Memorandumの小部屋
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電池容量はまだ残っちょる???の巻
「GPSデータの小部屋」の「お出かけLog」では、一度のお出かけの間にデジカメで写真を1000枚前後撮影してしまうことが多々あります。 その際、デジカメ用電池を複数用意して持参しています。 純正の電池は高いのでセカンドソース電池をネット通販で購入しています。 このセカンドソース 電池の電流容量は、純正品に比べて同等か、少し多めの表記があります。 しかし、実際に使用していても純正品より電池の持ちが良い印象はありませんでした。
今回 「電池容量試験機 (ZB2L3)」を購入しましたので、これを用いて電池の電流容量を
定量的に測定してみることにしました。 ただ、測定結果をどの程度信じてよいのかわかりませんでしたので、「モバイル型絶縁高電圧入力レコーダ NR−2000」で測定した電圧波形から電流容量
を測定(算出)することにしました。
当初は現在利用しているデジカメ用の電池だけを対象にして測定開始しましたが、最終的に過去に利用していた機器用を含めて、手元に所有しているデジカメ用5種類、ビデオカメラ用1種類の計6種類26個の電池の電流容量を測定し
ました。 紹介に際して電池容量測定結果と「NR−2000」測定波形を紹介します。
4.電池C(Panasonic製DMW−BCM13)測定結果
5.電池D(Panasonic DMW−BCF10)測定結果
「電池容量試験機 (ZB2L3)」を用いれば電池容量を分解能0.001Ahで測定することができます。 また、よく使われる3.6Vdc用、3.7Vdc用 電池の放電用負荷抵抗も付属していますので簡単に測定することができます。 今回は付属抵抗7.5Ω2本を直列接続した15Ωの抵抗を負荷抵抗としています。 この負荷の場合、3.6Vdc時に240mA、6.8Vdc時に533mAの消費電流となります。
【 電池容量試験機 (ZB2L3)外観 】
【 電池容量試験機 (ZB2L3)使用例(測定開始直後) 】
「NR−2000」による波形測定は電池のマイナス端子を基準電位(COM)として測定しました。 そのため、電池容量試験機 (ZB2L3)電源マイナスラインと「NR−2000」基準電位(COM)ラインが直流的に短絡しないようにする必要があります。 今回は電池容量試験機 (ZB2L3)用に単独のACアダプタを利用しています。
【 「NR−2000」 測定箇所 】
電流測定は「NR−2000」の電圧測定結果を用いて下記式で求めました。
電池電流 = CH2電圧−CH3電圧)/15Ω
電池電圧測定に際して、電池の+端子/−端子に電線を接続する必要があります。 今回は銅板を細長く切断して、その銅板(以下、電池接続銅板と記載します。)を各電池のACアダプタの給電端子と電池の端子の間に挟み込むようにしました。 また、ACアダプタの給電端子〜電池接続銅板の絶縁と、電池接続銅板の固定を兼ねて、ビニルテープ・透明テープを用いて電池接続銅板を電池に貼り付けました。
今回の一連の測定で最後まで破損することなく長持ちしてくれました。
【 電池接続銅板外観 】
【 電池への電池接続銅板接続外観1 】
【 電池への電池接続銅板接続外観2 】
なお、電流容量は下記の電池電圧に到達するまでの電流容量としました。
デジカメ用3.6Vdc、3.7Vdc電池 : 端子電圧3.0Vdc
ビデオカメラ用6.8Vdc電池 : 端子電圧5.0Vdc
電圧測定に用いた「NR−2000」の電圧校正は未実施です。 読み取り値をそのまま利用しています。 また、抵抗値も実測をせずに、定格抵抗値15Ωをそのまま利用しています。
電流容量測定する電池は充電完了した状態にして測定しました。
以下、電池測定結果を紹介します。
電池A:Canon製デジ カメラの電池NB−4Lおよびセカンドソース品2種類7品の電流容量を測定しました。 充電器はCanon製CB−2LVを利用しました。
【 充電器・被測定電池 外観1 】
【 充電器・被測定電池 外観2 】
電池番号 |
項 目 |
データ |
No.1 |
メーカ(ブランド) |
Canon NB−4L |
定格 |
3.7V 760mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 648mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 652mA |
|
No.2 |
メーカ(ブランド) |
Canon NB−4L |
定格 |
3.7V 760mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 635mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 634mA |
|
No.3 |
メーカ(ブランド) |
Canon NB−4L |
定格 |
3.7V 760mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 672mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 669mA |
|
No.4 |
メーカ(ブランド) |
ROWA NB−4L |
定格 |
3.7V 760mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 182mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 182mA |
|
No.5 |
メーカ(ブランド) |
ROWA NB−4L |
定格 |
3.7V 760mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 128mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 129mA |
|
No.6 |
メーカ(ブランド) |
ROWA NB−4L |
定格 |
3.7V 760mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 209mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 210mA |
|
No.7 |
メーカ(ブランド) |
ROWA NB−4L |
定格 |
