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Memorandumの小部屋

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捨てられない! ソーラーライトの巻

 

 このWebページは「捨てられない!」物品を捨てずに再利用した経緯を記録として残した個人的なメモです。 当方にしか役立たない情報です。 その点、ご了承願います。 

  いつ購入したのか記憶にありませんが初めて購入したソーラーライトを現在でも利用しています。 当初はガーデンライトとして利用していましたが、現在では駐車場所の壁衝突防止のための夜間照明として利用しています。 今回のWebページ作成時に気付いたのですが、このソーラーライトは現在ではブランド品と言ってもよいアイリスオーヤマ株式会社の製品(型式DSL−111W MADE IN CHINA)でした。

 

【 アイリスオーヤマ株式会社製ソーラーライト(型式DSL−111W) 】

 

 実はソーラーライト本体だけではなくパッケージ箱も利用しつづけています。 このパッケージ箱は「電気電子工作の部屋」のコンテンツ用写真撮影時に撮影対象とデジタルカメラの間隔調整用スペーサとして常用しています。 そのため、表面はすり擦り傷だらけです。

 

このパッケージのサイズが撮影に丁度よく、これからも利用し続ける予定です。

【 ソーラーライトパッケージ箱 】

 

箱の中を確認すると取扱説明書が残っていました。

【 取扱説明書 】

 

 しかし、アイリスオーヤマ株式会社の製品といえども無修理というわけにはいきません。 購入初期から継続的に故障に見舞われており、その都度、オーバーホールや修理をして使い続けていました。 今までは追加コストをかけずに手持ち部品利用などで修理を済ませていましたが、先日の故障ではプリント基板の故障原因調査が面倒になり、大改修をすることにしました。 今回はこの経過を記録に残します。 

 


− 目次 −

1.過去の故障状況

2.今回の修理状況

3.大改修状況

4.センサーライト内部湿気対応

5.製品基板推定回路の動作確認


1.過去の故障状況

  記憶によれば、このソーラーライトの最初の故障の原因はNiCd電池の保持不良でした。 いつの間にか点灯しなくなったので確認するとNiCd電池が電池ボックスから外れていました。 このような現象が何度も続き、 最後はビニルテープを貼り付けて固定しました。 

 そのうち、NiCd電池が外れていないにも関わらず一晩続けて点灯できなくなる現象が発生するようになりました。 この現象の要因として以下の2点が原因として考えました。

(1) NiCd電池の劣化

 当時はNiCd電池の電池容量を確認する手間暇(時間)を確保できなかったため、手持ちのNiCd電池交換することにしました。

(2) 太陽電池の表面汚れ

 太陽電池の表面汚れは水拭きで除去していましたが、そのうち水拭きでは除去できない状態になりました。 そのため、アルコール系溶剤で太陽電池表面を拭いて汚れを除去しました。 それでも表面汚れが継続的に生じて、そのうち太陽電池周辺の汚れを除去し辛くなりました。 このため、太陽電池を取り外して太陽電池表面全体をアルコール系溶剤で拭きました。 これがその後の故障を加速させたと推測できます。 元々防水 や防湿について配慮された構造とは思えませんが、この太陽電池取り外しが湿気による劣化を加速したようです。 当時は湿気対策については全く思い至っていませんでした。

 その後も点灯しなくなる故障は発生し続けました。 故障原因としては、明るさを検知するCdSセンサに水分が浸透して特性劣化することがありました。 それ以外にソーラーライト内部のプリント基板の劣化が目立つようになりました。 部品のリード線腐食やプリントバターン腐食が発生し ていました。

 

  廃棄せずに残っていた劣化部品です。 劣化したCdSセンサは行方不明です。

【 劣化部品(残品) 】

 

NiCd電池を廃棄できる場所がなく、今でも廃棄電池BOXに保管していました。

【 劣化部品(NiCd電池) 】

 

  リード線が腐食・ハンダ付け不具合が発生していたため取り外しました。 部品の電気的な特性は未確認です。

【 劣化部品(電子部品) 】

 

 約1年半前の修理時の状況を写真で残していました。 修理内容を忘れてしまいましたが、何枚かの写真を掲載します。

 

 白いビニルテープは太陽電池の固定、黄色いビニルテープはNiCd電池の固定に用いています。 その場しのぎなので貼付けがともて雑になっています。

【 以前の修理時状況1 】

 

この時点ではスライドスイッチの腐食は目立ちませんでした。

【 以前の修理時状況2 】

 

 この時点ではL1は交換済みでしたが、Q2・LEDはまだ交換する必要はありませんでした。 その後の故障でQ2とLEDを交換しています。

【 以前の修理時状況3 】

 

 太陽電池の 表面汚れをアルコール溶剤で拭き取りましたが、それでも汚れが残っています。

【 以前の修理時状況4 】

 

【 以前の修理時状況5 】

 

 この修理時にプリント基板のパターンを調べて回路図を推定しました。 トランジスタやダイオードは海外由来のQ1:S9014、Q2:S8050、Q3:S9015でした。

