Memorandumの小部屋
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電池ボックス電子工作(その8)
いつどこFMステレオトランスミッタ
1.背景
秋月電子通商から「FMトランスミッターモジュール NS73M」が発売されましたが、詳細を調べずに購入しました。 購入しら後にどのように使うのか調べると、なんとマイコンで制御しないといけないではありませんか。 しかも、部品はリードレスのため、電子工作向きではありません。 購入代金は1個1,000円もしましたが、しばらく死蔵部品と化していました。
その後、たまたまPICマイコンのプログラム(この次のMemorandumの小部屋ネタ)をする機会があり、ついでにと、NS73Nのプログラムに着手し始めたのが、今回の工作の始まりでした。
2.プロトタイプの製作
まずは、プロトタイプの製作から開始することにしました。 (うまくいけばプロト機=公開機にするつもりでしたが、結果としてプロト機止まりとなりました。)
NS73Mを使った電子工作の最初の関門として、リードレスのNS73Mをどのように配線するかの問題がありました。 自作アートワーク基板を製作して、これにNS73Mをハンダ付けする方法を考えられますが、何方でもできる電子工作にはなりません。 誰でにでもできる方法として、以下の方法をとることにしました。
シード線引き出し方法
当初はスズメッキ線をハンダ付けしようと思いましたが、部品のハンダパッド間隔が0.8mmと狭く、パッドの面積がともて小さいためにあきらめました。 スズメッキ線自体が硬いため、スズメッキ線の変形の”力”が全てパッドにかかるため、柔らかい電線として、フラットケーブルを使用することにしました。
部品固定方法
リード線がありませんので、リード線で部品を固定する方法はとれません。 NS73Mをまず両面テープで基板に固定し、その後、リード線を配線することで、リード線自体でNS73Mを固定する方法としました。
早速、NS73Mを両面テープでユニバーサル基板に貼り付けて、フラットケーブルの電線を1本毎ハンダ付けし、最後にハンダ付けの確認でフラットケーブルを揺さ振っていると、なんとLA端子の電線が、NS73Mのパッドと一緒に外れてしまいました。 あっと言う間もなく1,000円が消えてしまいました。
写真では大きく見えますが、パッドの間隔は0.8mmです。
【 LA端子のパッドが外れたNM73M 】
その後、1,000円のショックを隠しつつバックアップ用に確保していたNS73Mを取り出して電子工作の続行です。
今回の失敗から、パッドに「力」が加わらないように、今度はフラットケーブルの電線を構成している素線を使用してリード線とすることにしました。 電源関係は素線3本撚り、信号は素線1本で配線することにしました。 プロト機の配膳状況を下写真に示します。
何度もハンダ付けやり直ししていますので、基板を結構痛めています。
【 素線を使用したリード線配線 】
プロト機の仕様としては、以下のようにしました。
PICマイコンとしてPIC12F683-I/Pを使用。
EEPROMに書き込まれたNS73Mレジスタのレジスタ設定値をPICマイコンのEEPROMに書き込む。
電源投入時にEEPROMのデータをNS73Mに書込むプログラムを1度だけ実装。
PIC12F683-I/Pは内部クロックを1MHz設定。
電源は単五乾電池×2本の3Vとする。
周波数調整も何もできませんが、まずは動作するかどうかの動作確認状態にすることを目的としてプログラム作成、及び、回路を製作しました。
上記回路図をクリックすると拡大された回路図を見ることができます。
【 プロト機回路図 】
PIN |
信号名称 |
信号名称 |
方向 |
信 号 |
1 |
VDD |
VDD |
− |
2.2〜5V |
2 |
GP5 |
− |
− |
未使用 |
3 |
GP4 |
− |
− |
未使用 |
4 |
GP3 |
− |
− |
未使用 |
5 |
GP2 |
LA |
出力 |
Latch信号 |
6 |
GP1 |
CK |
出力 |
クロック信号 |
7 |
GP0 |
DA |
出力 |
データ信号 |
8 |
VSS |
VSS |
− |
GND (電源の−側) |
アドレス |
データ名称 |
内 容 |
デフォルト |
0 |
NS73M R0 |
NS73M レジスタ R0用データ |
H’01’ 音声入力 100mW |
1 |
NS73M R1 |
NS73M レジスタ R1用データ |
