Memorandumの小部屋
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周波数がうごかん!!
やっと使いものになるワイヤレスマイクの製作
1.背景
もともと電気電子工作に興味を持ったきっかけのひとつがワイヤレスマイクで遊んでみたいということでした。 そのため、何回もワイヤレスマイクを製作していましたが、周波数変動が激しくて実用にならないという点がありました。
この対応として過去にPLL回路を使ったワイヤレスマイクの製作にもトライしていましたが、PLL回路付近の回路だけ製作してそれ以降の回路まで製作するところまで達していませんでした。
PLL回路を使用したワイヤレスマイクは八ヶ岳クラブやワンダーキットで発売されていましたが、いずれも10,000を超える高価なキットでしたので購入して製作することはありませんでした。 そうこうしているうちに仕事で忙しくしているうちにイーケイジャパン からFMステレオトランスミッター[基板完成品] PU-2106が税抜き価格3,800円で発売(2005年12月9日)されていました。 これに気付いた時点では品切れで入手を諦めていました。 ところが、秋葉原でたまたまウインドウショッピングしているとPU-2106を見つけてしまい早速買いです。 このPU-2106を使った製作例を以下に紹介していきます。 PU-2106自体についてはここに紹介しておりますのでご参照願います。
2.製作
PU-2106はこの基板単体で入力から出力までほぼ全ての機能を有していますのでケースに入れるだけで簡単に製作できます。 しかし、この基板を使うだけならば、残念ながら電子工作の醍醐味は全くありません。
そこで、今回はミキサー回路を追加してみることにしました。 (出力電力増加については電波法違反になる可能性大のため、実施しません。) また、追加回路用に安定化電源を設けましたので、これに合わせて入力極性の無極性化対応としました。
入力仕様
ステレオ ライン入力 2ch
ステレオ スピーカ入力 1ch
電源入力
両極性対応
入力電圧範囲 7〜15V
追加回路でTA4805を採用したため、入力電圧範囲が狭くなりました。
追加したミキサー・電源基板の回路図を下記します。 下記回路図をクリックすると原寸回路図を表示することができます。
【 回路図 】
音声信号の出力はPU-2106の回路に準じて、オペアンプ出力を10kΩと0.1μFの直列回路でカップリングしています。 しかし、コンデンサの0.1μFは小さすぎるような気がします。 また、オペアンプ出力はPU-2106のMIXED OUTのパターンを利用して接続しました。
アンテナ出力はPU-2106のANTENNA端子からではなく、コンデンサカップリングの手前のパターンを使用してコネクタで取り出しています。 このため、リヤパネルのANT出力コネクタ(BNC-R)側に0.001μFのセラミックコンデンサを追加しています。 なお、ANTまでの配線には同軸ケーブル1.5D−2Vを使用しています。
電源は順方向電圧降下の小さいショットキーバリアダイオード1S10を使用したブリッジ回路を通してDC電源を作っています。 またPU-2106の電源もこのブリッジ回路の出力を使っています。
オペアンプはNJM4580DDの代わりに、LM358等も使用できます。
ケースはTAKACHI側のYM薄型ボックスYM−130(W130mm、H30mm、D90mm)を使用しました。 PU-2106のつまみが長すぎるため、先端部分をカットして収納しています。
入力レベル調整はそう頻繁に調整する機会はないと思われますので半固定VRを使用しました。
トランスT1、T2はトランジスタ用のアウトプットトランスを使用します。 アウトプットトランスの出力側がスピーカ入力、入力側がVR/オペアンプ側となります。 (アウトプットを入力に使用しますので、出力回路用とは逆の使い方をします。)
以下、実際の製作例を掲載します。
【 完成外観(正面) 】
【 完成外観(背面) 】
【 完成外観(内部) 】
基板の切り欠きは特に意味はありません。
(部品干渉対応のために切り欠きましたが、使用部品変更となった。)
トランスはSP−81互換品のT−81を使用しました。
【 完成外観(ミキサー・電源基板 】
ボリュームの先端をカットしています。
【 完成外観(PU-2106) 】
ANT出力コネクタ(BNC-R)側に0.001μFのセラミックコンデンサを追加しています。
【 完成外観(ANT出力部) 】
3.使用感
「とにかく周波数がうごかんのはいい!」の一言です。 アンテナを動かしても安定して受信できます。
飛距離は期待してはいけません。 部屋の中でPC出力音声をチューナ付きMP3プレーヤで聞くのにとても便利です。 今までは赤外線式のヘッドフォンを使用していましたが、電波で飛ばすことで障害物を気にする必要がなくなりました。
78MHz帯ではバックで発振音が聞こえることがありましたが88MHz帯にすることでこの発振音も小さくなったようです。 このため、現在では88.8MHzに設定して使用しています。
音質は絶対に期待してはいけません。 カップリングコンデンサ容量の小さいのが気になっていましたが、やはりこの影響はあるようです。 低音域は全く駄目という印象を持っています。 いくらプリエンファシスといっても。。。。。 まあBGMで流す程度では十分使えるでしょう。
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