Memorandumの小部屋
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電池ボックス電子工作(その15)
いつどこ ドキ!ドキ!(脈拍モニタ)
1.背景
指を当てて自分の脈拍を計ると、脈拍が強くなく心拍数を数え辛い場合があります。 このため、Heartbeat Flasher
ハートビートフラッシャー (K26/2PK2600)を製作してみましたが、全く使いものになりませんでした。 また、いつか機会があれば脈拍モニタを製作しようと思っていましたが、「CQ
ham radio増刊 エレキジャック No.18」に神崎丸古氏の「BASIC Step by Stepでオリジナル・プリント基板を作る 第1回 感光基板で作る 心拍センサの概要と手順」の記事が目に止まりました。 エレキジャックの記事であればちゃんと動作するに違いないと思い、エレキジャックを購入し始めて初めて記事の内容を製作してみようと思いました。(あれっ、本当に初めてかな?)
記事に準じて手持ちの部品を使ってブレッドボートで動作確認してみると、予想以上に確実に脈拍を検出してくれました。 この結果をもとにして、脈を打っている事をモニタする「いつどこ ドキ!ドキ!」を製作しましたので紹介します。 「いつどこ ドキ!ドキ!」は、神崎丸古氏の記事の回路に音を発生する回路を追加したものす。 なお、脈拍数の計測(数値表示)する機能はありません。 目を瞑っても脈拍(不整脈)を確認することを目的としています。 もし、実用を求めるならば、中国製の脈拍計が1350円程度であるようですので市販品を探して下さい。
2.「いつどこ ドキ!ドキ!」 回路図
「いつどこ ドキ!ドキ!」の回路図を下記に掲載します。 下記回路図をクリックすると原寸サイズの回路図にアクセスできます。
【 回路図 】
多くの部品は秋月電子通商で購入できます。
フォトインタラプタの手持ちがありませんでしたので、手持ちの赤外線発光ダイオードと赤外線フォトトランジスタを使用しています。 本回路図で使用しているメーカ、型式に拘る必要はありませんので、手持ち部品で使用できるかどうかを試して選定すればよいでしょう。
(a) 赤外線発光ダイオードLED1 : OSIR5113A OPTOSUPPLY社 (秋月電子通商で購入可能)
(b) 赤外線フォトトランジスタQ2 : TPS616 東芝 (サトー電気 [
http://www2.cyberoz.net/city/hirosan/jindex.html ] で購入)
LED2は青色を使用していますが、心拍モニタですのでやはり赤色にした方が良かったと悔やんでいます。 もし、LED2を変更するならば、R8の抵抗値を見直して下さい。
乾電池2本の電池容量が低下した状態を想定して3V以下でも動作するオペアンプとして当初はLVM324を選定していましたので、記事の回路だけだとオペアンプが2個未使用となります。
基本構想段階ではブザーのオンオフ制御、発振をPICマイコンで考えていましたが、この未使用のオペアンプがもったいなので、これを使用する事にしました。
ブザー発振回路の動作確認をした際に、電池電圧低下に対してはLMC6484の方が良い結果が得られましたので、急遽LMC6484に変更しました。
赤外線検出部を外部接続できるようにステレオジャックJ2を設けています。 外部接続しないならばJ2は不要です。
3. 「いつどこ ドキ!ドキ!」 製作例
「いつどこ ドキ!ドキ!」の製作例を下記に掲載します。
【 いつどこ ドキ!ドキ! 基板部品面 】
小型コネクタとして1.27mm(ハーフ)ピッチコネクタセット [P-01151]を用いるため、基板は秋月電子通商の両面スルホール・ガラス・ユニバーサル基板を利用しています。
コンデンサは平滑用のC1(100μF)以外は0.1μFの積層セラミックコンデンサに統一しています。
LED2はリード線を変形しやすくするため、リード線幅が細くなるように少しカットしています。
LED2をケース外側に取り出せるように、LEDボディ部のツバの部分をカットしています。
【 いつどこ ドキ!ドキ! 基板ハンダ面 】
【 いつどこ ドキ!ドキ! コネクタ部外観 】
当初、LED1の厚み(直径)を薄く小さくする必要のある実装を予定していましたのでやすりで削っています。
