Memorandumの小部屋
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家電機器電源連動ファンオンオフ装置
「電源すぐに切っちゃいや!」の製作
1.背景
今でこそプラズマテレビは数万円も出せば簡単に購入できますが、最初の頃はン10万円もしていました。 その頃、丁度ブラウン管TVが壊れたので買い換えようと(当時はまだ家電量販店でも高価でしたので)行きつけの家電屋さんに相談すると、こんなのあるよと20インチくらいのプラズマテレビを貸し出してくれました。 (このようなサービスは行きつけの家電屋さんだからできる事で、今の家電量販店では何もしてくれませんよね。) 家電屋さんの術中にまんまとはまり、先に記載のン10万円もするプラズマディスプレイを購入しました。 落ち着いた画質は今でもとても気に入っており、けばけばしい画質のディスプレに置き換えようと思いません。 ちなみに、当時としては数少ない地上波デジタル放送対応もしていました。 (とはいえ、残念ならがCATVパススルーに対応していないので少し泣いてはいます。)
このプラズマディスプレイはディスプレイとチューナが分離型となっており、結構発熱しておりました。 冬場はヒータ代わりでよいのですが、夏場はたまったものではありません。 地上波デジタル放送の試験放送開始以来、地上波デジタル放送受信をしていましたが半年前から何故か地上波デジタル放送が受信できなくなりましたので、手持ちの地上波デジタル放送チューナ付きマルチメディアプレイヤーのビデオ入力で見ていました。 そのうち、さらにアナログ放送が映らなくなり、とうとうBS/CSディジタル放送まで映らなくなりました。 チューナに温度上昇があることを知っていましたので、当然、チューナの電解コンデンサを取り外して容量抜けチェックはしましたが、さすが日本製だけあって、温度上昇していても容量抜けはありませんでした。
さすがにBS/CSディジタル放送まで映らなくなると、もうこのプラズマテレビも寿命かと思ってCATVパススルー対応の最新型に買い替えるつもりでいましたが、今のプラズマディスプレイを捨てるのももったいない話で、チューナ本体のみをオークションで探してみることにしました。 但し、この型式のチューナは劣化することを身を持って知っていますので、当然、受信確認品とし、さらに、リモコンも調子の悪いスイッチがあるのでリモコン付きとしました。 この要望に沿う物が何台か出品されており、どうにか予算枠内で落札でいました。 通常の落札価格帯より少し高めでしたが、届いた品は十分納得のいくものでした。
しかし、このまま使用していても、また時間が経過すると温度上昇でチューナが動かなくなるのは見えています。 この対応で、秋月電子通商の8cm角の200円ファンを取り付けてみたところ、チューナ本体のケース温度が相当低下することが確認できました。 ということでこのチューナの側面にファンを取り付けて24時間運転させましたが、夜中にどうしてもファンの音が気になります。 プラズマディスプレをオフしているときはチューナ本体の温度上昇はほとんどありませんでのファンを回転させる必要はありません。
と、いうことで、今回はチューナの電源オンオフに連動する家電機器電源連動ファンオンオフ装置「電源すぐに切っちゃいや!」を製作しましたので紹介します。 なお、今回はファンを制御していますが、他の機器を連動させる事もできます。
2.「電源すぐに切っちゃいや!」の製作
2.1 家電機器電源連動ファンオンオフ装置構想
家電機器の電源に連動してファンをオンオフ制御するためには、家電機器の電源オンオフをどのように検出するかを決める必要があります。 家電機器から信号を取り出すのは論外ですので、家電機器の電源オンオフで変化する現象を検出する必要があります。
今回のチューナ本体はチューナの電源がオンするとランプが点灯しますので、このランプの点滅を検出することが考えられます。 しかし、この方法はランプ検出するセンサの取付方法と外乱光対策が必要となり、実用性に欠けると判断しました。 その代わりに、100Vac電源ラインの電流を検出することにしました。 待機時とチューナ電源オン時の電流差を検出できれば良いので、電流測定値の絶対値は測定できなくても変化さえ分かれば十分ですので、電流センサ(カレントトランス CT)は自作でどうにでもなるでしょう。
今回追加するファンのオフするタイミングは、家電機器の電源オフに連動してもよいのですが、家電品の発熱を少しでも早く排熱できるようにオフディレー機能を設けることにしました。 このために、今回製作の機器名を「電源すぐに切っちゃいや!」としました。
2.2 「電源すぐに切っちゃいや!」の回路