H’B4’ |
2 |
NS73M R2 |
NS73M レジスタ R2用データ |
H’07’ 出力レベル 2mW |
3 |
NS73M R3 |
NS73M レジスタ R3用データ |
H’DE’ 87.5MHz |
4 |
NS73M R4 |
NS73M レジスタ R4用データ |
H’29’ 87.5MHz |
5 |
− |
未使用 |
H’00’ |
6 |
NS73M R6 |
NS73M レジスタ R6用データ |
H’1E’ |
7 |
− |
未使用 |
H’00’ |
8 |
NS73M R8 |
NS73M レジスタ R8用データ |
H’1B’ CEX=3 |
【 最終的なプロト機製作例(全体外観) 】
【 最終的なプロト機製作例(本体拡大) 】
このプロト機は当初は動作してくれませんでした。 消費電流はマイコンで設定を行うと2mA→35mA程度に増加しますので、レジスタ設定はうまくできていると思っていたのですが、FMの電波は発生していませんでした。
この当時は、プログラムが悪いのか、ハード(NS73Mのリード線接続)が悪いのか分かりませんでした。 何かヒントがないかとインターネットを探しているとストロベリー・リナックスで、NS73Mを実装したモジュール基板を発売していましたので、これを購入して、少なくともハードの問題なのか、ソフトの問題なのかの切り分けを行いました。
なお、プロト機用ハード用として、下記のデバッグ用基板を使用して動作確認ができた 手直し項目を反映したプログラムへのリンクをを下記に添付します。
jsk36_r0.hex (2008-03-29
23:34:34) 1,763バイト
2. デバック用基板の製作
ストロベリー・リナックスの「FMステレオ・トランスミッター・モジュール NS73M [WRL-08482]」を入手して、PICマイコンのソフト確認をおこなえるようにしました。 ハンダ付けはしっかりされていますので、これでハンダ付け作業不良の無い状態となります。 よって、動作しない場合は、高い確率でプログラムの問題となります。
「FMステレオ・トランスミッター・モジュール NS73M [WRL-08482]」を使用したデバック用基板の回路図、製作例を下図に示します。 NS73Mのレジスタのうち、周波数とバンドを変更するためのスイッチを追加できるようにしました。 但し、スイッチ類は通常は不要ですので、外付けとします。
上記回路図をクリックすると拡大された回路図を見ることができます。
【 デバック用基板 回路図 】
【 デバック用基板 全体外観 】
上側2Pコネクタ : 3V電源用コネクタ |
【 デバック用基板 基板外観 】
この基板を使用することで、下記2点の手直しで、NS73Mを制御できるようになることが判明しました。
3線式インターフェース信号で、データラッチ信号LA立ち上がり前にデータ信号(DA)を0(Lowレベル)に設定してなかった。
設定周波数が低い場合、レジスタR8のCEXのバンド設定がデフォルト値2ではPLL動作が安定していない。 設定値を3にすることで動作するようになる。
上記手直しを反映して以下、いつどこFMステレオトランスミッタ正式版を製作していきました。
3. いつどこFMステレオトランスミッタ正式版の試作
3.1 いつどこFMステレオトランスミッタ正式版の操作仕様
最近のFMラジオはほとんどPLL方式となっていますので周波数の微調整はできません。 このため、「いつどこFMステレオトランスミッタ正式版」(以下正式版と記載)単独でも発振周波数を微調整できるようにしておかないと不便であることがデバック用基板でのデバッグ時にわかりました。
よって、正式版では周波数調整、CEX切替ができる使用としました。 操作スイッチは別に設けるものとして、接続用のコネクタを実装するようにします。 また、これらのスイッチは周波数切替が必要なときに限り操作部を追加接続するものとします。 また、周波数調整設定は以下のようにしました。
周波数(PレジスタのN値)の上下限を設定できるようにする。
周波数(PレジスタのN値)変更時のステップ量を3段階設定できるようにする。
周波数(PレジスタのN値)をステップ値で変更したとき、上限を超える値となった場合は上限値、下限を下回る設定となった場合は下限値とする。
周波数(PレジスタのN値)変更時のステップ量はEEPROMで設定できるようにする。
CEXも0〜3の範囲で設定できるようにする。 ただし、スイッチを押す度に0→1→2→3→0と順次変化する方法とする。
3.2 電源使用
