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参考資料の小部屋 |
インピーダンスのはなし
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アースシリーズの著書で有名な伊藤健一氏の最新著書でSCIENCE AND TECHNOLOGYシリーズのなかの一冊です。
高周波を扱う場合に避けて通れないスミスチャート・マッチング・分布定数・定在波・特性インピーダンス等について「やさしいことを、やさしく書く(はじがきより)」ことをコンセプトに著された本であり、実際にそのように記載さています。
これらの項目については、伝送回路網、高周波回路、マイクロ波工学、過渡現象論などの専門書に必ずといっていいほどしつこく書かれていますが、これらの本では数式は十分に羅列されており何かを求める式を知ることはできます。 しかし、実際の物理現象との関係や、その式の意味するところがほとんど記載されていいません。
この本は、これらの項目について、電気・電子工学の基礎ができている人(第4級アマチュア無線技師)でも眠くならずに読める内容です。 むしろ、やさしく書くために脱線しすぎのきらいはあります。 しかし、待ち望んでいた内容の本には間違いありませんし、個人的には一押しの本です。
内容的には高周波を学ぶためには不足している部分が多くありますが、高周波を理解するためには大変適切な本です。 確かに今まで、似たような本や雑誌の特集はありましたが、本書の内容は今までのなかで一番わかりやすく、かつ、実務に役立つような内容が多く記載されていました。
例えば、インピーダンス平面とスミスチャート平面の関係は下図のように関係がわかりやすく記載されています。 このようなアプローチは他の図書でもあります、本書では図書の中盤までこれらの各平面が併記されています。
(本書のP50から抜粋)
また、使うほうにとってはどうでもよい「スミスチャートが円で表現することのできる理由」については記載されていませんが、使うときに理解できていなければならない「スミスチャートをどのように使っていけばよいか」についての基礎的な部分について十分なページがさかれています。
また、特性インピーダンスの章では下図の問題が出題されています。 簡単であり、基本を知っているかどうかがよくわかる問題なので紹介させて頂きます。
東京に1.5Vの電池があり、大阪に10Ωの負荷抵抗があったときにスイッチS(電池の近くにあると考えて下さい。)を閉じたときの電流は何Aになるかという質問です。
(電線の抵抗値は当然0Ωで考えましょう。 これは考え方をみるための問題であり、実際の回路がどうこうという問題ではありません。)
正解を知りたければ、是非この本を購入しましょう。
なお、私はすぐに回答を出せませんでした。 改めて昔習った進行波論の基礎ができていないことを痛感させられました。
(本書のP196から抜粋)
インピーダンスのはなし 目次
章 |
タイトル |
頁 |
1 | インピーダンスとは |
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1-1 |
タンス(箪笥)とダンス(踊り) |
1 |
1-2 |
インピーダンスとは、「反射する物」「立ち向かう物」という意味だ!! |
2 |
1-3 |
作用と反作用 |
4 |
1-4 |
直流の場合は、話はとても簡単!! |
4 |
1-5 |
交流電源を抵抗に加えた場合 |
5 |
1-6 |
交流電源をインダクタンスに加えると |
7 |
1-7 |
交流電源をコンデンサに加えると |
7 |
1-8 |
リアクタンスとインピーダンス |
9 |
1-9 |
抵抗とリアクタンスが、混在すると |
9 |
1-10 |
位相が90度違うことが必要 |
10 |
1-11 |
×(カケル)jと、÷(ワル)j |
11 |
2 |
スミスチャート |
|
2-1 |
数学では複素平面、電気ではインピーダンス平面 |
15 |
2-2 |
インピーダンス平面 |
17 |
2-3 |
正規化・・・・・・Normalize |
19 |
2-4 |
「dBΩ」って何のこと? |
20 |
2-5 |
スミスチャートとは?? |
25 |
2-6 |
スミスチャートと刑務所 |
28 |
2-7 |
塀の上から見物できる野球場 |
31 |
2-8 |
全て円!! |
32 |
2-9 |
全ての円は直交する |
33 |
2-10 |
スミスチャートの置き方 |
35 |
2-11 |
実数軸(水平軸)より、「上」が、入力インダクタンス領域、「下」がキャパシティの領域 |
36 |
3 |
抵抗のみの回路 |
|
3-1 |
抵抗だけの回路のスミスチャートはどうなるの? |
39 |
3-2 |
抵抗を並列に接続した場合の抵抗値を、簡単に求める方法 |
42 |
4 |
LとCだけの回路 |
|
4-1 |
抵抗分があると、トタンにむじかしくなる回路理論 |
45 |
4-2 |
LとCだけで、Rのない回路 |
46 |
4-3 |
少しばかり、数式を使用しての説明 |
49 |
4-4 |
「LとCだけで、Rのない回路」・・・(1) |
51 |
4-5 |
「LとCだけで、Rのない回路」・・・(2) |
54 |
4-6 |
「LとCだけで、Rのない回路」・・・(3) |
55 |
4-7 |
世界地図と比較して、説明すると |
