの連続音がするだけで、今ひとつ面白みに欠けます。 そこで、トーンをフリッカさせてみることにしました。
フリッカの 発振回路には秋月電子通商で購入したC-MOSタイプの555であるICM7555を使用することにします。 回路図を下記します。
Rb1、Rb2、Rb3の3本の抵抗は3.3MΩが手持ちでないために1MΩを3本直列接続しています。 3.3MΩ があれば1本でokです。
水検知センサでの動作を安定させるためRb1、Rb2、Rb3の抵抗を設けています。 この抵抗のため水検知センサのダイナミックレンジが低下していますが、回路の安定性を優先しました。
下記回路のKEY とGNDを「ワイヤレス モールス練習キット」の[KEY]端子に接続します。
【 フリッカ回路 】
この回路では水検知センサの検出抵抗値によってフリッカの周期及びデューティをアナログ的に変化します。 水検知センサの代わりに下記抵抗をつけたときの「ワイヤレス モールス練習キット」を使ってFMラジオから聞こえるフリッカの状態を下表に示します。 Rb1、Rb2、Rb3があるため、抵抗値1.5MΩではフリッカしません。
1MΩ | 500kΩ | 330kΩ | 220kΩ | 100kΩ | 47kΩ | 0Ω (短絡) |
jsk18a1.mp3 | jsk18b1.mp3 | jsk18c1.mp3 | jsk18d1.mp3 | jsk18e1.mp3 | jsk18f1.mp3 | jsk18g1.mp3 |
また、これに用いる水検知センサ回路及びその外観を示します。 上段は連続変化(水の抵抗値によってはオンオフ動作に近くなります。)用の水検知センサです。 下段は階段状に変化するようにした水検知センサです。 この例では直列接続としていますが、抵抗を並列に並べて、水位によって並列抵抗値が変わるようにすることもできます。 また、フロートスイッチを付けてもよいでしょう。 水検知センサはこれら以外にもいろいろいろいろな方法が考えられますのでみなさんで試してみて下さい。
【 水検知センサ回路 】
【 水検知センサ 外観 】
2.3 トーンを変えたい
「ワイヤレス モールス練習キット」は500Hzで、トーン周波数を自由に換えることができません。 また、「ワイヤレス モールス練習キット」自体も入手が困難だと思います。 このため、トーン周波数を可変でき、LINE入力があるワイヤレスマイクを利用できるようにしてみました。
利用するワイヤレスマイクは秋月電子通商の前世代の「FM−ステレオ・トランスミッタ」を利用します。(現行品も使えるでしょう。)
【 FM−ステレオ・トランスミッタ 】
2.2のフリッカ回路にトーン発生回路を追加しました。 この状態で水検知センサを短絡すると連続したトーンが聞こえますが、ちょっとノイズっぽく聞こえます。 ここ(jsk18p1.mp3)をクリックするとその音を聞けるようにしております。 音量を大きくして聞いてみて下さい。
何かおかしいなと思ってU1(ICM7555)のOUT信号(Pin3)を観測すると約15μs間出力がLレベルに落ちています。 リセット動作は予想はしていましたがトーンにノイズとして影響があるまでは予想できませんでした。
【 U1(ICM7555)のOUT信号(Pin3)波形 】
原因がかわれば対策は簡単です。 U1のOUT信号にローパスフィルタを設け、このパルスをトーン発生用ICであるU2(ICM7555)に伝えないようにします。 これを反映したフリッカ+トーン発生回路を下記に掲載します。 VR1でトーン周波数、VR2で音量を調整できます。
【 フリッカ+トーン発生回路 回路図 】
【 フリッカ+トーン発生回路 外観 】
前世代「FM−ステレオ・トランスミッタ」を使ってFMラジオから聞こえるフリッカの状態を下表に示します。 Rb1、Rb2、Rb3があるため、抵抗値1.5MΩではフリッカしません。
1MΩ | 500kΩ | 330kΩ | 220kΩ | 100kΩ | 47kΩ | 0Ω (短絡) |
jsk18h1.mp3 | jsk18i1.mp3 | jsk18j1.mp3 | jsk18k1.mp3 | jsk18l1.mp3 | jsk18m1.mp3 | jsk18n1.mp3 |
2.4 メロディもできるぞ
LINE入力が使えるならば、なにも単調なトーンである必要はありません。 メロディが聞こえればよいのではということで「水のみはり番 VX−302D」と「FM−ステレオ・トランスミッタ」を下図のように接続してみました。
【 「水のみはり番 VX−302D」と「FM−ステレオ・トランスミッタ」を接続 】
FMラジオから聞こえる「水のみはり番 VX−302D」のメロディ音は、ここ(jsk18o1.mp3)をクリックすると聞くことができます。 このように簡単にメロディ化ができました。 この方法の応用はいろいろ考えられますので、皆さんでお考え頂ければと思います。
3 その他
本ページの「フリッカ+トーン発生回路」は単三乾電池2本で電源電圧3V定格で使用しています。 実際にはデジカメで使い古した容量がまだ残っている単三乾電池を再利用していますので約2.9V前後で使用しております。 また、「フリッカ+トーン発生回路」は1.5Vでも動作はしております。 ただし、LEDの点滅は確認できない可能性があります。
「フリッカ+トーン発生回路」の消費電流はLED点灯時で約3mA、LED消灯時で約0.5mAでした。
「フリッカ+トーン発生回路」は、電源投入時、短時間出力させるようにしてあります。(なってしまったと表現する方が正しいかな?) 動作確認用にご利用下さい。
上記のように4通りのワイヤレスお風呂ブザーを紹介しました。 これ以外にも市販のキットを組み合わすことでいろいろな方法でワイヤレスお風呂ブザーを実現することができますので、みなさんも考えてみて下さい。
本ページではお風呂の水位を検知することを目的としていますが、お風呂以外に一般の水の検知器として利用できます。 例えば降雨警報機などにも使用できるでしょう。 また、水だけではなく、CdSなどを接続すれば明かり検知器(夜明け検知器)などに使用できます。 いろいろ応用方法を考えてみて下さい。
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