Memorandumの小部屋
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今何時! リモコンでナイトライト
(おまけで、リモコン電池大丈夫)
1.背景
HDDレコーダ窓表示の時間表示を止めてからテレビのある部屋は夜は真っ暗です。 省エネのために待機電力低減なんて格好をつけたものではなく、見た目の省エネです。
しかし、これはこれで困ったものです。 この部屋でうたた寝していると、テレビも賢く勝手に電源を切ってくれて、目が覚めるといつの間にか暗くなっていることがあります。 暗闇の中、このまま寝ていて大丈夫か、それとも起きる必要があるか時刻を知りたいのですが、この部屋で時間を見ようにも真っ暗では時計を見ることができません。 結局は起きて時計を確認する必要があり、そのまま引き続き寝込むことができません。
この解決方法として、暗闇でも時刻のわかる時計にする、見た目の省エネは止めるなどの方法もあります。 しかし、ここは電気電子工作の部屋、「パルス幅制御ICが欲しい! PICでDuty制御」を利用して、寝ぼけまなこでも手にすることのできるリモコンの赤外線を検出してLEDライトを点灯する「今何時!リモコンでナイトライト」を実用化しました。 ライト部分は100円均一のLEDライトを改造して使用しています。 えっ、省エネに反する? そんなの気にしない気にしない。
なお、おまけで、リモコン発光確認機能も付加しています。
2. 「今何時!リモコンでナイトライト」の製作
2.1 仕様
「今何時!リモコンでナイトライト」のベースは「パルス幅制御ICが欲しい! PICでDuty制御」の後半に掲載した5 PICでDuty制御 改良版を利用します。 この回路に周囲の明るさを検出するCdSを追加したものです。 仕様概要を下記します。
テレビなどの38kHz用リモコンの赤外線を受光することでLEDライトを点灯できます。
搬送波38kHzの赤外線の有無検出としますので、一般的なリモコンのどのボタンを押しても反応します。
リモコンの特定のボタンを押したときにのみ反応させたいときには「リコモン送信機はもう沢山!!! リモコン受信機の製作」のフォトカプラ出力を接続できる入力端子を設けました。 (後述の回路図のSW1で切替え、CN3に信号接続。)
LEDライトは点灯時はすぐに明るくし、消灯時は徐々に暗くなるようにPICでDuty制御 改良版のPICマイコンを使用しました。
周囲が明るいときにはLEDライトが点灯しないレベルを調整できます。 また、周囲の明るさに関係なくLEDライトを点灯できるようにジャンパピンを設けています。
赤外線を検出したときの検出時間調整を若干調整できるようにしています。 初期バージョンではこの機能は有りませんでしたが、リモコンを押していないにも関わらず、時たまLEDライトが点灯する事がありました。 今回使用している赤外線受光ジュールの感度が高いようです。 この対応として設けた機能です。
汎用のACアダプタ対応としています。 ACアダプタ電源電圧は6〜12V、DCでもAC出力でも可能、コネクタCN1の極性も両極性対応しています。
2.2 回路図
前記仕様に基づいた回路図を下記に記載します。
クリックすると原寸大の回路図を入手できます。
【 「今何時!リモコンでナイトライト」回路図 】
VR1は周囲が明るいときにLEDライトの点灯を防止する周囲の明るさ調整用です。
VR2は赤外線検出時間調整用です。
L1は赤外線誤検知を防止するためにできる限り設けて下さい。 入手できない場合は不要です。
SW1はLEDライト点灯用トリガ入力信号選択切替え用です。
ACアダプタの極性が確定している場合はD1〜D4は不要です。 また、DC5VのACアダプタの場合はD1〜D4、C1、IC2は不要です。
C4の静電容量で消灯時の時間調整ができます。 R6でも調整できますが、これより抵抗値を下げると出力の実効電圧が上昇できなくなりますので、R6の抵抗値を下げる調整はしない方がよいでしょう。
C2、C3は積層セラミックコンデンサを使用しています。 電解コンデンサを使用できますが、この場合は0.1uFのセラミックコンデンサを並列接続して下さい。
D5は1SS108を使用していますが、VR2が0Ωでないことを想定しての選定です。 VR2を330Ω以下で使用する場合は整流用に変更する必要があります。 このときはD1〜D4で使用しています整流用ショットキーバリヤダイオードと同じダイオードを使用すればよいでしょう。 (製作後に本件気付きました。)
出力段の電流増幅はFET(FDS5680)を用いています。 別形式のFETにする場合はVGSに注意して選定して下さい。 また、バイポーラトランジスタに変更する事もできますが、この場合はベース電流制限用抵抗を付加して下さい。
2.3 PICマイコン
PICマイコンはPICでDuty制御 改良版のプログラムをそのまま使用しています。 EEPROMは一部変更しています。 実際に使用しているPICマイコンの読み出しデータのHEXファイルとEEPROM設定を下記に掲載します。
アドレス |
ビット |
データ名称 |
内 容 |
デフォルト |
0 |
バイト |
強制0% |
Duty制御スロープ設定ビット=0時 出力 0%強制しきいち 0〜255 Duty制御スロープ設定ビット=1時 出力 100%強制しきいち 0〜255 |
H’07’ |
1 |
バイト |
強制100% |
Duty制御スロープ設定ビット=0時 出力 100%強制しきいち 0〜255 Duty制御スロープ設定ビット=1時 出力 0%強制しきいち 0〜255 |
H’E0’
|
2 |
0 |
Duty制御 |
Duty制御スロープ設定ビット = 0 0%=H’00’ 〜 100%=H’FF’ Duty制御スロープ設定ビット = 1 0%=H’FF’ 〜 100%=H’0’ |
H’04’ |
2 |
1 |
未使用 |
未使用 |
|
2 |
2 |
出力パルス発生 |
GP1出力論理設定ビット = 0 Highレベルで出力可能 Lowレベルで出力停止 GP1出力論理設定ビット = 1 Lowレベルで出力可能 Highレベルで出力停止 |
2.3 製作例
【 部品面実装例 】
FET(FDS5680)はハンダ面実装としています。
【 ハンダ面実装例 】
【 基板斜視図 】
【 基板ケース実装状態(部品面) 】
【 基板ケース実装状態(ハンダ面) 】
【 「今何時!リモコンでナイトライト」 一式外観 】
ダイソーのクリップライトを流用します。
【 LEDライト オリジナル品 】
【 オリジナルのLEDライト部分 】
電流制限用抵抗もLEDライト部分に設けます。
光拡散角を広げるためLEDを3個に改造しています。
【 改造後のLEDライト部分 】
【 EDライト点灯状態 】
【 LEDライト部分組立状態 】
昼ではありません。 年をとると朝早く目が覚めます。 (関係ないか。)
RD−Z1を購入しています。 いまだに現役です。 (これも関係ないか。)
【 LEDライト実装状態 】
こんな感じて点灯しています。
【 LEDライト点灯状態 】
おまけのリモコン電池大丈夫
基板上にLEDを設けていますので、このLEDを使用してリモコンの赤外線発光有無を検出できます。 この機能を使う場合はジャンパピンJP1を短絡して周囲の明るさの影響を受けないようにします。
リモコンが反応しないときなどに、本機を利用することで赤外線発光有無を確認することができます。 赤外線が正常に発生(38kHzのキャリア有り)していると本機基板上のLEDが点灯しますので、これでリモコンの電池があるかどうか分かります。 名付けて「リモコン電池大丈夫」です。
End of This Page.