「電源すぐに切っちゃいや!」の回路のオフディレー機能は当初PICマイコンを使用しようかと思っておりましたが、オフディレーの時間制御は適当でよいのでCR充放電特性を用いることにしました。 これより、汎用のコンパレータLM339Nを使用するので十分となりました。
電源はファンに合わせて12Vdcとしました。
基本的な部分はコンパレータ2回路で十分なので2回路残っています。 もったいないので、以下の回路を追加することにしました。
CDS入力を設けて、電流検出と光検出のいずれかを切り替えて入力とすることができるようにしました。 また、CDS受光でオン、もしくはCDS遮光でオンのいずれかの切替えができるようにもしました。
電流検出と光検出のいずれかのオンオフに連動してLEDを点滅するようにしました。 これは、出力オフ時の確認をするために設けています。 オフディレーを設けていますので、家電品の電源をオフにしても直ぐにはファンが停止しませんので、ファン制御できるかどうかすぐには目視確認できないためです。
以上の検討により製作した「電源すぐに切っちゃいや!」の回路図を下記に掲載します。
上図をクリックすると原寸大の回路図をダウンロードできます。
【 「電源すぐに切っちゃいや!」 回路図 】
100Vacラインは100VA以下の負荷にして下さい。 (いくらでも大きくできますが、限度を確認できませんので、100VAを目安にして下さい。)
自作CTは後述します。
ZD1(BZX85C12)は念のために設けています。 定格は12V1Wクラスのツェナーダイオードです。 C1の両端電圧が電源電圧12Vdcを越えない自信があれば不要です。 なお、過去、秋月電子通商で販売していましたが、本ページ公開時には販売を確認できませんでした。
RY1リレーはコイル電圧12Vdc、コイル励磁電流はできる限り16mA以下のリレーを選定して下さい。 今回はG6D−1A(12Vdc)を使用しました。 コイル励磁電流は16.7mAですが、気にしない気にしない。オフディレーはC3とR4で決まります。 当初は330uFだけにしていましたが、スペースが空いていましたのでジャンパーピンでC3の容量を切り替えられるようにしました。 このリレーも、過去、秋月電子通商で販売していましたが、本ページ公開時には販売を確認できませんでした。
VR1,VR2は判定値レベル調整用ですので、多回転ポテンショメータを使用します。 1回転にする場合、VR2は可変範囲が0〜1Vの範囲になるように固定抵抗と1回転VRの組み合わせに変えた方がよいでしょう。 なお、この範囲は待機時電流やCTの出来次第で変更、調整が必要です。
VR1,VR2は、対象となる家電品の待機時に一旦通電検出状態に判定値を絞り、その後、逆方向につまみを回して徐々にしきい値電圧を上げ、未検出状態になったところで調整完了とします。
LED1は今回使用したものを記載しています。 なお、LEDにはキャップをかぶせています。 このLEDは発光できれば良いので、手持ちのLEDを使用するので十分です。
CSDによる光受光/遮光機能が不要な場合は14PIN出力のコンパレータ部分の回路は製作不要です。
検出器動作確認用LED1の回路が不要であれば、13PIN出力のコンパレータ部分の回路は製作不要です。
2.3 製作例
上記回路をベースに製作した実例を以下に示します。
【 100Vacライン部 完成外観 】
【電流検出CT 製作例(ケース実装状態) 】
【電流検出CT 製作例(フェライトコア部) 】
今回使用したCTは、ジャンク電気機器の基板に付いていたトロイダルコアを使用したコイルを取り外して再利用しています。 このコイルはエナメル線を巻き付けた状態のものを基板から取り外し、そこに今回、100Vacラインの青色電線(0.3mmSq)を巻き付けたものです。
エナメル線側が2次側で、青色電線が100Vacライン側です。
この青色電線の太さから100Vacラインを100VA以下の負荷に制限しています。
コイルは電流はあまり流しませんので、コイル巻き線(エナメル線)は細くて構いません。 上記写真でもコイル巻き線が不必要に太いです。 その代わり、できる限り巻き数の多いものを使用して下さい。
上記写真では青色電線は13回巻きです。 今回の接続機器(チューナ本体)では、R01(2.2k)で1V程度の検出となっています。 もう少し高めの検出電圧にしたいところです。 使用するトロイダルコアの材質、エナメル線の巻き数、100Vac側巻き線数があれば十分です。
【 基板製作例 (部品面) 】
【 基板製作例 (ハンダ面) 】
センサ入力、ファン用には最近出番のなくなったピンジャックを使用しました。
【 ケース実装時外観1 】
【 ケース実装時外観1 】
【 「電源すぐに切っちゃいや!」全体外観 】
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