電池ボックス電子工作では、多くの場合、乾電池の設定に悩みます。 今回の場合、3V時での消費電流が36mA程度と比較的大きいため、ボタン電池を使用することは あきらめました。 また、DCDCコンバータもノイズの原因、及び、スペースの関係で採用することができませんでした。 最終的には単三乾電池のスペースに単五乾電池×2本実装することにしました。
上側のスペースに単五乾電池×2本実装します。
−側(右上側端子)のスプリングの先端を切り取ります。
【 単五乾電池×2本実装改造 外観1 】
+側端子(左上側端子)にはマイナス側端子板と、そのバネ部の先端を切り取ってハンダ付けしています。
【 単五乾電池×2本実装改造 外観2 】
【 単五乾電池×2本実装改造 外観3 】
3.3 回路図
正式版の回路図を下記に掲載します。
水晶X1は「FMトランスミッターモジュール NS73M」付属の面実装水晶発振子を使用しています。
C2の100μFは、秋月電子通商の積層セラミックコンデンサー 100μF 6.3V(10個入)[P-2243]を使用しています。 部品としてはそれなりに高価ですが、この大きさにがとても助かりました。 また、後で気付いたのですか、最初に実装位置を考慮しておけば、C1を不要にできた可能性が大でした。
SW0は電池ボックス内蔵の電源オンオフスイッチ、SW1,2,3は周波数調整用モード選択スイッチ(0〜9のサムロータリースイッチ)、SW5はモード選択で選択された機能の実行用スイッチです。 モーメンタリ動作(跳ね返り式)のタクトスイッチを使用します。 使い方としては周波数調整用モード選択スイッチでモードを選択し、その後SW5を一旦押してその後離して下さい。 離した時点でモード選択動作を実行します。
上記回路図をクリックすると拡大された回路図を見ることができます。
【 正式版 回路図 】
PIN |
信号名称 |
信号名称 |
方向 |
信 号 |
1 |
VDD |
VDD |
− |
2.2〜5V |
2 |
GP5 |
SW3 |
− |
モード選択SW |
3 |
GP4 |
SW2 |
− |
モード選択SW |
4 |
GP3 |
SW1 |
− |
モード選択SW |
5 |
GP2 |
LA |
出力 |
NS73M Latch信号 |
6 |
GP1 |
CK |
出力 |
NS73M クロック信号 |
7 |
GP0 |
DA |
入出力 |
NS73M データ信号 / 実行用スイッチ入力 |
8 |
VSS |
VSS |
− |
GND (電源の−側) |
No |
SW3 |
SW2 |
SW1 |
信 号 |
1 |
Open(High) |
Open(High) |
Open(High) |
周波数上昇(PレジスタのN値増加) 周波数変更ステップ1 |
2 |
Open(High) |
Open(High) |
Close(Low) |
周波数下降(PレジスタのN値減少) 周波数変更ステップ1 |
3 |
Open(High) |
Close(Low) |
Open(High) |
周波数上昇(PレジスタのN値増加) 周波数変更ステップ2 |
4 |
Open(High) |
Close(Low) |
Close(Low) |
周波数下降(PレジスタのN値減少) 周波数変更ステップ2 |
5 |
Close(Low) |
Open(High) |
Open(High) |
周波数上昇(PレジスタのN値増加) 周波数変更ステップ3 |
6 |
Close(Low) |
Open(High) |
Close(Low) |
周波数下降(PレジスタのN値減少) 周波数変更ステップ3 |
7 |
Close(Low) |
Close(Low) |
Open(High) |
CEX変更 0→1 、 1→2 、 2→3 、 3→0 |
8 |
Close(Low) |
Close(Low) |
Close(Low) |
周波数(PレジスタのN値)、CEX EEPROM書込 |
3.4 製作例
製作例を下記に掲載します。 プロト機と同様に素線を使ってNS73Mを接続します。 右上の水色の部品がC2の100μFです。
【 NS73M接続部 】
R1,R2,R3の実装、及び、コネクタを削ることなくそのまま使用するために、正式版では周波数調整用モード選択スイッチ用コネクタを側面に実装しています。 また、C1はPIC用ICソケットの内側に実装しています。
【 基板部 】
