Memorandumの小部屋
本ページは金銭授受を伴う行為を含むAuctionや商用Web
Pageからの無断リンク・無断参照を禁じます。
無断リンク・無断参照が判明した時点で然るべき処置をとらさせて頂きます。
捨てられない! 勝手にドロップマウスの巻
このWebページは「捨てられない!」物品に関する経緯を記録として残した個人的なメモです。 当方にしか役立たない情報です。 その点、ご了承願います。
スマホでの情報活用ができない我が身はパソコン生活にどっぷりと浸っています。 パソコン生活ではマウス操作が必須となりますが、長年利用していたマウスの左クリック感に違和感が出てきて時たま勝手にドロップしたり、ドラッグができなくなったりしていました。 当初は時たま発生する程度でしたが、最近では発生頻度が高まり、アプリケーション利用に支障をきたすだけではなく、 突然のドロップでデータ消失の危険性が高まってきました。 さすがにこれはまずいということになりましたが、手に馴染んだマウス操作の感覚をそのままにしたいということで、修理して使い続けることにしました。 ( これはこじつけです。 正直に言うと、外観破損しているわけではないので「捨てられない!」です。)
今回の修理は無事成功して、勝手にドロップすることも無く、かつてのように問題なく使い続けることができています。
− 目次 −
1.はじめに
2.マウス修理
3.接点接触確認
4.旧品スイッチの観察
パソコン操作をする狭い机には、電気電子工作や書類作成など様々な作業をするためにいろいろな物品が置かれています。 そのため空きスペースがとても狭く、その対応としてミニサイズのキーボードや小型マウスを利用していましたが、歳を追うごとに使い辛くなってきました。 そのため、2016年にテンキー無し・普通サイズ相当のキートップのワイヤレスキーボードにワイヤレスマウスが同梱されているLogicoolのmk240に乗り換えました。
【 mk240パッケージ外観 】
キーボード型式:K240 マウス型式:M212
【 mk240構成品 】
【 マウス 外観拡大 】
この商品は個人的には結構気に入っています。 動作はとても安定していており、キーボードの電池の持ちは、忘れた頃にキー入力が不安定になるなどカタログ通りの長時間のようです。 ただ、マウスについてはキーボードの1/4程度の期間も持たないようで(それでも結構長いです。)、内蔵の電源スイッチをオフするように気を付けています。 マウスの操作感は画像の1ピクセル単位の操作など微妙な操作時などの特別な用途を除けば、クリック感も馴染んで使いやすいです。 これ以前に使用していたコードレスマウス(海外ブランドLogitech C−BA4−MSE/M−RK45)は、机上のド〜〜〜ンと目立つ位置に受信機を置かないとまともに受信できない不安定さがあり、せっかくのコードレスはどこにいったのだという信じられないワイヤレスマウスでした 。 そのため、余計にこのマウスM212は気に入っていました。 しかし、このマウスが「勝手にドロップ」となり困った事態となっていました。
マウスを分解していきます。 裏面にある電池収納部にあるネジを一ヵ所外すとマウスを分解できます。
【 マウス裏面外観 】
【 マウスカバー分離 】
【 マウス底面部外観 】
【 マウスプリント基板外観1 】
【 マウスプリント基板外観2 】
【 マイクロスイッチ取り外し 】
取り外したマイクロスイッチの観察結果を「4.旧品スイッチの観察」に掲載しています。 ここではマイクロスイッチの交換について掲載します。 もともと取付けられていたマイクロスイッチ(以下、旧品スイッチを記載します。)の詳細仕様が不明でしたので、外観寸法を実測して代替品を探したところ、秋月電子通商で取り扱っているオムロン株式会社(OMRON)のD2Fシリーズ が使えそうと判断しました。 D2Fシリージとして、今回は「D2F−01F」と「D2F−01」の2種類が販売されていました。 この2種類の違いは「動作に必要な力」が低荷重動作形 :0.74Nか一般形:1.47Nにあります。 マイクロスイッチはマウスのクリック感に直接かかわる部分ですが、○○Nと言われてもどのような感覚となるのか分からないため、 えいや〜で両方購入しました。
【 購入したマイクロスイッチ 】
旧品スイッチと交換用のD2Fシリーズ2種類の計3種類のアクチュエータのクリック感(動作に必要な力)を比較しました。 旧品スイッチのアクチュエータ が最も軽く動作する感じでした。 D2Fシリーズ2種類はいずれも同じようなクリック感であり、違いをはっきりと区別することはできませんでした。 そのため、今回は 数値的に軽く動作すると思われる「動作に必要な力」が低荷重動作形の「D2F−01F」を利用することにしました。
【 D2F−01F基板取付け後のプリント基板(表面) 】
【 D2F−01F基板取付け後のプリント基板(裏面) 】
【 マウス底面部取付け 】
