Memorandumの小部屋
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「なんこもチャイム!」の巻
1.背景
あるお宅で、玄関のピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)の音が別の部屋からは聞こえないので別のチャイムを追設したいとの相談がありました。 我が家では、11曲メロディー&アラームキットと玄関ピンポンチャイム(Panasonic EC522)を連動して10年近く使用している実績があります。 このような経験がありましたので、今回もピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)に連動してメロディICをチャイム代わりに鳴らすつもりで製作を開始しました。
【 Panasonic EC5237B 外観 】
設置に際して、現状のピンポンチャイムのスイッチ、スイッチ配線、本体はそのまま利用して、チャイムだけを追設することにします。 どうせ追加するならば、追設を1個に限定せずに必要に応じて何個も連動できる回路構成として、これを「なんこもチャイム!」と名付けました。
2. 「なんこもチャイム!」の製作
2.1 メロディ基本回路検討
11曲メロディー&アラームキットをそのまま使用するのがベストなのですが、このキットは既に販売終了しています。 今回は本ページ作成当時に入手できる(手持ちの)ICで製作を行いました。 候補としては「メロディーIC(オルゴールIC)SM6201」と「電子オルゴールIC(メロディオルゴール)UM3481シリーズ」がありましたが、対象のチャイムの電源に合わせるとの考えで、単三乾電池1本(1.5V)で動作できる「電子オルゴールIC(メロディオルゴール)UM3481シリーズ」のUM3482もしくはUM3485を使用することにします。 (UM3481はクリスマス用なので対象外としました。)
秋月電子通商で購入しました。
【 UM3482 / UM3485 】
回路検討には、たまたま手にしたUM3485を使用しました。 データーシートにはダイナミックスピーカを使用したアプリケー^ション回路が3通り掲載されていましたので、それぞれの回路について動作確認をしてみました。 下記の試作結果より、待機時電流の最も少ないアプリケーション回路「A.MELODY DOOR BELL」を採用することにしました。
回 路 |
試作結果 |
Melody Door Bell |
【 試作回路 回路図 】
【 試作回路外観 】
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Low Cost APPLICATIONS (1) |
【 試作回路 回路図 】
【 試作回路外観 】
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Low Cost APPLICATIONS (2) |
【 試作回路 回路図 】
【 試作回路外観 】
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2.2 ケース検討
実際に設置する際に、できれば違和感のないように、スピーカを内蔵したケースが望まれます。 当初はアクリルケースを加工することを考えていましたが見栄えはよくないのは経験済みです。 いろいろジャンクを探していると、ダイソーで購入して背面カバーに穴あけ加工をした下記写真のスピーカ(DDM−01)を見つけました。 中古ですが、スピーカ用のケースですので見栄えも悪くありません。 今回はこのケースの中に回路等を 実装して使用することにしました。
2個見つけたうちの、穴あけ加工をしていない方の外観です。
【 ダイソースピーカ DDM−01 】
このスピーカの横幅は単三乾電池ボックスを収納できる寸法となっています。 裏フタ側面を彫刻刀で少し削ると単三乾電池ボックスを裏フタにきっちり収納することができます。 なお、単三乾電池ボックスは 秋月電子通商で扱っている「電池ボックス 単3×1本用(プラスチックタイプ・リード線付) [BH-311-1A]」を利用していますが、リード線の取り出し位置を電池ボックスの側面から底面方向に手直ししています。 (電池ボックスの底面には口出し用穴があいています。)
穴あけ加工中古ケースに電池ボックスを収納しています。
【 電池ボックス収納状態 】
また、裏フタにL形金具を取り付けて柱固定金具を事前に設けておきます。 現品の裏フタに余分な穴が多くあいているため見栄えが悪いですが、設置時は見えないので気にしないことにします。
【 金具取り付け状態(内側) 】
【 金具取り付け状態(外側) 】
3. 「なんこもチャイム!」 回路
今回製作した「なんこもチャイム!」の回路図を下記に掲載します。
(クリックすると原寸大の回路図をダウンロードできます。)
【 「なんこもチャイム!」 回路図 】
SW11を押すと、ピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)と「なんこもチャイム!」の両方が同時に鳴る接続となります。
「なんこもチャイム!」は本体基板、操作基板、中継基板の3種類から構成するようにします。
本体基板にはUM3482/UM3495、および、周辺回路を搭載しています。
操作基板には操作、調整用のスイッチ2個と半固定抵抗2個を実装しています。 この基板をケース前面裏側に実装して、ケース前面から調整や選曲ができるようにしました。
中継基板はピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)と「なんこもチャイム!」をワイヤードOR回路とSW11を接続する回路です。
当初は試作回路のままでリリースしましたが、誘導ノイズに弱いようで、勝手に「なんこもチャイム!」だけが鳴ってしまうことがありました。 このため、誤動作対策としてコンデンサC21(0.1μF),C22(0.1μF),C51(0.1μF),R10a(2.2kΩ)を追加しました。 もし、新規製作するならば、R10(330kΩ)は不要です。 なお、この対策でも完全ではなく、蛍光灯を点灯した際(グロー管の点滅時)に誤まって鳴ってしまいます。
中継基板はピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)内部に実装します。 そのため、基板サイズが小さくなるようにダイオード3個とコンデンサ1個を取り付け、ハンダ面から電線を取り出した端切れユニバーサル基板にしています。
4. 「なんこもチャイム!」 製作例
上記回路をベースに製作した実例を以下に示します。 チャイム用メロディとしてはUM3485よりUM3482の方が適切と判断して今回はUM3482を実装しました。
誤動作対策前の外観です。
【 本体基板外観1 (部品面) 】
誤動作対策前の外観です。
【 本体基板外観 (部品面) 】
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【 基板部品面外観 (ハンダ面) 】
ハンダ面の配線には上記耐熱単線を使用しました。 GPSモジュール用に千石電商で購入したと記憶しています。 |
【 ハンダ面配線部材 】
【 操作基板外観1 】
半固定抵抗の高さが低くなるように。リード部分をカットして実装しています。
【 操作基板外観2 】
中継基板を前面カバーにL形金具で固定しています。 また、スピーカSP1に直列接続されているC4(100μF)もSP1側に実装しています。 |
【 操作基板実装外観 】
【 ケース実装状態1(内側) 】
【 ケース実装状態2(外側) 】
【 ケース実装状態3(電池ボックス収納) 】
操作基板を正面から見た場合のスイッチ、半固定VR配置。 |
【 ケース実装状態4 (正面外観) 】
下側中央部のユニバーサル基板が中継基板です。 この基板をビニルテープで覆い、ピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)内に収納しています。 |
【 ピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)内配線1 】
カバーを取り付ける前の内部状態です。
【 ピンポンチャイム(Panasonic EC5237B)内配線2 】
5 その他
(1) 今回のサウンド波形を確認するために「DSO Quad − 4 Channel Digital Storage Oscilloscope」を利用し ました。 この大きさで波形観測できることの有難さを改めて認識させて頂きました。
【 波形観測時 】
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