Memorandumの小部屋
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電池ボックス電子工作(その11)
いつどこ リモコンリモコン3( 赤外線増幅器)
1.背景
目の前にある液晶TVは衝動買いしたアナログ式TVですので地デジ対応はしていません。 そのうち地デジチューナを購入しようと思っていました。 そうこうしているうちに今まで欲しいなと思っている機能を有したLink Theater LT−H90DTVがバッファローより発売されて いました。 機能的には地上デジタル、BS/110度CSデジタル、及び、メディアプレーヤの機能があります。 はい、分かったからには即ゲットです。 確かに応答が遅いなどの点もありますが、RD−Z1と同じようなものであり、この遅さには慣れています。 とにかく、地デジもBSも見られるようになって満足です。
ただし、1点問題がありました。 TV用アンテナの関係でTVとLT−H90DTVが離れており、LT−H90DTV付属リモコンでの操作が簡単にはできな点です。 そこで、「リモコンリモコン その1 (おまけはリモコンガチャガチャ迷惑防止器!!!)」 、もしくは、「電池ボックス電子工作(その5) どこでもリモコンリモコン2(リモコンレピータ) どこでも電圧安定化回路付き」の出番です。 しかし、これらは送信器(部)と受信器(部)の2つが必要、電線を延長しないといけないなどの使い勝手の改善点があります。 そこで、赤外投光器キット(秋月電子通商)を使って天井反射式のリモコンはできないかと思い立ち、早速製作にかかりました。
なお、本ページの参考ページとして赤外線リモコン関係の改善方法を掲載しています「50/60Hzはどこにある!! PICマイコン分周器の製作」もご参照されることをお勧めします。
2.どこでもリモコンリモコン3の仕様
まず、電源をどうするかが問題です。 赤外投光器キット(秋月電子通商)は9〜12VDCですが、こうなるとACアダプタが前提となります。 やはり可搬性を重要視して単3×4本(6VDC)で動作させることにしました。 また、電池ボックスの上に回路の基板を搭載することにしました。
この仕様に対応すると赤外投光器キットは使用できませんので、この部分を6V仕様に合うように自作することにしました。 (え? 背景が早くも崩れました。) また、電池ボックスは(秋月電子通商)「単3×4本用(フタ付プラスチック・スイッチ付) [SBH-341-AS]」(秋月電子通商)がありますが、外形寸法が「片面ユニバーサル基板 Cタイプ(72x47mm) [AE-3]」(秋月電子通商)より小さいので、一回り大きい「単3×4本 USBコネクタ付 [SBH-341-3S/USB]」を使用することにしました。 なお、電源としては電池ボックス内の乾電池と外部ACアダプタの両方を使用できるようにします。
38kHzの発振は、「50/60Hzはどこにある!! PICマイコン分周器の製作」で紹介しましたPICマイコンを使用することにしました。 部品入手性を考えれば、38kHzの水晶発振子よりPICマイコンの方が容易であり、書込みの手間がかかってもPICマイコン式とすることにしました。
3. いつどこ リモコンリモコン3 回路図
「いつどこ リモコン3」の回路は「電池ボックス電子工作(その5) どこでもリモコンリモコン2(リモコンレピータ) どこでも電圧安定化回路付き」をベースにして、38kHzの発振をPICマイコンとし、赤外線LEDを50個ドライブできるように変更したものです。
早速回路図を下記に掲載します。 下記回路図をクリックすると原寸サイズの回路図にアクセスできます。
【 回路図 】
PICマイコンPIC12F683は「50/60Hzはどこにある!! PICマイコン分周器の製作」を38kHz用にして使用します。 HEXファイルを下記に掲載します。 なお、発振周波数は38.1kHzになりますが、特に問題は無いようです。
jsk43a_r0.hex (2014バイト)
赤外線受信モジュールは手持ちのSPS-443-1(秋月電子通商)を横向けにして使用しています。 本品の入手が困難な場合は38kHz用の赤外線リモコン受信モジュールをご利用下さい。 但し、後述の 5項記載のように最近の赤外線モジュールは感度が良すぎる問題もあります。
赤外線LEDは「赤外線LED 5mm(100個入) [OSIR5113A]」(秋月電子通商)を使用しました。 100個入りでしか入手できませんが、比較的安価ですので採用し易い部品です。 製作後に気付いたのですが、半減角が15°と小さく、本機器の向きが微妙に効いているようです。
赤外線LEDを2個1組で25組並列でドライブします。 このためLED点時には瞬間的に2A以上の電流が流れます。 マイコンの制御回路の電源ラインとLED用電源ラインを別々のルートとなるように電源ラインの配線をするようにします。 上記回路図で太線で記載しているのがLED用電源ラインです。 このLED用電源ラインがマイコンの電源ラインを経由しないように電源線接続部で分岐するように配線します。