3.7V 760mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 226mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 227mA |
NR−2000波形結果より、負荷抵抗に電流を流し始めたとき(放電開始時)、および、電流を流れなくした場合(放電終了時)に電圧がステップ状に変化しています。 このときの電圧変化から、鳳−テブナンの定理より電池の内部抵抗を求めてみました。 なお、放電終了後は電圧変化していますので、放電終了0.2s後と放電終了後5s後の2通りで内部抵抗を求めてみました。
【 内部抵抗測定結果 】
電池B:Canon製デジカメラの電池NB−11Lおよびセカンドソース品2種類 5品の電流容量を測定しました。 充電器はCanon製CB−2LFを利用しました。
【 充電器・被測定電池 外観1 】
【 充電器・被測定電池 外観2 】
電池番号 |
項 目 |
データ |
No.1 |
メーカ(ブランド) |
Canon NB−11LH |
定格 |
3.6V 800mAh 2.9Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 642mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 645mA |
|
No.2 |
メーカ(ブランド) |
WELLSKY NB−11L |
定格 |
3.6V 900mAh 3.2Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 408mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 411mA |
|
No.3 |
メーカ(ブランド) |
WELLSKY NB−11L |
定格 |
3.6V 900mAh 3.2Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 432mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 432mA |
|
No.4 |
メーカ(ブランド) |
WELLSKY NB−11L |
定格 |
3.6V 900mAh 3.2Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 428mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 432mA |
|
No.5 |
メーカ(ブランド) |
WELLSKY NB−11L |
定格 |
3.6V 900mAh 3.2Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 416mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 417mA |
【 内部抵抗測定結果 】
4.電池C(Panasonic製DMW−BCM13)測定結果
電池A:Panasonic製DMW−BCM13ELおよびセカンドソース品3種類 4品の電流容量を測定しました。 充電器はセカンドソース電池に付属していたDSTE製TRAVEL CHARGER(NJ16)を利用しました。
【 充電器・被測定電池 外観1 】
【 充電器・被測定電池 外観2 】
電池番号 |
項 目 |
データ |
No.1 |
メーカ(ブランド) |
Panasonic DMW−BCM13 |
定格 |
3.6V 1250mAh 4.5Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 1181mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 1186mA |
|
No.2 |
メーカ(ブランド) |
メーカ名不明 DMW−BCM13 |
定格 |
3.6V 1250mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 583mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 576mA |
|
No.3 |
メーカ(ブランド) |
メーカ名不明 DMW−BCM13 |
定格 |
3.6V 1250mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 633mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 634mA |
|
No.4 |
メーカ(ブランド) |
DSTE DMW−BCM13E |
定格 |
3.7V 1800mAh 3.7Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 906mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 912mA |
【 内部抵抗測定結果 】
5.電池D(Panasonic DMW−BCF10)測定結果
電池D:Panasonic製デジカメラの電池DMW−BCF10およびセカンドソース品2種類 3品の電流容量を測定しました。 充電器はPanasonic製DE−A59Aを利用しました。
【 充電器・被測定電池 外観1 】
【 充電器・被測定電池 外観2 】
電池番号 |
項 目 |
データ |
No.1 |
メーカ(ブランド) |
Panasonic DMW−BCF10 |
定格 |
3.6V 940mAh 3.4Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 870mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 872mA |
|
No.2 |
メーカ(ブランド) |
メーカ名不明 DMW−BCF10 |
定格 |
3.6V 940mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 622mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 622mA |
|
No.3 |
メーカ(ブランド) |
メーカ名不明 DMW−BCF10 |
定格 |