【 推定回路図 】

 

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2.今回の修理状況

 最近(本Webページ公開時)も再び故障したので修理を試みました。 ただ、今回は故障原因が複数個所あったため、結局は全てのパーツに分解することとなりました。

 

【 電装品パーツ解体 】

 

 以前の修理でLEDを「ガラスパッケージLED 5mm白色LED GPL/W/A00001/FA/ST」(秋月電子通商で購入)に交換していました。

【 電子部品関連状況 】

 

 以前の修理でQ2を2SA1015Yに交換していました。

【 プリント基板1 】

 

【 プリント基板2 】

 

 すずメッキ線は以前の修理時に プリント基板のパターン腐食対策で追加したものです。

【 今回の修理時状況5 】

 

スライドスイッチのレバーが動かなくなるほど腐食がすすんでいました。

【 スライドスイッチ腐食状況 】

 

今回もCdSセンサが凄く腐食していました。

【 CdSセンサ腐食状況 】

 

 明らかに故障の原因と思われるCdSセンサ・スライドスイッチを交換しても点灯しませんでした。 CdSセンサに光を当ててQ1コレクタの電圧変化までは正常動作することを確認しましたが、それでもLEDは点灯しませんでした。 止むを得ずLEDを外して目視確認するとリード線封止部の変色とLEDチップ部接続が外れているのが見つかりました。 LEDの腐食・破損は予想外でした。

 

【  以前に交換した白色LED(当方にて交換したLED) 】

 故障原因特定のため机上にあった赤色LEDに交換して動作させるとLED点灯しましたのでLED単体が原因と判断しました。 その後、LEDを白色LEDに交換したところ、何故か白色LEDでは点灯しませんでした。 プリント基板目視確認、部品単体テスター測定、基板ターン導通確認をしましたが異常箇所を特定できませんでした。 仕方ないのでQ3コレクタ波形(昇圧状況確認)とLEDアノード電圧(LED印加電圧確認)を測定しました。

 LED未取付け時はQ3コレクタ波形のスイッチング波形を確認できましたが、白色LEDを取付けると発振停止する現象を確認できました。 

 

黄色 : 2V/div Q3コレクタ波形

水色 : 5V/dic LEDアノード電圧

時間軸 : 2μs/div

【 LED未取付け時(無負荷時)波形 】

 

黄色 : 2V/div Q3コレクタ波形

水色 : 5V/dic LEDアノード電圧

時間軸 : 2μs/div

【 白色LED実装時波形 】

 

 プリント基板自体の劣化が進んでいることもあり不具合原因/修理しても長期間の動作を期待できそうにないので、このプリント基板の再利用は諦めることにしました。 センサーライトは100円均一や数100円出せば入手でるので、経済的・時間的に新たに購入するのが絶対にお得です。 でも、ボディー(センサーライト筐体)は何ら問題ありません。 電池・太陽電池は問題なさそうです。 センサーライトのプリント基板を作り直せばまだまだ使えます。 やはり捨てられません。。。。。 困った性分です。 

 

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3.大改修状況

 たまたま電池電圧範囲で利用できる「3.3V出力昇圧DCDCコンバーター AE−XCL102D333CR−G (K-13066)」を測定・公開したばかりです。 EN端子もありますのでCdSセンサも簡単に接続できます。 ということで基板を新規に製作する大改修(?)をすることにしました。

 新規製作の回路はとても簡単です。 「AE−XCL102D333CR−G」にCdSセンサとLEDを取付けるだけです。 CdSセンサにLED点灯の明るさを決める抵抗R11と、LEDの明るさを調整するR12を決めるだけです。 また、太陽電池への電流逆流素子用ダイオードD11として手持ちの1S4を利用しました。

 R11は使用するCdSセンサの特性(今回は1MΩ品)により調整する必要があります。 LED消灯時の電池消費電流にも影響がありますので、できる限り大きな抵抗値で、かつ、適度な明るさでLED点灯できる値として220kΩとしました

 LEDはそれほど明るくする必要がありませんので順方向電流を小さ目にして点灯時間を延ばすことを優先した値51Ωにしました。

 

【 改修用回路図 】

 

 今回、「AE−XCL102D333CR−G」のEN端子を利用しますのでEN端子の動作特性を確認してみました。 下記結果は電圧上昇時/下降時の変化を重ね書きしています。 以下の測定結果より約0.56Vdcに出力オンオフのしきい値がありました。 また、ヒステリシスは確認できませんでした。

 

【 改修用回路図 】

 

 この回路図をもとにして改修用基板を製作しました。 従来はプリント基板と周辺部品(太陽電池・NiCd電池・CdSセンサ・スイッチ)が配線でつながっているためオーバーホールをやり辛い実装状況でした。 この対応として、改修用基板ではピンヘッダー・ピンソケットを利用して基板と配線を切り離すことができるようにしました。 また、センサーライト部分の上部分(太陽電池・NiCd電池・CdSセンサ)と下部分(スイッチ)を分離できるようにピンヘッダー・ピンソケットをCN11とCN12の2分割としました。