電池ボックスに実装したときの外観です。 とてもFMトランスミッターと思えません。 ディスクリート部品がともて少なく、PICマイコンとNS73Mを接続したのみで、「FMステレオトランスミッタキット(新版) (K-86)」等とは全く印象が異なります。
【 正式版本体外観 】
リード線をアンテナとして使用しています。 このような電線で、NS73Mの出力(アンテナ)インピーダンス50Ωにマッチングをとることはできませんので、リード線は適当な長さで良いでしょう。 今回は約80cm程度でよいでしょう。
【 正式版全体外観1 】
ステレオ用ジャックに外部から音声ライン信号を入力します。
【 正式版全体外観2 】
周波数調整基板(周波数調整用モード選択スイッチ、実行用スイッチ実装)を含めた全体外観です。
【 正式版 周波数調整基板接続時 外観 】
周波数調整基板外観です。 周波数調整用モード選択スイッチとしてト0〜9のサムロータリースイッチを使用しています。 表示8はモード0,表示9はモード1と同じ動作となります。
【 周波数調整基板 外観 】
3.5 PICマイコンEEPROM設定、HEXファイル
EEPROMの設定を下記表に掲載します。 下記及びNS73Mデータシートを参考にして下記デフォルト数値をお好みに直してご利用下さい。
アドレス |
データ名称 |
内 容 |
デフォルト数値 |
0 |
NS73M R0 |
NS73M レジスタ R0用データ |
H’01’ 音声入力 100mW |
1 |
NS73M R1 |
NS73M レジスタ R1用データ |
H’B4’ |
2 |
NS73M R2 |
NS73M レジスタ R2用データ |
H’07’ 出力レベル 2mW |
3 |
NS73M R3 |
NS73M レジスタ R3用データ初期値 |
H’DE’ 87.5MHz |
4 |
NS73M R4 |
NS73M レジスタ R4用データ初期値 |
H’29’ 87.5MHz |
5 |
− |
未使用 |
H’00’ |
6 |
NS73M R6 |
NS73M レジスタ R6用データ |
H’1E’ |
7 |
− |
未使用 |
H’00’ |
8 |
NS73M R8 |
NS73M レジスタ R7用データ初期値 |
H’1B’ CEX=3 |
9 |
− |
未使用 |
H’00’ |
A |
− |
未使用 |
H’00’ |
B |
− |
未使用 |
H’00’ |
C |
− |
未使用 |
H’00’ |
D |
P_min_LSB |
下限周波数(PレジスタのN値) 下位側 |
H’DE’ |
E |
P_min_MSB |
下限周波数(PレジスタのN値) 上位側 |
H’29’ 下限周波数 87.5MHz |
F |
P_max_LSB |
上限周波数(PレジスタのN値) 下位側 |
H’A5’ |
10 |
P_max_MSB |
上限周波数(PレジスタのN値) 上位側 |
H’33’ 上限周波数 108MHz |
11 |
Step1_LSB |
周波数変更ステップ1 下位側 |
H’01’ |
12 |
Step1_MSB |
周波数変更ステップ1 上位側 |
H’00’ 周波数ステップ N=1 |
13 |
Step2_LSB |
周波数変更ステップ2 下位側 |
H’0C’ |
14 |
Step2_MSB |
周波数変更ステップ2 上位側 |
H’00’ 周波数ステップ N=12(約100kHz) |
15 |
Step3_LSB |
周波数変更ステップ3 下位側 |
H’00’ |
16 |
Step3_MSB |
周波数変更ステップ3 上位側 |
H’01’ 周波数ステップ N=256(約2.1MHz) |
上記EEPROM設定の正式版プログラムへのリンクを下記に添付します。
jsk36_r1.hex (2008-03-30 07:33:37) 2,994バイト
3.6 動作例
上記製作例での動作状態を下記します。
3.6.1 周波数調整範囲
バンド切替(CEX値)毎の周波数(PレジスタのN値)を下記に掲載します。 周波数実測値はスペクトラムアナライザ「GigaSt Ver4」を使用しました。
なお、周波数の上下限では間欠発振の現象が発生します。 このため、電源オンオフしても正常に発振すること、周波数スペクトラムが安定していること、FMラジオで受信できる範囲では音声がクリアに聞こえることとの条件を満足する周波数を記載しています。
BAND |
CEX |
周波数(PレジスタのN値) |
スペクトラムアナライザ周波数 [MHz] |
||
上限 |
下限 |
上限周波数 |
下限周波数 |
||
BAND3 |
