Memorandumの小部屋
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ピカッピーしょうゆさし、ピカッピーそうすさし
1.背景
電池ボックス電子工作(その18) いつどこGPSロガー6 ( プラットフォーム プロトタイプ )GPSセンサ部をお供に暗いうちからジョギングにでかけるときに、受信したときに点滅するLEDの灯りが目に付くようにしています。 しかし、毎回、いつどこGPSロガー6 ( プラットフォーム プロトタイプ )GPSセンサ部を使っているわけではありません。 そのときは灯り無しで暗い車道をひたひたとジョグッています。 百均ショップでお供にできる明滅する小さく邪魔にならない目印 用ライトを探しましたが、チャリンコ用などの大きなものはありますがジョギングのお供にできる適切な物を見つける事ができませんでした。 こうなるといつものパターンで自分で作っちゃえということになります。
この製作における一番の問題はケースです。 このために、いつものように百均ショップでケースになりそうな軽量小型で、電池の出し入れのできるものを探します。 そういえばピルケースの小さいものがないかと思い付いて、その売場付近を探し回っていると、見つけてしまいました。
【 ピルケースの近くにあったダレビン 】
2種類のケースが10個ずつ入っています。
【 お魚さんケースとボトルケース 】
タレビンだと部品や電池の出し入れができませんが、1個5円のケースならば使い捨てができます。 そのままだと内部に部品を入れることができませんが、思い切ってケースの一部を切って部品と電池を入れ、その後、透明テープでとめればよいと割り切ることにしました。 また、電池を黒い収縮チューブでカバーすれば、遠目からは醤油とソースとなります。
残る問題はタイトルです。 タレビンでもいいのですが、”タレビン”は何となく語呂が悪いので、お魚さんケースは醤油さし、ボトルケースはソースさしとすることにしました。 さあ、製作開始です。
2. ピカッピーしょうゆさし、ピカッピーそうすさし の設計
2.1 ピカッピー回路図
基本的にはいつどこGPSロガー6 ( プラットフォーム プロトタイプ )GPSセンサ部のLED回路部分だけを抽出しました。 さらに、ジョギングのお供では背中側に取り付ける事を考えていますので、正常動作を音でも確認できるように圧電ブザーを設ける事にしました。 最終的に回路は下記のようにしました。
【 ピカッピー回路図 】
いつどこGPSロガー6 ( プラットフォーム プロトタイプ )GPSセンサ部と同様にPICマイコンで3色LEDと圧電ブザーを駆動します。
PICマイコンはSOPのPIC12F683T-I/SNを使用します。 3V駆動で、内部発振1MHz動作を標準としています。
抵抗・コンデンサはチッブ部品を使用しました。
電源はボタン電池としました。 ケース形状に合わせてピカッピーしょうゆさしはCR2016、ピカッピーそうすさしはLR44を2個直列を使用しました。
圧電ブザーはケースから圧電素子をケースから取り出して使用しましたが、圧電素子だけではまともに音がしません。 ケースに入れることで少し音が大きくなりますが、それでも 聞こえ方は小さいです。 屋外での聞こえ方は当てにしないほうがよいです。
SW1は薄型のタクトスイッチを使用します。 それぞれのケースの中に実装してもケースの上から押さえることができます。
電池はコネクタ取り合いとしています。 手持ちの秋月電子通商扱いの「1.27mm(ハーフ)ピッチコネクタセット(P-01151)」を加工して2Pコネクタにしています。 逆接続防止機能はありません。 また、電池容量がなくなれば、コネクタ部分も含めて熱収縮チューブを使って自作する必要がありますので、電池交換は結構面倒です。
電源スイッチは設けていません。 その代わり、注ぎ口にスイッチ用電線の配線を引き出して、アルミ箔をつめた赤いキャップを被せることで電源オンとなるようにしています。 後述の写真を参照 願います。
2.2 PICマイコン
PICマイコンのプログラム仕様を下記に示します。
No. |
項目 |
内容 |
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1 |
LED輝度 |
モード1、2,3,4ではユーザで各LEDの輝度調整を下記の4段階、合計で64輝度でプログラム指定可能。 (後述の出力バッファ参照) つまり、ピカッだけではなく、64輝度レインボーライトにもなります。 輝度デューティ 0%(消灯)、33%、66%、100%の4通り。 (1ms周期) |
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2 |
ブザー |
発振周波数はデフォルトで約5kHz設定。 モード1、2,3,4ではブザーオンオフを設定可能。 (後述の出力バッファ参照) |
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3 |
動作モード |
モード0〜モード7をスイッチSW1で切替え。 (モード7の次はモード0) モード切替時にEEPROMにモードを書込み、電源再起動時に最後のモードで再起動。
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4 |
出力バッファ |
モード1〜5は下記の出力バッファの設定で動作。
|
PICマイコン(PIC12F683)のEEPROMで設定できる内容は下記のようになっています。 なお、PICマイコンのプログラムは非公開としますが、お試しされたければメールで当方までご連絡願います。
アドレス |
項 目 |
デフォルト |
||||||||
$00 |
モードデータ ($0〜$7) |
$00 |
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$01 |
ブザー発振周波数設定。 PWMモード PIC12F684のPR2レジスタ設定値。 |