59 |
4-8 |
リアクタンス定理 |
63 |
4-9 |
分布定数回路の場合 |
65 |
4-10 |
高速道路は、一方通行!! |
67 |
4-11 |
インピーダンスの「f特性」の表現方法 |
68 |
5 |
LとCとRが、混在している回路 |
|
5-1 |
「CとRだけの回路」・・・(1) |
71 |
5-2 |
「CとRだけの回路」・・・(2) |
74 |
5-3 |
「LとRだけの回路」・・・(1) |
76 |
5-4 |
「LとRだけの回路」・・・(2) |
78 |
5-5 |
定リアクタンス円 |
80 |
5-6 |
周波数特性は、全て円で表示可能か? |
82 |
5-7 |
直列共振とは?? |
84 |
5-8 |
並列共振とは?? |
86 |
5-9 |
直列共振、並列共振のわかりやすい例 |
89 |
6 |
イミッタンスチャート |
|
6-1 |
イミッタンスチャート |
93 |
6-2 |
アドミッタンスチャート |
95 |
6-3 |
とても簡単な、直列回路から並列回路への変換 |
97 |
6-4 |
逆の「並列から直列への変換」も、いとも簡単!! |
100 |
6-5 |
負荷の抵抗に、コンデンサを”直列”に接続すると |
102 |
6-6 |
コンデンサの容量を大きくしていくと |
104 |
6-7 |
負荷の抵抗に、コンデンサを、”並列に”接続し、順次、コンデンサ容量を大きくしていくと |
107 |
6-8 |
負荷の抵抗に、インダクタンスを、”直列に”接続し、そのインダクタンスの大きさを大きくしていくと |
110 |
6-9 |
負荷の抵抗に、インダクタンスを、”並列に”接続し、そのインダクタンスを大きくしていくと |
112 |
6-10 |
コンデンサの場合は、容量を増やすのと、周波数を高くするのとは、同じこと!! |
114 |
6-11 |
インダクタンスの場合も、インダクタンスを大きくするのと、周波数を高くするのとは、同じこと!! |
116 |
6-12 |
なるべくインダクタンスは使わないように |
118 |
6-13 |
イミッタンスチャート上の回転方向 |
118 |
7 |
インピーダンスマッチング |
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7-1 |
75Ωを33.3Ωに変換する回路 |
121 |
7-2 |
具体的に回路定数を決めると |
125 |
7-3 |
逆に、33,3Ωを75Ωに変換する回路 |
126 |
7-4 |
「安定な回路」と「不安定な回路」 |
128 |
7-5 |
なるべく、インダクタンスは使用しないように |
131 |
7-6 |
安定なπ型回路 |
131 |
7-7 |
インピーダンスが”高い””低い” |
131 |
7-8 |
インピーダンスが低い回路には、大きな容量のパスコンが必要 |
138 |
7-9 |
π型回路の設計 |
139 |
7-10 |
条件を満足させるπ型回路は、無数にある。 |
141 |
7-11 |
抵抗を使えば、わけないのだが、損失が発生するので |
141 |
7-12 |
π型フィルタとT型フィルタの使い分け |
143 |
7-13 |
T型フィルタを、上手に使用するには |
146 |
7-14 |
三段式インピーダンス変換 |
147 |
7-15 |
五段式インピーダンス変換 |
150 |
7-16 |
さらに、細かく分割していくと |
151 |
7-17 |
√L/C を計算してみると |
152 |
7-18 |
「上ったり」「下りたり」 |
154 |
7-19 |
低いインピーダンスを、高くするには |
155 |
7-20 |
ズバリ、終点の33.3Ωに、到着したいのだが |
157 |
7-21 |
ピタリ、目的地に到着できた理由 |
160 |
7-22 |
100MHzの場合は? |
163 |
7-23 |
200MHzの場合は? |
164 |
7-24 |
長さがλ/4の伝送路の効用 |
165 |
8 |
定在波 |
|
8-1 |
50Ωのケーブルというが、どこにも抵抗が付いていないよ?? |
167 |
8-2 |
ケーブルとか伝送路は、コイル(L)と、コンデンサ(C)の集合体 |
170 |
8-3 |
集中定数回路と分布定数回路とは、根本的に違うのだ!! |
171 |
8-4 |
終端がオープンのケーブル |
176 |
8-5 |
終端をショートした場合 |
183 |
8-6 |
全反射 |
185 |
8-7 |
純抵抗負荷の場合のSWR値を求める方法 |
186 |
8-8 |
一般のインピーダンスで、ターミネイトした場合のSWRを求める方法 |
188 |
8-9 |
イミッタンスチャート上で、ケーブルの入力インピーダンスが求められる |
192 |
9 |
特性インピーダンス |
|
9-1 |
簡単な直流の問題 |
195 |
9-2 |
大阪にたどり着くのに、何秒かかる?? |
197 |
9-3 |
スイッチをオンした直後は? |
198 |
9-4 |
電線の中の電子はトコロテン!? |
199 |
9-5 |
特性インピーダンスZoの登場 |
201 |
9-6 |
トンネルの中が一番安全!! |
204 |
9-7 |
プリント板のパターンにも、分布定数回路的な考え方が必要 |
206 |
End of This Page.