3 |
2BDF |
2810 |
91.72 |
83.78 |
BAND2 |
2 |
2EFF |
2A6B |
98.28 |
88.74 |
BAND1 |
1 |
31B9 |
2C83 |
104.00 |
93.10 |
BAND0 |
0 |
35ED |
2F8D |
112.72 |
99.50 |
(CEX誤記訂正。 東京都のO様、ご連絡有り難うございました。)
3.6.2 出力周波数成分
周波数測定にスペクトラムアナライザ「GigaSt Ver4」を使用した際に、下限周波数・上限周波数での周波数成分を記録に残しておりましたので下記に掲載します。
ピーク周波数測定値が多少変動していますので上記表と下記ピーク周波数とでは若干の差があります。 上記表は、表示する回数の多い周波数を記載しています。
下記のように、あまり綺麗な発振をしてくれていないようです。
【 下限周波数時の周波数スペクトラム 】
【 上限周波数時の周波数スペクトラム 】
3.6.3 出力パワーレベル調整
R2レジスタで出力パワーを0.5mW、1mW、2mWと調整できるようなので、ついでにデバッグ用基板を使用してパワースペクトラムのパワーレベルを測定しました。
ストロベリー・リナックスの「FMステレオ・トランスミッター・モジュール NS73M [WRL-08482]」のRF端子にリード線をハンダ付けして、そのリード線にスペクトラムアナライザ「GigaSt Ver4」のプローブをクリップで接続して測定した結果を下記します。
電池電圧 [V] |
周波数 [Hz] |
RBW [kHz] |
PL設定値 [mW] |
|||
PL=3 |
PL=2 |
PL=1 |
PL=0 |
|||
(2.85V程度) |
87.5 |
50 |
0.20 |
0.21 |
0.12 |
0.02 |
上記結果から、どうも正常に測定できておりません。 90MHz程度と言えども、プローブを真面目に接続して測定しないとうけないようです。 仕方ありませんので、SMAコネクタを取り付けて再測定です。
【 SMAコネクタ接続時 】
上記のようにコネクタ取り合いとしてパワーレベルを測定した結果を下記に掲載します。 データシート上ではPL=0は規定されていませんが、わずかばかりのRF出力は出ているようです。(本来は0mWで、リークしてきているだけだと思います。)
電池電圧 [V] |
周波数 [Hz] |
RBW [kHz] |
PL設定値 [mW] |
|||
PL=3 |
PL=2 |
PL=1 |
PL=0 |
|||
2.825 |
87.5 |
50 |
1.20 |
0.79 |
0.47 |
0.12 |
2.825 |
87.5 |
200 |
0.78 |
0.51 |
0.24 |
0.08 |
今一つ出力電力が低いので、電池電圧を調べると2.825Vでした。 デジカメ中古電池を使っている関係でとても早く電圧低下しているようでした。
早速新しい電池に交換して、電圧が安定するまでダミー出力させた後に再度測定を行った結果を下記します。 やはり、倍半分(3dBm)での変化ではありませんでしたが、まあレベルとしては1〜2mW出力しているので、こんなもんでよいのでしょう。
電池電圧 [V] |
周波数 [Hz] |
RBW [kHz] |
PL設定値 [mW] |
|||
PL=3 |
PL=2 |
PL=1 |
PL=0 |
|||
3.150 |
87.5 |
50 |
1.74 |
0.68 |
0.31 |
0.07 |
3.150 |
87.5 |
200 |
1.10 |
0.46 |
0.20 |
0.04 |
3.7 まとめ
実際にオーディオ信号を入力しての感想ですが、少なくとも今まで製作した「FMステレオトランスミッタキット(新版) (K-86)」や「FMステレオトランスミッター (PU-2106)」などのFMワイヤレスマイク類に比べて音質は良いようです。 但し、今回の感想については、当方の素人耳判断ですし、過去の(おもちゃ)キットとの相対比較ですので、この点はご容赦願います。
とはいうものの、無音入力時にヒスノイズ以外にバックに耳障りな音が残ります。 ボレロの最初は、聞くに耐えられません。 しかし、先にも記載のように、決して悪い音ではないようですので、比較的大きな信号レベルの音楽ならば、実用になるのかと思います。
以下に、今回の製作品外観をまとめて記載します。 類似品を3種類も製作したのは今回が初めてでした。
【 NS73M関係製作品一覧 】
End of This Page.