Memorandumの小部屋
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電池ボックス電子工作(その6)
どこでもブロック崩し
1.背景
CQ出版社より電子工作推進マガジンとしてエレキジャックが発行されていますが、そのNo.2に「PICでテレビ・ゲームを作ってみよう! ワンチップ・ブレークアウト・ゲームの製作」が掲載されていました。
【 エレキジャック No.2 】 |
【 トラ技 1997年5月号 】 |
この記事で一気に10年前に戻ってしまいました。 この記事は、もともとはトランジスタ技術1997年5月号の投稿記事として公開されたものです。 当時、PICマイコンでこんなこともできるのかと感心して読んだものです。 その後、ワンチップマイコンでのキットとして「CLASSIC TV GAME / MK121 NTSC (TVテニスゲーム)」なども世の中にあることを知りました。 なお、瀬戸口豊氏のトランジスタ技術1997年5月号記事はCQ出版社「マイコン活用シリーズ PICマイコン応用ハンドブック」にも掲載されています。
エレキジャックの記事を見ていると、そういえば「電池ボックス電子工作(その4) ここにもミニミニ・レインボーライト」に比べると部品点数はもっと少ないなと思い、これは電池ボックス電子工作に加えるべきと、早速トライしました。
なお、初出・出典の瀬戸口豊氏の記事、エレジャックの記事の石島誠一郎氏の記事では、ゲーム名称を「ブレークアウト・ゲーム」と記載されておりますが、本ページタイトルでは一般的に広く認識されている「ブロック崩し」と記載させて頂きました。
2. 「ブレークアウト・ゲーム」のハード製作
ブレークアウト・ゲームの回路図、使用部品は、前出の「エレキジャック No.2」を参照して下さい。 今回の記事では使用PICがPIC16F84Aに移植されており、製作(プログラム)しやすくなっています。
使用部品のうち、ケース、VR、スタートスイッチ(リセットスイッチ)は秋月電子通商で販売されていました下記を使用しました。 電池ボックスは単三乾電池2本使用とすると単3×4用のボックスを使用することが望ましいですが、これでは、普通に製作したのと大きさがほとんど変わらなくなります。 そこで、今回は敢えて単3×2用にしました。 なお、残念ですが、本記事作成時点で下記プッシュスイッチは既に販売中止となっています。
[P-310] 電池ボックス 単3×2本用(フタ付プラスチック・スイッチ付) [SBH-321-AS]
[P-1662] 密閉型基板用小型ボリューム 10KΩB(5個入)
[P-01301] プッシュスイッチ AJM1B32(4個入) [AJM1B32]
部品点数を低減する目的で水晶発振子10MHz+33pF×2個の代わりに下記を使用します。 この回路・部品では同期信号・コンポジット信号は厳密に生成できているわけではありませんし、水晶発振子までの安定度を要求されるものでもありませんので、コンデンサ内蔵のセラミック発振子で十分と判断しています。 今回は秋月電子通商で購入した下記セラミック発振子を使用しました。
コンポジット信号、音声信号はステレオ用ジャックを使用することにしました。 ステレオ用ジャックはできる限り小さい物を探してみて下さい。 今回使用したジャックは東名通販で購入したもので、メーカ型式が不明なジャックです。 製作例を参考に、奥行きに注意して選定されればと思います。
ステレオジャック使用に伴い、ステレオ用プラグ〜映像、音声用ピンプラグケーブルの製作が必要となってきます。 100円ショップでモノラル用のビデオコートを購入し、一端側のピンプラグを切断してステレオ用プラグに付け替えます。
「ブレークアウト・ゲーム」/電池ボックス版「どこでもブロック崩し」の製作に当たり、解決しないといけないのが電池をどうするかです。 当初は単5乾電池×2を考えましたが、電池ボックスの改造が大変そうなので今回はパスです。 最近は100円ショップでボタン電池を安価に購入できるようになりましたので、アルカリボタン電池LR44を2個使用することにしました。 電池ホルダーは 電池ボックスの中継金具を利用して自作します。
このようにして製作したのが下記の電池ボックス版「どこでもブロック崩し」です。
右側突起がVRのつまみです。
【 「どこでもブロック崩し」外観 】
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【 使用状態外観 】
【 「どこでもブロック崩し」内部構成 】
電池ボックス部の電池中継金具を取り外して中継プレートとスプリングの両方を利用しました。 中継プレートはステレオジャック固定部分に挟み込み、LR44電池の−側接触金具として使用します。 この金具の突起部分をLR44の−側に接触させます。 スプリング部分はスレテオジャックとスタートスイッチの間に入れて隙間保持用に使用しています。
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【 電池中継金具取り外し 】
VRとスタートスイッチはハンダ付けを行って固定しています。 これを行うことで、VRとスタートスイッチもガタがほとんどなくなりました。 スイッチとジャックの間のスプリングもハンダ付けして部品固定します。 結局、ネジで固定されているのはジャックだけです。 これでも、十分使用に耐えるようです。
【 機構部品取付状態 】
3. 「ブレークアウト・ゲーム」の動作
「ブレークアウト・ゲーム」/電池ボックス版「どこでもブロック崩し」を動作したときの画面を下記に掲載します。 現在のTVゲームを思えばとてもシンプルなゲームですが、久々にやると結構はまってしまいました。
動作確認も含めてしばらく(10数分)ゲームを行っていると、ゲームスタートを押した途端に下図のように同期はずれた画面になってしまいました。
この原因は電池電圧にありました。 今回の製作例では電池電圧がLR44×2で2.90Vくらいになるとこのような現象になるようです。 このしきい電圧はPIC16F84Aによりばらつきがあります。 10MHzで発振をさせるには、電源電圧がそれなりに必要となりますが、可変電圧電源で確認すると、今回は少なくとも2.95 V以上必要になるようです。
新品電池でも10分程度しか持たないとなると実用になりませんので、ここは電源電圧をLR44×3=4.5Vに変更することにしました。 幸いにも電池ボックス部分にはスペースがありましたので、中継プレートの折りを変更してLR44が3個入るようにしました。 参考資料の小部屋の「ボタン電池 ・ コイン電池」によれば最終終止電圧は1.2Vなので、 3個直列接続すると、終止電圧状態でも3Vは確保できそうです。
このようにして最終的な「ブレークアウト・ゲーム」/電池ボックス版「どこでもブロック崩し」製作品の内部は下記のようになりました。
最後に、ご参考までに機構部品と完成状態を並べて撮影した写真を下記に掲載します。
【 機構部品一式 】
End of This Page.