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ADS1015使用 PGA機能搭載12bitADコンバーター (K-13838/113838)

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データ番号

1601

区 分

キット

分 類

マイコン

品 名

ADS1015使用 PGA機能搭載12bitADコンバーター (K-13838/113838)

発売元

入手先

 

秋月電子通商

販 売

 

秋月電子通商

製 造

 

価 格

540円(8%税込)

主要部品

ADS1015

電 源

概略仕様

 

概要

4CHのアナログを12ビットAD変換する基板です。

型式

AE−ADS1015

使用デバイス

ADS1015 (TEXAS INSTRUMENTS)

電源

2Vdc〜5Vdc

信号取出し

 

接続用ランド

信号名称

向き

VIN

二次側電源ライン(2Vdc〜5Vdc)

電源

GND

コモンライン

電源

SCL

I2C クロック

SDA

I2C  データ

ADR

アドレス設定

入力

ALT

割込み

入力

A0

アナログ入力

入力

A1

アナログ入力

入力

A2

アナログ入力

入力

A3

アナログ入力

入力

 

アナログ入力

電圧範囲

最小電圧 : GND − 0.3Vdc

最大電圧 : VIN + 0.3Vdc ( VIN ≒ ADS1015 VDD)

アナログ入力

接続方法

シングルエンド : 4チャンネル

差動入力 : 2チャンネル  

AD変換器

12ビット 1チャンネル

可変倍率アンプ

PGA機能有り: ×2/3、×1、×2、×4、×8、×16

AD変換

分解能

 

シングルエンド入力

倍率

1LSB電圧

変換可能入力電圧範囲
(シングルエンド VDD=5.000Vdc時)

×2/3

3mV

0〜4.993Vdc
(AD変換値 0〜1666LSB)

X1

2mV

0〜4.094Vdc
(AD変換値 0〜2047LSB)

X2

1mV

0〜2.047Vdc
(AD変換値 0〜2047LSB)

X4

0.5mV

0〜1.023Vdc
(AD変換値 0〜2047LSB)

X8

0.25mV

0〜0.5115Vdc
(AD変換値 0〜2047LSB)

X16

0.125mV

0〜0.25575Vdc
(AD変換値 0〜2047LSB)

 

差動入力

倍率

1LSB電圧

変換可能入力電圧範囲
(差動入力 VDD=5.000Vdc時)

×2/3

3mV

−4.998〜+4.998Vdc
(AD変換値 −1666〜1666LSB)

X1

2mV

−4.096〜+4.094Vdc
(AD変換値 −2048〜2047LSB)

X2

1mV

−2.048〜+2.047Vdc
(AD変換値 −2048〜2047LSB)

X4

0.5mV

−1.024〜+1.023Vdc
(AD変換値 −2048〜2047LSB)

X8

0.25mV

−0.512〜+0.5115Vdc
(AD変換値 −2048〜2047LSB)

X16

0.125mV

−0.256〜+0.25575Vdc
(AD変換値 −2048〜2047LSB)

注意

 差動入力でマイナス電圧の測定ができますが、アナログ入力電圧は対GND電位を基準としてアナログ入力電圧範囲とする必要があります。 マイナス電圧はA1入力ラインを基準(0V)としてA0ラインとの電位差、A3入力ラインを基準(0V)としてA2ラインとも電位差を意味します。 間違っても対GNDでマイナス電位を入力しないようにする必要があります。 本Webページの製作例「6.入力電圧信号範囲外の信号入力」も参照願います。

インターフェース

I2Cバス

アドレス 0x48(デフォルト)、0x49、0x4A、0x4B

標準モード:100kHz 高速モード:400kHz Hsモード:3.4MHz  

           

付属基板

専用基板 AE−ADS1015

付属ケース

無し

外形寸法

基板単体 W26.5 mm D15.4mm H 2.2mm (ヘッダーピン含まず)

追加購入
部品

コメント

改 造

その他

(製作例)

 

【 パッケージ外観 】

 

【 構成品外観 】

 

【 取扱説明書 】

 

【 基板パッケージ外観 】

 

【 基板外観1 】

 

【 基板外観2 】

 

【 基板外観3 】

 

【 基板外観4 】

 

【 基板外観5 】

 

【 基板外観6 】

 

【 基板外観7(チップ部品部分拡大) 】

 

【 基板外観8(裏面) 】

 

【 付属ピンヘッダー外観1 】

 

【 付属ピンヘッダー外観2 】

 


製 作 例

 本製品にはストレートタイプの細ピンヘッダー が付属していますが、今回の製作では基板設置面積を小さくするためにL形細ピンヘッダ(秋月電子通商 細ピンヘッダ (オスL型)1X40 販売コード10363 型番 PHA−X40RG)を利用しました。

 

左側 : 付属細ピンヘッダ(ストレート)
右側 : 今回利用したL形細ピンヘッダ(10ピンにカットして利用)

【 ピンヘッダー比較】

 

ピンヘッダを1ピンのみ仮付けしてピンヘッダ取付け位置を調整しました。

【 ピンヘッダー取付け製作途中例 】

 

