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Memorandumの小部屋

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電池ボックス電子工作(その4)

ここにもミニミニ・レインボーライト

1.背景

 まだ緑色LEDが高価だった頃、白色LEDや青色LEDは夢の夢でした。 でも、今はちょっと値段に目をつぶれば、白色LEDや青色LEDも簡単に入手できるようになりました。 とても安易に夢のLEDが民生品に使われているのを見ると戸惑いを感じてしまうのは何故なのでしょうか。。。。。 とはいうものの、特に様とはないものの一度は試してみたいと思い、秋月電子通商でフルカラーLED、白色LEDを買ってしまうのです。

 しかし、買ったのはよいのですが、その使い道までは決めていませんでした。 白色LEDはライトペンが一般的ですが既に所有しています。 そのうち、チャリンコのライトにでも転用しようかと思っています。(この用途では低電流ダイオードが要りそうですね。) でも、フルカラーLEDは一体何に使うのでしょうか。 そういえばフルカラーLEDを認識できるのは携帯電話のレインボー(デコレーション)ライトくらいです。 そういう訳で、携帯電話と同じようなレインボーライトにトライすることにします。 

 

2.ミニミニ・レインボーライト構想

   ミニミニ・レインボーライト用のフルカラーLEDとして秋月電子通商扱いのGB-339RPGBCを使うのは即決ですが、電源と点灯方式についてはいろいろな実現方法があります。

 今回使用と考えているフルカラーLEDの青色LEDのVfは2.8〜4.5Vとなっています。 このため、電源は今回も「電池ボックス 単3×4本用(フタ付プラスチック・スイッチ付)[SBH-341-AS]」を使用 すれば単3×3個で4.5Vを確保できますので、この方法をとれば電源簡単に解決しますが、LEDの大きさに比べて電池ボックスの外形が大きく、あまりにも芸がありません。
 ここは電源用の部品点数が増えても電池ボックス単3×1本用(フタ付プラスチック・スイッチ付)[SBH-321-AS]にすることにします。 このため、1.5V から3V以上の電圧が得られるようにDCDCコンバータを内蔵させなければいけません。 

 白/青色LED用DCDCコンバータの昇圧回路としてはブロッキング発振回路が一般的だと思います。 この方式だと、使用部品点数も少なく確実に高い電圧を得ることができますのでベストだと思います。 しかし、ここで忘れてはいけないのは、このページで紹介するときに、基本的には誰でも簡単に入手できる部品を使用することです。 この方式で使用するインダクタンスは自分で巻く必要があります。 コアの入手(物性値相違)の問題や巻き方のとっつきにくさを考えれば、この方式は断念です。

 代わりの方式として「1.5V電池白色LED投光キット (K-192)」で使用しているLMC555を使用した方式です。 これは既に製作した実績もありますし、回路的にもシンプルですので再現性は高いと思われます。 但し、電源の性能としては少々目をつぶる必要があります。 高い電圧を発生させることは困難 ですし、電流容量も思ったように確保できません。 たぶん、この回路では実負荷での出力電圧は約3V程度だと思われます。 ちょっと青色の発光が心配だったので事前確認を行い、どうに か使えそうな光量が得られましたので、今回はこの方式を採用することにします。

 次に各LEDの点灯制御方式です。 これは電池ボックス電子工作(その3)  どこでもデコレーションライトホタルで使用したPICマイコンを使用することにします。 事前確認の結果で、エイヤーのパラメータを設定することで、それなりのレインボーの発光パターンを得ることができました。

 また、使用部品は当然手元にある個人所有部品であることが大前提です。 田舎に住んでいると、回路設計から部品を選定するのは、キーとなるパーツだけです。 それ以外は手元にある部品 が使用できるように回路を決めていきます。

 

 

3.ここにもデコレーションライトホタルの製作

3.1 回路図

 前記の構想で「ここにもミニミニ・レインボーライト」の基本仕様を決定し、ブレッドボードを使った試作を経て最終的に下記の回路図になりました。 試作の事前確認では、抵抗は全て1/6W(昔で言えば1/8W相当の大きさ)で問題ないようです。

【 回路図 】

 

(1)