その後、マウスの組立てを完了して動作確認をしました。 交換後は「勝手にドロップ」マウスとなることはなく、ただの「マウス」として以前のようにドラッグ&ドロップできるようになりました。 マウスボタンのクリック 感は以前より若干堅くなったような気がしますが許容範囲内でした。 ただし、以前よりブタンクリック時の「カチッ」音が大きくなったように感じています。 このクリック音は気にな りだすと耳障りと感じてしまいそうです。(でも、気にしない気にしない)
今回はドラッグ&ドロップに問題が生じていましたので新旧マイクロスイッチの電気的な接点接触状態を測定しました。
最初にプリント基板上の接点間電圧を「モバイル型絶縁高電圧入力レコーダ NR−2000」で測定しました。
【 測定の様子(D2F−01F取付け時) 】
赤色 |
: |
左側スイッチ 1V/div Low時接点閉 High時接点開 |
黄色 |
: |
右側スイッチ 1V/div Low時接点閉 High時接点開 |
横軸 |
: |
1s/div |
|
【 旧品スイッチ 接点導通状態 】
赤色 |
: |
左側スイッチ 1V/div Low時接点閉 High時接点開 |
黄色 |
: |
右側スイッチ 1V/div Low時接点閉 High時接点開 |
横軸 |
: |
1s/div |
|
【 D2F−01F交換後のマイクロスイッチ 接点導通状態 】
なお、上記測定時に想定外の異常波形が観測されていました。 左右スイッチをクリックしていない期間に赤色の左側スイッチ波形が常時変化、黄色の右側スイッチは周期的に短時間Lowレベルに変化する波形となりました。 なお、マウスの電源オンオフや「モバイル型絶縁高電圧入力レコーダ NR−2000」プローブの取付け取り外しなどを行っても現象が再現していました。 ところが、なにかの拍子に波形変化がおさまり上記の期待する波形が観測されるようになりました。
【 異常波形観測例 】
この現象はマイクロスイッチ交換前の旧品スイッチ測定時に観測されましたし、その後の「D2F−01F」交換後でも観測されました。 信号ラインに0.1μFのキャパシタを追加してみたりといろいろ試しましたが、 この現象は継続して発生していました。 しかし、期待される波形(予期しない波形変化が生じない波形)が一度観測されると、その後の波形観測では、 なぜか上記現象は再発しなくなりました。 結局この原因は不明で、この現象の原因追及は途中で諦めましたが、気になってはいます。
この次に取り外したマイクロスイッチ単体で接点状態を観測しました。 測定は抵抗2.2kΩでプルアップして接点間電圧を観測しました。
【 測定の様子(取り外したマイクロスイッチ単体時) 】
赤色 |
: |
左側スイッチ 1V/div Low時接点閉 High時接点開 |
黄色 |
: |
右側スイッチ 1V/div Low時接点閉 High時接点開 |
横軸 |
: |
1s/div |
|
【 旧品スイッチ 接点導通状態 】
旧品スイッチの外観撮影で「HiMAKE」の文字を読み取りできました。 この文字を手掛かりに旧品スイッチの素性を調べると、本Webページ作成時点では台湾のHua−Jie社製のDMシリーズ品と推測されま した。 素性推測の次に、新旧マイクロスイッチの外観比較をしました。
【 新旧スイッチ外観比較1 】
【 新旧スイッチ外観比較2 】
【 新旧スイッチ外観比較3 】
【 新旧スイッチ外観比較4 】
【 新旧スイッチ外観比較5 】
旧品スイッチの赤マジック印は、左側スイッチ識別用として付した印です。
【 新旧スイッチ外観比較6 】
旧品スイッチは爪を外すと分解できるようでした。 試しに爪を浮かすと思った以上に簡単にスイッチを分解できました。
【 旧品スイッチ 分解時外観1 】
【 旧品スイッチ 分解時外観2 】
【 旧品スイッチ 分解時外観3 】
【 旧品スイッチ 分解時外観4 】
今回は電気的接触の不具合現象でしたので、関連部位の外観観察をしました。 下記に観察方向を記載します。
【 旧品スイッチ 電気的接触部位観察方向 】
【 A方向観察部位(デジカメ) 】
当初はデジカメで観察することを試みましたが、思ったような角度で撮影ができませんでしたので「USB DIGITAL MICROSCOPE」で観察することにしました。
【 A方向観察部位(MICROSCOPE) 】
【 B方向観察部位(MICROSCOPE) 】
【 C方向観察部位(MICROSCOPE) 】
【 D方向観察部位(MICROSCOPE) 】
【 E方向観察部位(MICROSCOPE) 】
観察からは接点不良ではと思われる確証を得ることはできませんでした。 また、接点通過電流を実測した結果は約219μAと適度な通過電流となり、接点荒れを生じるような値ではありませんでした。 今回の不具合現象が発生した際に、左スイッチのクリック感が軽く感じる変化があったことより、バネ状 板部品が関連する不具合ではないか推定しています。
何はともあれ、マウス自体を無事復活できてうれしく思っています。 (捨てずに済んでよかった!)
目次に戻る Memorandumの小部屋 へ戻る ホームページへ戻る
End of This Page.