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Memorandumの小部屋

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電池ボックス電子工作(その10)

いつどこGPSロガー (セパレートタイプ)

1.背景

 電池ボックス電子工作(その 9)  いつどこGPSロガーでGPロガーを製作しましたが、その試作に使用したGPSレシーバモジュールキット [K-02294]が1個残っています。 決して安いモジュールではありませんので、このまま試作状態で保管しておくのはもったいない限りです。

 電池ボックス電子工作(その 9)  いつどこGPSロガーをジョギングのお供にした際、センサと電池が一体化しているので取扱は楽ですが、質量が電池込みで約85gあり何時間も体に付けてお供させるにはちょっと重く感じるモノとなっていました。

 このため、センサ部分を本体から分離し、GPSモジュール部分だけをGPS受信しやすい位置に実装できるセパレートタイプを製作することにしました。


2.いつどこGPSロガー(セパレートタイプ)の製作

2.1 製作仕様概要

 基本的な回路構成はいつどこGPSロガーですが、以下の変更を加えます。 なお、ソフトウエハはいつどこGPSロガーと全く同一ソフトを使用しますので、PICマイコンのソフトについては電池ボックス電子工作(その 9)  いつどこGPSロガーを参照願います。

(1) 面実装部品未使用

 今回の製作では電池ボックス電子工作(その 9)  いつどこGPSロガーに比べて実装スペースに余裕があるので面実装部品の使用を止めました。

 

(2) GPSレシーバモジュールへの電源供給構成変更。

 いつどこGPSロガーでは、電池→SW→3端子レギュレータ(3.3V)(IC5)→FETスイッチとなっており、3.3Vの後にFETスイッチ(Q1)を設けていました。 このため、GPSレシーバモジュールの電源電圧は3.3V電圧からQ1電圧降下分が引かれた電圧が印加されていることになっていました。

 今回は電池駆動時間を少しでも長くすることを目的として、電池→SW→FETスイッチ→3端子レギュレータ(3.3V)(IC8)と、GPSレシーバモジュール専用の3端子レギュレータ(3.3V)(IC8)を追加することにしました。

 

(3) ブザー回路をセンサ部に実装

  いつどこGPSロガーを使用してみて、ブザー音の重要性を改めて感じました。 このため、ブザー音をよりしっかり認識できるようにブザー回路をセンサ部に実装することにしました。

 また、音圧を上げるためにインダクタンス追加なども考えましたが、手持ちの他形式の圧電スピーカ(2003年購入[P-00361] 圧電スピーカー)を使用すると若干オン圧が上がりましたので、これを使用することにしました。  

 

2.2 回路図

 今回は本体部とセンサ部を分離しますが、この間は手持ちのフラットケーブルを使用することにしました。 また、センサ部のケースに適切なものが見あたらなかったため、ここでも電池ボックス([P-00310] SBH-321-AS)を使用する事にしました。 この電池ボックスにもSWが付いていますので、このスイッチをブザー音強制オフスイッチ(SW2)にすることにしました。

 今回の回路図を下記に掲載します。


(クリックすると原寸大の回路図をダウンロードできます。)

【 試作回路 】

 

2.3 いつどこGPSロガー(セパレートタイプ)の製作

 今回は、ケースの加工状態を少し加えて紹介させて頂きます。

(1)本体部ケース加工

 上側の仕切部分をカットします。 カッターで切れ目を入れて折った後、ルータにヤスリを付けて出っ張りを削っています。
 下側の電津接続用金具のバネは、一旦取り外して短くして、ハンダで再度取り付けています。

【 本体ケース加工状態 】

 

 右側の電線口出し穴は、少し掘り込んでLEDを埋め込めるようにしています。

【 側面加工詳細1 】

 

 中央部の四角い穴はUSBミニBコネクタ用加工穴です。 また、左側の電池接続金具取付出っ張り部分は全て切り落とし、ヤスリを付けたルータで削り落としています。

【 側面加工詳細2 】

 

(2)本体部製作例

 センサ部との接続はフラットケーブルを使用しています。 フラットケーブルの緑色の線は未使用の予備線です。

【 完成時外観 】

 

 今回は2.54mmピッチの一般的なユニバーサル基板を使用しました。 面実装部品を使用しませんでしたので、思ったよりは空きスペースを得ることができませんでした。

 EEPROMクリヤ用ジャンパー線JP1を短絡していますが、通常はジャンパーピンでの短絡をしないようにしています。

【 本体メイン基板部分 】

 

 3端子レギュレータは、手持ちのTA48M033が無くなったので、手持ちのNJU7223F33を使用しています。 TA48M033とNJU7223F33ではピン配列が異なりますので、回路図と上記製作例で配線が異なります。 

【 本体電源基板部分 】

 