$31 (周期 200μs 約5kHz) |
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$02 |
ブザー発振周波数デューティ設定。 PWMモード PIC12F684のCCPR1Lレジスタ設定値。 |
$19 (オン期間 100μs Duty50%) |
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$03 |
PICマイコン 内部クロック FOSC設定
PIC12F684のOSCCONレジスタ設定値。 $03を変更すると$01,$02の値も見直し必要。 |
$40 (FOSC 1MHz) |
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$04 |
モード1のデータ個数(1〜60) |
$18 (24個) |
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$05 |
モード2のデータ個数(1〜60) |
$18 (24個) |
||||||||
$06 |
モード3のデータ個数(1〜60) |
$18 (24個) |
||||||||
$07 |
モード4のデータ個数(1〜60) |
$18 (24個) |
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$0C〜$45 |
モード1用出力バッファデータ。 1バイト当たり0.1秒。 |
$00→$01→$02→$03→$02→$01を0.4秒刻みで変化。 赤色ピカッモードです。 |
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$46〜$83 |
モード2用出力バッファデータ。 1バイト当たり0.1秒。 |
$00→$04→$08→$0C→$08→$04を0.4秒刻みで変化。 緑色ピカッモードです。 |
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$84〜$BF |
モード3用出力バッファデータ。 1バイト当たり0.1秒。 |
$00→$10→$20→$30→$20→$10を0.4秒刻みで変化。 青色ピカッモードです。 |
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$C0〜$FB |
モード4用出力バッファデータ。 1バイト当たり0.1秒。 |
$00→$15→$2A→$7F→$2A→$15を0.4秒刻みで変化。 白色ピカッピーモードです。 |
3 製作例
3.1 ピカッピーしょうゆさし 製作例
最初に ピカッピーしょうゆさし を製作しま した。 基板は使用せずに全て空中配線・接続です。 また、電池、スイッチは絶縁のためにテープで絶縁します。 以下の写真は作り直し3回目の製作例で、3度目の正直で紹介できるものができました。
チップ部品はPICマイコンのリード線に直接はんだ付けします。 配線は最終的にワイヤーペン用のポリウレタン電線を使用しました。 |
【 ピカッピーしょうゆさし PICマイコン配線部分拡大 】
中央の金属の丸い部品が圧電ブザーの圧電素子です。 右の収縮チューブで覆ったのがコイン電池CR2016です。 |
【 ピカッピーしょうゆさし 部品展開外観 】
圧電ブザーはコイン電池の裏面に取り付けています。
【 ピカッピーしょうゆさし 部品収納状態 】
右側の注ぎ口から電源スイッチ用電線2本(電池+側)の導線部分を画像のように絶縁状態で取り出しておきます。 キャップの奥にアルミ箔を差し込み、このキャップを注ぎ口に締め込むことで導線を短絡/開放して電源オンオフします。 中央の丸く見える金属板は圧電ブザーです。 |
【 ピカッピーしょうゆさし 電源スイッチ状態 】
中央の白い部分がモード切替スイッチSW1です。 お魚の腹を押さえてモード切替えを行います。
【 ピカッピーしょうゆさし 完成外観 】
初 回 製 作 最初は電源スイッチ(スライドスイッチ)を設け、配線はフラットケールのAWG28の電線を使用してましたが、お魚さんがお腹一杯と言ってきましたので、作り直しをしました。
電源スイッチにスライドスイッチを使っていました。 【 初回製作状態 】
【 初回部品収納状態 】
初回製作品は上の写真のようにかさばってお魚さんのお腹を閉めることができませんでした。 また、電源スイッチの操作が非常に悪く、電源オンオフの度にお腹を拡げないといけなくなりました。 |
3.2 ピカッピーそうすさし 製作例
4回目の組立て、配線となりましたので、結構コツがつかめてきました。 電池と実装が変更となりますが、作り方は同じです。
最初に上記のようにチップ部品を取り付けます。
【 ピカッピーそうすさし PICマイコン部分 】
ボタン電池はLR44を2個直列して収縮チューブで固定しています。
【 ピカッピーそうすさし PICマイコン配線部分 】
【 ピカッピーそうすさし 部品展開外観 】
ボタン電池左面側の丸い金属板が圧電素子です。 テープで絶縁しています。
【 ピカッピーそうすさし 圧電素子実装状態 】
ケースの底の部分を切断し、底に反射用アルミテープを貼り付けます。 左下の黒い立方体の部品はモード切替えスイッチ用の当て板となります。 中央下のスポンジはLEDの発光を拡散して横から見えるようにするために設けています。 |
【 ピカッピーそうすさし ケース部品 】
ボトルの横を押さえてモード切替を行います。
【 ピカッピーそうすさし 電源スイッチ状態 】
【 ピカッピーそうすさし 完成外観 】
4 動作例
ピカッピーしょうゆさし、ピカッピーそうすさし のLED点灯例を下記に掲載します。
【 動作例 (明るい環境) 】
【 動作例 (暗い環境) 】
【 お願い 】
ピカッピーしょうゆさし、ピカッピーそうすさし 間違っても、本当のお弁当に入れないでくださいね。
End of This Page.