LED1、Q2には遮光のためいアルミテープを貼り付けています。
【 いつどこ ドキ!ドキ! ケース加工内部外観 】
【 いつどこ ドキ!ドキ! ケース加工外側外観 】
【 いつどこ ドキ!ドキ! 基板実装状態1 】
ケースのリード線取り出し口を少しドリルで広げています。 この取り出し口にLED2を差し込んで外部に出しています。
J2は特に固定はしていません。 LED1とQ2のリード線で突っ張ることフタで押さえ込む事で固定状態にできています。
ブザーは基板左側に設置します。 ブザーはJ1コネクタとケース内側で挟み込んで固定できているようです。
【 いつどこ ドキ!ドキ! 基板実装状態2 (ブサー実装状態) 】
【 いつどこ ドキ!ドキ! 基板実装状態3 】
LED1とQ2をフタで押さえつけることができるようにクッションを設けています。 このクッションはダイソーのカラーボードを使用しています。
LED2にはLED光拡散キャップ(3mm)を被せています。
【 いつどこ ドキ!ドキ! 完成外観 (平面) 】
上図の左側中央部の2つの穴がセンサ部です。 ここに指を当てます。
上図ではセンサ部の左側がLED1、右側がQ2です。
【 いつどこ ドキ!ドキ! 完成外観 (斜視外観) 】
LED2(センサ部上図右側)発光面はケースの表面から出ない程度に実装されていればよいようです。
Q2(センサ部上図左側)はケースの表面から若干飛び出るくらいに実装します。
4. 「いつどこ ドキ!ドキ!」 使用感
センサ部への指の当て方にはコツが必要です。 Q2にはしっかり指を当て、LED2は適度に当たっていればよい感じで、指を当てます。
当方の指5本のいずれでも検出はできますが、親指か人指し指が扱い易いです。
「いつどこ ドキ!ドキ!」のセンサ部を上向きに置いて、このセンサ部に指を当てる方法、 「いつどこ ドキ!ドキ!」を指で持って、センサ部に指を当てる方法のいずれでも検出できます。
LED2は発光するが音がしない場合があります。 これは、Q2の受光量の変化が小さいのが原因です。 R11を100kΩから150〜220kΩに見直した方がよいかもしれません。
ブザーオンが邪魔になる場合があります。 ブザーに直列にジャンパーピンやスイッチを設けておくことをお勧めします。
5. 「いつどこ ドキ!ドキ!」 追加確認
フォトインタラプタ及び低電圧用オペアンプNJU7044Dを入手できましたので、ブレッドボードで組み合わせ試験を実施しました。 その結果を下記に掲載します。
なお、本結果は当方の簡易的な確認であり、回路定数やセンサー位置などの適正調整もできていませんので、下記記載内容が最終結果ではないことを断っておきます。
No. | 心拍検出部 | IC1 | ||
LED1 | Q2 | LMC6484AIN | NJU7044D | |
1 | OSIR5113A | TPS616 | ○ 動作確認。 (本ページ公開回路) | × 動作できず。 ブザー制御抵抗 R12=10kΩ |
2 | TLN103A | TPS603A | × 動作できず。 | × 動作できず。 ブザー制御抵抗 R12=10kΩ |
3 | フォトインタラプタ GP2S24 | ○ 動作確認。 LED1電流制限抵抗 R1=100〜150Ω |
× 動作できず。 ブザー制御抵抗 R12=10kΩ |
|
4 | フォトインタラプタ RPR220 | ○ 動作確認。 LED1電流制限抵抗 R1=330〜470Ω |
△ 動作不安定であるが動作確認。 ブザー制御抵抗 R12=10kΩ LED1電流制限抵抗 R1=330〜470Ω |
|
5 | フォトインタラプタ SG-105 | △ 動作不安定であるが動作確認。 LED1電流制限抵抗 R1=470Ω |
× 動作できず。 ブザー制御抵抗 R12=10kΩ |
|
6 | フォトインタラプタ SG-2BC | △ 動作不安定であるが動作確認。 LED1電流制限抵抗 R1=470Ω |
△ 動作不安定であるが動作確認。 ブザー制御抵抗 R12=10kΩ LED1電流制限抵抗 R1=470Ω |
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