Memorandumの小部屋
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我、モスキート軍団に宣戦布告せり!!
デンゲキ ショッカー
電 撃 触 蚊 の 巻
ある日の夜、仕事をしていると「バシィ」「パチィ」という音が聞こえてきます。 電気に携わっている身ですから、すぐに「何かスパークでも起こしたのでは!!」と周りを見回すと、手に大きな蝿叩きのようなものを手に持って蛍光灯の明かりに呼び寄せられた蚊を叩いている人がいました。 この蝿叩きで蚊を叩く度にパチパチと音と共に火花も発生しています。 どうも電撃で虫をやっつける蝿叩きのようです。 その後、この蝿叩きを使わせてもらいましたが効果てきめんで、一発で蚊を退治することができ、少しは快適な残業を過ごすことができました。
しばらくして、「この蝿叩きを落とした後に、どうも電圧が発生しなくなったので見て欲しい。」との話をもらいました。 結果的には修理することはできませんでした。 その際、「もう1個蝿叩きを持っているのでこれはあげる。」とのお言葉に甘えさせて頂き、早速、家で解体です。
【 外観 】
電撃触蚊の外観は下図のように黒い部分がグリップのラケット状の蝿叩きです。 電撃触蚊の大きさは長さ475mm×幅145mmです。 なお、下図中の物差しの長さは300mmです。
電撃触蚊のパッケージには右図のような紙が1枚同封されており、この紙に注意事項などが記載されています。
この紙に記載されている内容を下記に記載します。
この手の商品にありがちな日本国内の取扱商社未記載ではなく、ちゃんと連絡先が記載されていました。
中電中及び直後の網に人体を触れないこと! 可燃性ガスのある場所での使用を禁ずる。 |
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Verdaj
Plejadoi |
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デンゲキショッカー |
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憎い蚊も、五月蝿い蝿も、パチィと一瞬、火花と散る! |
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ご使用上の注意 |
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1)指でスィッチボタンを押しながら。蚊や蝿をはたいてくださ い。蚊がショッカーに触れると、パチィと音がして火花が出る のは正常です。 2)はたかないときはボタンを放し電池の消耗を防ぎましょう。 3)水に濡らさないでください。 4)虫以外の物に直接当てるなど過大な衝撃を与えないこと。 5)子供の手の届くところに置かないでください。 |
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輸出元:中華国際企業公司 香港中環堅道38号2楼後座 Tel. 852-25233708 |
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輸入元:緑昴企画(リョクボウキカク) 名古屋市守山区弁天が丘701 Tel. 052-798-2789 |
【 内部 】
早速、解体して内部を調べます。 グリップの部分に高電圧発生基板が実装されています。昇圧用トランスは意外と小さいようです。 外観と回路図を下記に示します。 放電用コンデンサ0.39μFの大きさが目立ちます。
【 基板外観 】
【 回路図 】
【 動作確認 】
正常品はスイッチボタンを押すとキィーーーンという音がしますが、この蝿叩きは音がしません。 出力電圧を測定しても一瞬100Vくらいになるものの0Vにすぐに落ち込みます。
この調査として、ベース用の抵抗を変更してもだめ、たまたま同一のトランジスタを持っていたので交換してみてもだめ、その他の部品を調査・交換してもだめでした。
それではと、恒例の常套手段の衝撃テストを行います。 昇圧トランスを軽く叩くとキィーーーンという音とともに出力電圧が出力されます。 またたたくと0Vに落ち込みます。 どうも昇圧トランスに問題がありますです。 そのうち、いくら衝撃を与えても出力電圧は変化しなくなりました。
その後、自励発振回路の変更や他励発振への変更など、いろいろ調査・変更してみましたが、出力電圧は最大で200V程度しか出力しません。 うまく共振できなくなったようです。 その原因が昇圧トランスのようであり、いまのままでは出力電圧の上昇を望むことができません。
そこで、昇圧トランスの2次側に100数10V発生できているようですので、N倍電圧整流回路で昇圧できないかトライしてみました。
まず、2倍で約300V、3倍で約380V、4倍で約450V、5倍で約510V程度発生させることができました。 定格電圧が400V程度のフィルムコンデンサを使用しているため、コンデンサの大きさが大きいため、実装の制約のため5倍以上にすることができません。
取りあえず、5倍電圧整流回路を内蔵して電圧をかせぐことにしました。 ベース回路のカットアンドトライの結果と高電圧発生回路を含めた回路を下図に示します。
【 現在の回路 】
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