 上記の回路は 限られたスペースに部品を実装しなければなりませんでしたので、無くても動くと思われる部品を削除しています。 しかし、真面目に設計すれば本来は必要と思われる部品が相当省略されています。  決して上記回路が正式に設計された回路であると誤解されないよにお願い致します。
  

(2)

 抵抗は全て1/6W(昔で言えば1/8W相当の大きさ)で問題ないようです。
  

(3)

 IC2のPIC16F84Aは、PIC16F84A-10/P(10MHz版)でもPIC16F84A-20/P(20MHz版)のいずれでも使用できます。
  

(4)

 IC2のPIC16F84Aのプログラムは電池ボックス電子工作(その3)  どこでもデコレーションライトホタルのプログラムを流用しています。 プログラム部分はそのまま利用し、EEPROMエリアのデータはミニミニ・レインボーライト用に設定を下記のように変更しています。

 また、使用するパターンはパターン0のエリアだけとなるようにRA0,RA2〜RA4を上記回路図のように固定しています。

EEPROM RB0〜RB7パターン設定データ

bit

RB0

RB1

RB2

RB3

RB4

RB5

RB6

RB7

Mode

00h / 00h

06h / 01h

0Ch / 02h

12h / 03h

18h / 00h

1Eh / 01h

24h / 02h

2Ah / 03h

Offカウンタ

01h / 40h

07h / 3Fh

0Dh / 2Fh

13h / 5Fh

19h / 25h

1Fh / 1Eh

25h / 50h

2Bh / 1Fh

ステップ数

02h / 01h

08h / 01h

0Eh / 01h

14h / 01h

1Ah / 01h

20h / 01h

26h / 01h

2Ch / 01h

Onカウンタ

03h / F0h

09h / CFh

0Fh / BFh

15h / EFh

1Bh / DFh

21h / AFh

27h / F7h

2Dh / 9Fh

サイクルカウンタ初期値

04h / 20h

0Ah / 00h

10h / 00h

16h / 00h

1Ch /14h

22h / 00h

28h / 30h

2Eh / 00h

Loopカウンタ初期値

05h / 00h

0Bh / 10h

11h / 00h

17h / 80h

1Dh / 00h

23h / 10h

29h / 00h

2Fh / 80h

  

EEPROM 出力関連設定データ

N Parameter(全LEDに適用)

30h / 04h

出力論理(RBの各ビットに対応)

31h / 00h

  今回使用しましたPICマイコンのHEXファイルを下記に掲載します。 下記ファイルを秋月電子の「AKI−PICプログラマーキットVer3」 などで書き込んで下さい。

  「ここにもミニミニ・レインボーライト」用PIC16F84A  プログラム (jsk21_fr7.hex)

 

(5)

 LED用出力はRB0〜RB7です。 RB0〜RB7には上記のようにそれぞれ独立した点滅パターンが設定されています。  上記回路ではRB0に緑色LED、RB1に青色LED、RB2に赤色LEDを割り当てています。

 実際に点灯させたときに点灯パターンが気に入らなければ、フルカラーLEDの各端子をRB0〜RB7のいずれかに接続し直してお気に入りのパターンがないか探してみて下さい。 (Green LEDと抵抗R4、Blue LEDと抵抗R5、Red LEDと抵抗R6のセットで接続し直して下さい。)

 なお、今回の回路ではR4,R5,R6を基板側に実装していますが、これらの抵抗をフルカラーLEDのリード線側に接続することをお勧めします。 このよにすることで、点灯パターン変更に際して、IC2への配線変更のみで済むようになります。

 

(6)

 この回路のDCDCコンバータの電源電圧の変動は相当なものです。 試作の結果では昇圧後の電圧はLEDの負荷電流にすごく影響を受けて2.7〜8Vくらいまで変化してしまいました。 PICマイコンに過電圧を加えないようにするため、電源ライン電圧上昇を5〜6V程度に押さえ込むことが望まれます。 この対応のために、5Vのツェナーダイオードがあれば良かったのですが、手元になかったため電源ライン間に抵抗R3(4.7kΩ)を設けることで電源ライン電圧をLED全消灯時5〜6V程度に押さえ込むようにしました。
 

(7)

 インダクタンスL1は手持ち部品の関係で470μHとしています。  少し高めの感じがしています。 100μH程度でも問題ないと思います。
 

(8)