【 本体完成時外観1 】

 

電源スイッチのレバーは飛び出さないように先端を切り落としています。

【 本体完成時外観2 】

 


 

 センサ部と接続するフラットケーブルは上図のように縁を一部分削って口出し部を作り、そこから取り出しています。

【 本体完成時外観3 】

 

(3)センサ部ケース加工

【 センサ部ケース加工状態1 】

 

【 センサ部ケース加工状態2 】

 

【 センサ部ケース加工状態3 】

 

 圧電スピーカ用の音取り出し穴を側面に追加しています。 また、ブザーオフスイッチSW2のレバーは飛び出さないように先端を切り落としています。

【 センサ部ケース加工状態4 】

 

(4)センサ部製作例

 左側がGPSモジュール、右側基板がブザー回路です。

【 センサ部製作例 】

 

 GPSモジュールが傾かないようにスポンジを取り付けています。 また、スポンジを固定するために、収縮チューブを使って軽く縛る状態にしています。

【 GPSモジュール実装状態 】

 

【 センサ部完成外観1 】

 

【 センサ部完成外観2 】

 

【 センサ部完成外観3 】

 

フラットケーブル長は約1mです。

【 本体部・センサ部 全体外観 】

 

(5) 電池動作時間、質量

 連続使用で電池動作時間を調べてみました。 結果としては6時間27分(387分)で、電池ボックス電子工作(その 9)  いつどこGPSロガーとほぼ同じ結果となりました。

 今回2台目を製作するきっかけとなりました質量ですが、今回製作分は本体分75g(電池込み)、センサ部40g、(フラットケーブル分除く)となりました。  電池ボックス電子工作(その 9)  いつどこGPSロガーは85gですので、センサ部だけ考えれば約半減というところでしょうか。

 


3.使用例4

 「いつどこGPSロガー (セパレートタイプ)」を 早速ジョギングにお供させました。 ジョギングは途中から降雨となりましたが、無事最後まで動作してくれました。

ジョギングのお供のGPXファイル(WayPoint/Track両方表示) jsk39_sampl6.gpx.lzh (解凍後 425,367バイト)

 


(衛星画像はグーグルアースからの転載です。)

【 使用例4 軌跡全体像 】

  今回のコースは笠戸島海岸沿い道路の行き止まりである笠戸島深浦までをジョギングするコースです。 とても景色が良いルートで、天気の良い日の夕焼けは言葉に表せないくらい綺麗です。

 唯一の問題は、笠戸大橋です。 この橋を渡る場合、この橋の歩道部からとてもよく海面が見えますので、高所恐怖症者にとっては、足がすくんでとても歩けません。 ましてやジョギングするなんて信じられません。 えっ? どうやって渡っているかって? 車道を走るしかありませんね。 昼間はそれなりに車が多いので、夜明け前〜早朝に渡るようにジョギングの時間を調整しています。

 今回のトラッキングデータの時間を見て頂いてもわかるように、帰りに渡ったのは6時半過ぎです。 また、データでは橋の車道南側(右側通行)を渡っているように見えますが、実際には車道の左側を真っ直ぐにジョギングしています。

 今回のジョギングのうち、6時15分頃に笠戸ハイツさんに寄り道をしております。 雨中のジョギングのせいでしょうか、早朝にもかかわらずお世話になりました。 笠戸ハイツさん、どうもお世話になりました。 大変助かりました。 その後はわき目もふらず?にジョギングに集中できました。


4.使用例5

 「いつどこGPSロガー (セパレートタイプ)」の 早朝ジョギングお供の2回目です。  センサー部の固定は、たすきにマジックテープで固定して左肩上に位置するようにしています。 今回も同様な設置方法でほぼ問題のないことが確認できました。

ジョギングのお供のGPXファイル(WayPoint/Track両方表示) jsk39_sampl7.gpx.lzh (解凍後 727,755バイト)

 


(衛星画像はグーグルアースからの転載です。)

【 使用例5 軌跡全体像 】

  今回のコースは新南陽駅往復のコースをベースとし、ロックタウン周南往復する若干距離を延ばしたコースです。 近道して入いろうとしましたが、早朝のため入口が閉まっていたため引き返ししている部分があります。 また、徳山市街地では衛星補足がうまくいかなかったようです。 しかし、毎回、電池代単五乾電池3個分150円かかるのは、ランニングコストかかり過ぎですね。


 本事例はセンサ部を分離したセパレートタイプですが、センサ部内蔵の一体型のGPSロガーを電池ボックス電子工作(その 9)  いつどこGPSロガーに紹介しています。 また、ここの文末に使用例1〜3を掲載しています。

 2008年12月21日よりGPSデータの小部屋を開設しました。 GPSロガーの使い方例などもありますのでご参照してみて下さい。


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