3.6V 940mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 666mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 668mA |
【 内部抵抗測定結果 】
電池E:CASIO製デジカメラの電池NP−40およびセカンドソース品2種類 4品の電流容量を測定しました。 充電器はCASIO製BC−31Lを利用しました。
【 充電器・被測定電池 外観1 】
【 充電器・被測定電池 外観2 】
電池番号 |
項 目 |
データ |
No.1 |
メーカ(ブランド) |
CASIO NP−40 |
定格 |
3.7V 1300mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 1130mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 1126mAh |
|
No.2 |
メーカ(ブランド) |
CASIO NP−40 |
定格 |
3.7V 1300mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 1161mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 1168mA |
|
No.3 |
メーカ(ブランド) |
ROWA NP−40 |
定格 |
3.7V 1300mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 1000mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 1007mAh |
|
No.4 |
メーカ(ブランド) |
ROWA NP−40 |
定格 |
3.7V 1300mAh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 590mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 595mA |
【 内部抵抗測定結果 】
電池A:Sony製ビデオカメラの電池NP−FV50およびシリーズ品のセカンドソース品2種類 3品の電流容量を測定しました。 充電器はROWA製NP−FH100−AC6を利用しました。
【 充電器・被測定電池 外観1 】
【 充電器・被測定電池 外観2 】
電池番号 |
項 目 |
データ |
No.1 |
メーカ(ブランド) |
Sony NP−FV50 |
定格 |
6.8V 980mAh 6.6Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 958mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 963mA |
|
No.2 |
メーカ(ブランド) |
InfoTECH(ROWA) NP−FV70 |
定格 |
6.8V 1960mAh 13.3Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 1096mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 1106mA |
|
No.3 |
メーカ(ブランド) |
InfoTECH(ROWA) NP−FV70 |
定格 |
6.8V 1960mAh 13.3Wh |
|
電池容量試験機 (ZB2L3)測定結果 |
電流容量測定結果 : 1253mAh |
|
NR−2000波形結果 |
波形からの電流容量算出結果 : 1255mA |
No.2とNo.3のInfoTECH製(ROWA)のNP−FV70は電圧低下保護回路が内蔵されているようです。 約5.6〜5.7Vdcで出力が遮断されました。 遮断後は電圧が約6.5Vdcまで回復すると再度出力されるようです。 そのため、終了後の内部抵抗は回復時のみの内部抵抗を算出しています。
なお、この電圧低下保護回路を設けているということは、電圧回復しなけれなこの電池の再利用は不可能となることを意味しています。 つまり、この電池は「カツ!!」を入れて復活させることはできません。
【 内部抵抗測定結果 】
また、No.1のSony製NP−FV50の放電開始時の挙動が他と異なり、いったん電圧低下後に電圧上昇していました。 もしかすれば短絡保護(過電流保護)機能を有しているのかもしれません。
【 Sony製NP−FV50 放電開始時の電圧変化 】
通常は放電開始後の電圧復帰は無く、徐々に電圧低下していきます。
【 InfoTECH(ROWA) NP−FV70 放電開始時の電圧変化 】
今回、「電池容量試験機 (ZB2L3)」 と「NR−2000」 を用いて電池の電流容量を複数回測定しました。 実際には、再現性確認や、電池接続銅板の接触不良起因による測定波形乱れ対応の再測定なども含めて30回を超える測定をしています。 そのうち、再現性確認と正常な測定結果合計29回の電流容量測定結果の比較をした結果を下記に掲載します。
電流容量測定終了電圧
|
【 電流容量 測定結果比較 】
上記結果より「電池容量試験機 (ZB2L3)」 LED表示電流容量≒「NR−2000」算出電流容量の結果を得ることができました。 これより、今回利用した「電池容量試験機 (ZB2L3)」 の LED表示電流容量を信じるに値すると判断しました。
ただし、「電池容量試験機 (ZB2L3)」には個体差もありますので、全ての「電池容量試験機 (ZB2L3)」 に当てはまるまでは言い切れません。
セカンドソース品は総じて定格容量に達していないようです。 純正品は高価ではありますが、それなりの性能を有していることを改めて認識しました。
【 純正品/セカンドソース品 電流容量比較 】
電池の電流容量と内部抵抗の関係をグラフ化してみました。
放電開始直後、放電終了後(+0.2s)では純正品と2ndソース品単位での相関は若干ありそうですが、電流容量比全体での相関はなさそうです。
【 純正品/セカンドソース品 電流容量比較 】
【 純正品/セカンドソース品 電流容量比較 】
放電終了後(+5s)では、電流容量比と電池内部抵抗に比較敵相関がありそうです。 この結果から、小型のリチウムイオン電池において、放電終了後しばらく時間を待ったのちの電池内部抵抗を検出すること で電池の劣化状態を判断できるかもしれません。
【 純正品/セカンドソース品 電流容量比較 】
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