 

基板カットの他に固定用の穴あけ加工も必要です。

【 ユニバーサル基板加工 】

 

CN11の5番ピンは逆接続防止用のキー対応のために切断しています。

【 改修用基板外観1 】

 

【 改修用基板外観2 】

 

【 改修用基板外観3 】

 

【 改修用基板外観4 】

 

 CdSセンサの腐食対策として湿気対策が必要です。 対応方法が分からなかったので、とりあえずは透明の接着剤を塗布することにしました。 効果があるとは思えません。 何かしておきたいとの単なる気持ちの問題です。

 

100円均一で購入した接着剤を利用しました。

【 CdSセンサ加工1 】

 

気泡がありますが気にしない気にしない。。。。。

【 CdSセンサ加工2 】

 

【 センサーライト上部分(太陽電池のみ) 】

 

【 センサーライト上部分(CN11配線含む) 】

 

CN11の5番ピンには逆接続防止用のキーを設けています。

【 CN12ソケット部 拡大 】

 

 太陽電池 表面の汚れをアルコール溶剤で拭き取っています。 太陽電池を外していないので周辺部に拭き取り残りが有ります。

【 センサーライト上部分外観 】

 

【 センサーライト上部分外観(CdSセンサ部拡大) 】

 

 同じ大きさのスライドスイッチを所有していなかったため、サイズは少しの小さいスライドスイッチに交換しています。 スイッチ固定はネジ止めとしました。

【 代替品スライドスイッチ 】

 

【 センサーライト下部分(CN12配線含む) 】

 

 センサライト上部に下部を取付けてセンサーライト部が完成です。

 

【 センサーライト下部分外観 】

 

 白色LED発光を拡散する円筒状の3段ロングリフレクターを取付けて発光拡散状態を確認しました。 LEDの軸方向への光拡散はほとんど無く、LED の周方向(横方向)に光が拡散しています。

 

【 センサーライト部単体 点灯状態 】

 

【 センサーライト 点灯状態 】

 

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4.センサーライト内部湿気対応

 一応センサーライトが完成しましたが、湿気に対してはCdSセンサ以外は何も対応していません。 構造的にセンサーライト部の表面から防水対応はできないので(困難なので)、センサーライト内部の湿気対策は必要です。 湿気対策として今回はコーティングを試すことにしました。 効果のほどはわかりませんが、何もしないよりはよいでしょう。

 

Hayacoat Mark2を入手しました。 またコストをかけてしまいました。

【 コーティング材 】

 

 コーディング部分は太陽電池の裏表両面、改修用基板の裏表両面、センサーライト下部の内側をコーティングしました。 センサーライト下部に取付けられているスライドスイッチは通電部位が露出しているためコーティングできません。 そのため湿気には弱いままですが、スライドスイッチの腐食時は交換すると割り切ることにしました。

 

【 コーディング乾燥状態1 】

 

 太陽電池表面をのコーティングを薄く重ね塗りすることに失敗して気泡だらけになりました。 コーティング材が垂れて敷き紙との隙間に溜まりができないように綿棒で太陽電池を浮かして乾燥しました。

【 コーディング乾燥状態2 】

 

 センサーライト上部に太陽電池やNiCd電池ボックスを取付ける際に、透明ビニルテープに変えて目立たないようにしました。

 

【 センサーライト上部 再組立1 】

 

【 センサーライト上部 再組立2 】

 

【 センサーライト 再組立1 】

 

 センサーライト再組立後に、太陽電池面を更にコーティングしました。 ちょっと塗布しすぎたようです。

 

【 センサーライト 再組立2 】

 

【 CdSセンサ部拡大 】

 

 これで完成です。 実際の使用時の状態を掲載します。 鉢に土を入れて差し込んでいます。 鉢を移動することでセンサーライトを地面の状態に関わり無くどこにでも簡単に移設できるようにしています。

 

【 センサーライト使用状態 】

 

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5.製品基板推定回路の動作確認

 「2.今回の修理状況」で波形観測をしましたが、故障時の波形観測でした。 製品のプリント基板がどのように動作するのか確認でませんでしたので推定回路図を利用して動作確認を試みることにしました。

 動作確認に際してトランジスタは日本国内で一般的な2SA1015/2SC1815を利用するつもりでいました。 念のために手持ち品を調べたところ「Small Signal Transistor Pack (170pcs)」にS8050・S9014・S9015があることがわかり、推定回路図と同等の型番部品を利用することにしました。 ダイオード1N4148は日本国内でも容易に入手できるようになり、既に入手済みでした。

 

【 使用トランジスタ S8050・S9014・S9015 】

 

 

【 動作確認回路図 】

 

【 動作確認 ブレッドボード回路組立1 】

 

【 動作確認 ブレッドボード回路組立2 】

 

黄色 : 1V/div Q3コレクタ波形

水色 : 1V/dic LEDアノード電圧

時間軸 : 5μs/div

【 白色LED点灯時観測波形 】

 

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