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皆様から頂いたご質問の回答の一部を紹介させて頂いております。
ご 質 問 |
電子メトロノームの音が聞こえないので、電子メトロノームの音声信号を取り出し、携帯電話のバイブレーターみたいにスピーカー代わりに振動モーターの振動で拍子をとってみたい。 また各小節の一拍目を強調したい。
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回 答 |
メールでご返事しようと思いましたが、試作してしまいましたので本ページで回答させて頂きます。 なお、「各小節の一拍目を強調したい。」はヒントまでだけとし、もし別の機会がありましたら検討してみたいと思います。
2 検討項目 ご要望はアマチュア無線のVOX機能と同じなので、音声信号を整流してDC増幅すればよいだけです。 また、VOXに使えるICもあります。 しかし、簡単に入手できる部品で試作してみました。 あまり高尚なことは考えずに下記の2点の仕様だけとしました。 (a) できる限り一般的な部品を使用する。 (b) 電源電圧1.5Vもしくは3V程度で動作すること。
最終的な試作回路の回路図を下図に示します。 今回もブレッドボードを使って試作しました。 試作の結果、振動モータの関係でDC3Vとなってしまいましたが、 音声信号の入力レベルが高ければ1.5Vでも動作するようです。
【 振動モータ駆動回路図 】
【 試作回路 】 Q1では音声入力信号を増幅します。 増幅した信号をD1、R5,C3で検波(整流)して、その信号をQ2で増幅します。 電圧振幅を確保するためにPNPトランジスタQ3を使用し、振動モータを駆動します。 Q1は直流電流増幅率(hfe)ができる限り大きいトランジスタをお勧めします。 Q2,Q3はそれほどは直流電流増幅率(hfe)を気にする必要はないでしょう。 今回は手持ちの関係でQ1はGRランク品(200〜400)を使用しています。 なお、Yランク(120〜240)でも使用できるとは思います。 試作回路での音声信号とモータ電圧の波形を下図に記載します。 下図では、メトロノームの替わりにMemorandumの小部屋の「Pi_Pi_IC PICでVFコンバータ」の出力を使用しています。 なお、このときの音声信号は1kHzの方形波となります。 225ms後にモータ電圧が若干遅れて低下し始めています。 この時間はC3で決まります。 C3の容量を小さくするとこの遅れ時間は短くなります。 しかし、C3は音声信号の平滑コンデンの役目も担っていますので、C3の容量を小さくすると127ms〜225msの間のモータ電圧のリップルが増えたり、電圧が低下することになります。 今回の試作では1.5μFが一番よさそうでした。 実際には、振動モータや電源電圧に応じてC3の容量を変えてみて下さい。
VR1はレベル調整用に設けています。 音声信号側でボリューム調整できるならば、C1、VR1は不要で、C2の左側から入力すればすみます。 メトロノームの替わりの「Pi_Pi_IC PICでVFコンバータ」の出力間隔を変化させたときのモータの振動音とPi_Pi_音を録音しました。 下図は録音の音声波形です。 下図をクリックするとPi_Pi_音とモータの振動音を同時録音した音声を聞くことができます。 (SoundEngine Free ver. 2.93による。) 上図をクリックするとPi_Pi_音とモータの振動音の録音音声を聞くことができます。 【 サンプル音声 】 この音を聞いて頂いてわかるように、Pi_Pi_音からワンテンポ遅れてモータの振動音がします。 振動モータは機械要素のため、どうしても遅れてしまうようです。 この遅れを低減するためには、もっと別の振動体を使う必要があるかと思います。 以下にFMラジオの音声を入力したときの音声信号電圧とモータ電圧の波形を示します。 これより、音声信号の振幅により振動モータに印加される電圧が変化するようです。 これは、電子メトロノームの1拍目の音が他に比べて大きければ、1拍目のみ振動モータに加わる電圧を大きくすることができることを意味しています。 今回は、「各小節の一拍目を強調したい。」というご要望に対しては、この機能を使用することが考えられます。 また、1拍目の識別としては上記振幅だけではなく、1 拍目専用の振動モータを別途設けるということも考えられます。 この実現方法としてはPICマイコンを使う方法や、ロジックICを使う方法など、いろいろな実現方法が考えられます。 今回は、ここまでとさせて頂き、1拍子目識別の実現につきましては別の機会とさせて頂くことにします。
3 その他 今回の試作で振動モータが必要となりました。 残念ながら余分な振動モータの手持ちがなかったので、どうしようかと思案しておりました。 そういえばPHS収集時におまけで携帯電話を譲ってもらったものが1台ジャンク箱にあることを思い出しました。 この携帯電話はPHS とは違い、使用済み後の使い道はないと思っていましたが、念のために部品取り用に捨てずに持っていたものです。
【 F203外観 】 該当の携帯電話は富士通のF203です。 裏フタの特殊ネジは普通の精密ドライバを駆使して外すことができましたので、裏フタもケースを壊すことなく開けることができました。 裏フタを見ると、下図水色枠の部分に振動モータが付いていました。 うれしいことに、どうか取り外してくれというかのように、この部品だけリード線となっていました。 さっそく外して今回の試作に使用させて頂きました。 このようなことがあるから、ジャンク品を捨てることができず、ジャンク箱の部品が増えていってしまうのですね。
【 F203裏面 外観 】 また、今回の試作で、震度モータだけではうまく振動を伝えられないことを知りました。 上図やブレッドボードの試作写真でもあるように、振動モータのまわりにゴムのクッションがあることで、適度な振動を得ることができるようです。
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