 ダイオードD1は順方向電圧降下の小さいショットキーバリアダイオードを使用して下さい。 1S10があったはずなのですが行方不明となり、他の手持ち品のサンケン電気のRK16を使用しています。 もし秋月電子通商で購入されるならば1S4がよいかと思います。 しかし、1S10はどこに行ったのかな〜〜〜。
 

(9) 

 本回路のDCDCコンバータはそれ程電流供給能力はありません。 また、電圧変動も相当大きいようです。 この回路はあくまでも本用途専用とお考え下さい。

 

 

 

3.2 ミニミニ・レインボーライト製作例

 上記回路で製作した例を下記します。 LED部分は ケースのリード線口出し部の穴を広げてLEDのリード線を通しています。 ただ、それだけでは固定はまだしっかりできていません。 LEDのリード線のフォーミングを工夫したり、内部にスポンジなど充填するなどして工夫してみて下さい。

 

【 完成外観(1) 】

 

【 完成外観(2) 】

 

 電池ボックスの中の様子です。 LEDのリード線の間隔が狭いため、4本のリード線それぞれにエンパイヤチューブを使って絶縁しています。

 

【 電池ボックス内部 】

 基板スペースに比べて部品点数が多くありますので、製作に際しては下記を参考にして下さい。 なお、製作例ではPIC6F84A-20/Pを使用していますが、本来はPIC6F84A-10/P で十分です。

 

【 基板実装例1 】

 

【 基板実装例2 】

 基板実装例2の写真にあるようにICソケットの内部にも部品を実装しています。 そのため、ICソケットは必須となっています。

 また、電解コンデンサの部品背が高いため、部品面の配線高さが高くならないようにハンダ付けや電線配線には注意を払って下さい。

 

3.3 製作結果

 このようにして製作したミニミニ・レインボーライトの動作例を下記に示します。 下図をクリックするど動作例の映像を見ることができます。 (WMVフォーマットです。) この撮影には「カラーCCDカメラ IK−M28JM」を使用していますが、どうも緑色をうまく記録できていないようです。 また、フリーッカーしているように見えますが、目視では残像現象のためスムーズに変化しているように見えます。 実施にはもっとキレイ(?)に見えます。

 ただし、LED内の3個のLEDチップがそれぞれ独立してはっきり分離して見えますので、曇りガラスや紙なを使って光を散乱するなどの工夫をすればもっと綺麗に見えると思います。

  光を散乱させ部材として、LED光拡散キャップ(3mm)(5mm) (I-1120〜I-1124,I-1126〜I-1130)が秋月電子通商で入手できるようになりました。 実際に使用した例をここ(LED光拡散キャップ(3mm)(5mm) (I-1120〜I-1124,I-1126〜I-1130))に掲載しておりますので参照願います。

 

【 動作例 】

 LED動作確認としてJP1を短絡すると3つのLEDが常時点灯します。 このとき、DCDCコンバータの電圧が低下するため、青色LEDの発光量が相当低下します。 動作確認時に青色が点灯していないと思われるかもしれませんが、LEDのチップをよく確認するなどを行ってみて下さい。

 また、参考までにDCDCコンバータの出力特性を測定しましたんで下記に掲載しておきます。 電源電圧はLED点灯状態に大きく影響を受けています。 

 

 
【 電池電圧 v.s. DC-DC出力電圧 】

 


【 LED(Red)オンオフ v.s.  DC-DC出力電圧 】
 


【 LED(Green)オンオフ v.s.  DC-DC出力電圧 】

 


【 LED(Blue)オンオフ v.s.  DC-DC出力電圧 】

 

 なお、LEDの輝度は下がりますが電池電圧が1.35Vでも動作しています。 使い古しの電池でもミニミニ・レインボーライトには使用できそうです。 ちなみに1.35V時の動作電流は実効値で10〜20mA程度と思われます。

  


【プログラム書き込みサービス】 

 本ページで紹介しましたPICマイコンの書き込みサービスを行っています。 詳細はプログラム書き込みサービスのページを参照願います。


 本ページの製作に用いる部品を有償で提供します。 提供内容の詳細はパーツ有償サービスのページを参照願います。 


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