電源電圧6VDCの場合、赤外線LEDは実測でIf=130mA程度流れます。 (25組並列ですので、電源消費電流は3.25Aとなります。) データシートがないので不明ですが、ほぼ間違いなく絶対定格を超えています。 本回路のR_LED=10Ωは低すぎると思います。 22Ω程度にしたかったのですが、手持ち
に22Ωの抵抗が無かったため10Ωとしました。 もし、新規に部品を収集するならば、22Ωがよろしいかと思います。 また、10Ωで使用するならば、電源電圧は5.5V程度が適切だと思います。 (5VだとIf=80mAでした。)
ちなみに、電池ボックスのUSBコネクタは0.5Aまでですが、まあ、3Aくらい流しても良いでしょう。 アマチュア設計製作では動けば良いが先に立ちますので、こんなことが平気でできるの
が良いですね。
外部ACアダプタ接続用にUSBコネクタAコネクタとDCジャック変換ケーブルを製作して使用しています。 秋月電子通商の5VのACアダプタ(スイッチングACアダプタ 5V 2.3A [NP12-1S0523])でも6VのACアダプタ(スイッチングACアダプタ 6V 2A [NP12-1S0620])のいずれでも動作します。 しかし、5VのACアダプタ専用としたい場合はマイコン用の3端子レギュレータの入力電圧不足となりますので、上記回路の3端子レギュレータ回路を割愛して製作す ればよいでしょう。
SW1は電源供給源切替スイッチ、SW2はマイコン回路電源オンオフスイッチです。
電池ボックス「単3×4本 USBコネクタ付 [SBH-341-3S/USB]」は挟み込み用レバーが付いていますが、これは折って除去します。 また、このレバーを取り付けていた根本部の隙間を利用して電源部〜下側基板への電源配線を通しています。
上基板と下基板を中継するコネクタは秋月電子通商のピンヘッダ、ピンソケットを2P分切り出して使用しています。
4. いつどこ リモコンリモコン3 製作例
「いつどこ リモコン3」の製作例を下記に掲載します。
【 いつどこ リモコン3 完成外観 】
【 いつどこ リモコン3 完成外観 (平面) 】
【 いつどこ リモコン3 完成外観 (受光側側面) 】
ON-OFFスイッチ(回路図SW1)は、ONで電池動作、OFFでUSB コネクタ給電動作となります。
【 いつどこ リモコン3 完成外観 (電源切替側面) 】
【 LED搭載 上側基板 外観 】
赤外線回り込み防止のため、基板裏面に保護シート(絶縁用)+アルミテープを貼り付けています。 |
【 LED搭載 上側基板裏面 】
LEDは前後左右に向けることを目的として、一列置きにリード線の向きを90°変えて実装しています。 このようにLEDを前後転倒、左右転倒できるように実装 しています。 |
【 LED実装状況 】
【 下段基板外観 (外線回り込み防止カバー付き) 】
【 下段基板外観 (外線回り込み防止カバー無し) 】
【 電池ボックス内部(基板カバー取り外し状態) 】
基板を固定しているスペーサ(秋月電子通商3mmプラスシックネジ+六角スペーサ(12mm)セット)を電池ボックス側に固定しているのはM3皿ネジです。 上記のように4カ所に取り付けています。 |
【 電池ボックス内外観 】
【 電池ボックス内 皿ネジ部拡大図 】
5. いつどこ リモコンリモコン3 動作例
赤外線LEDは目視では点灯状態がわかりません。 そこで便利なのがCCD撮像素子を使用した機器です。 身近にあるデジカメや、CCDビデオカメラで本装置を見るとLEDの発光状態を確認できます。
下側の青色発光は動作目視確認用LED1の発光です。
【 デジカメでの動作状態確認画像 】
試作品では赤外線受光モジュールとして「PL−IRM0101(38kHz)シールド付 [PL-IRM0101-3]」(秋月電子通商)を使用していました。 しかし、リモコン受光信号が意図しない波形となっていました。 そのかわりに手持ちの「SPS-443-1」(秋月電子通商)を使用するとうまく動作しましたので「SPS-443-1」を使用することとしました。
その後、基板バラック組み状態から最終形に組み立てて動作させると、またまたリモコン受光信号が意図しない波形となる現象が発生しました。 この原因を調査した結果、赤外線LEDの発光が赤外線受光モジュールに回り込むのが原因と判明しました。 このため、急遽、アルミテープで遮光することで安定動作するようになりました。
この結果より、当初採用を検討していました「PL-IRM0101-3」は「SPS-443-1」に比べて赤外線に対しての感度が良いようです。 特に、勝手に動作目視確認用LED1が点滅を繰り返す場合は赤外線が回り込んでいるようです。
本機器を確実に使用するためには、如何に赤外線の回り込みを防ぐかにかかっています。 また、赤外線LEDの半減角が小さいため赤外線に指向性があります。 反射させる位置を見つけるのに若干コツがいるようです。
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