【 ピンヘッダー取付け完成外観1(全ピンハンダ付け) 】

 

【 ピンヘッダー取付け完成外観2 】

 

【 ピンヘッダー取付け完成外観3 】

 

【 ピンヘッダー取付け完成外観4 】

 

【 ピンヘッダー取付け完成外観5 】

 

【 ピンヘッダー取付け完成外観6 】

 


動 作 例

1.動作確認構成

 本基板(AE−ADS1015)を「あちゃんでいいの」に接続して動作確認をしました。 USBシリアルは「CH340E USBシリアル変換モジュール Type−C」を利用しました。  また、本基板(AE−ADS1015)裏面のジャンパーJ1は未接続のままとしました。

 

【 動作確認時 外観 】

 

上記回路図をクリックすると原寸大の回路図をダウンロードできます。

【 シングルエンド入力 動作確認回路図 】

 

【 シングルエンド入力 動作確認時外観 】

 

 動作確認にはAdafruit社の「Adafruit 4−Channel ADC Breakouts」用に公開されている「Downloads」→「Software ADS1x15 Library for Arduino」を利用させて頂きました。

 

2.シングルエンド入力動作例

 シングルエンド入力の信号として約2.7Vdcを接続してスケッチ「singleended.ino」を実行した例を下記に掲載します。 この際、入力A0〜A3を並列直接し、信号と入力間に2.2kΩの抵抗を直列に挿入しました。 これは信号に可変電源を利用しており、誤って絶対定格入力電圧を超える過電圧 もしくはマイナス電圧を加えた場合を想定したためです。 直列抵抗は測定誤差要因となりますので、 入力電圧範囲(MIN:GND−0.3V MAX:VDD+0.3V)の入力信号であるのが確実であれば、この抵抗を設けること必要はありません。

 

【 サンプルプログラム動作例 】

 

3.シングルエンド入力 倍率変更時の変換値

 次に、シングルエンド入力の倍率変更時のAD変換値を測定してみました。 ADコンバータは1個しかありませんので、A0入力のみを各条件当たり50回測定して、平均値・最小値(Min)・最大値(Max)を測定しました。

  •  下表の入力信号はA0端子の電圧を測定しました。
      

  •  入力信号は0(A0とGNDを電線で短絡)、可変直流電源の電圧を約2mV〜約4.9Vの間で8点の合計9点で測定しています。変更しました。
      

  •  記載数値はAD変換結果のLSB値です。 LSB値×分解能で電圧換算できます。
     

  •  測定用スケッチはA0入力を倍率変更(×2/3→×1→×2→×4→×8→×16の繰返し)しながら連続AD変換しました。
     

  •  AD変換のばらつき程度をつかむため最小値(Min)・最大値(Max)も抽出しました。

 

倍率変更時の測定結果1(X2/3、×1、×2)

倍率

×2/3

×1

×2

分解能mV

3

2

1

入力信号

Average

Min

Max

Average

Min

Max

Average

Min

Max

0(短絡)

0.04

0

1

0.76

0

1

1

1

1

2mV

1

1

1

1

1

1

2.96

2

3

110mV

36.52

36

37

55

55

55

109.9

109

110

248mV

82

82

82

123.02

123

124

246.94

246

247

505mV

167.96

167

168

251.56

251

252

503

503

503

1003mV

332.96

332

333

499

499

499

998

998

998

2026mV

672

672

672

1008

1008

1008

2015.34

2015

2016

3997mV

1325.08

1325

1326

1988

1988

1988

2047

2047

2047

4.90V

1631.02

1631

1632

2047

2047

2047

2047

2047

2047

 

 

倍率変更時の測定結果2(X4、×8、×16)

倍率

×4

×8

×16

分解能mV

0.5

0.25

0.125

入力信号

Average

Min

Max

Average

Min

Max

Average

Min

Max

0(短絡)

2.26

2

3

4.76

4

5

9.58

8

11

2mV

5.3

5

6

10.44

10

11

20.84

18

22

110mV

219.42

219

220

438.9

438

440

878.08

875

880

248mV

493.28

493

494

986.74

985

988

1973.48

1971

1975

505mV

1006.08

1006

1007

2012.44

2011

2014

2047

2047

2047

1003mV

1995.78

1995

1996

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2026mV

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

3997mV

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

4.90V

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

2047

 

4.差動入力動作例 (3線接続)

 本基板は差動入力もサポートしています。 差動入力時ではマイナス極性の測定も可能となります。 差動入力では信号源の測定用電線2本の他に、差動信号のコモンレベル用の電線が1本必要となり 、3線接続で利用します。
 コモンレベル用電線は2心シールド線のシールドラインに接続します。 シールド線の信号源側は信号源のマイナス側に、本基板(AE−ADS1015 )側はGND端子に接続しました。  本来はADS1015のGNDピンのラインに接続すべきですが、本基板ではADS1015のGNDピンのラインが外部に取り出されていないため止むを得ず本基板(AE−ADS1015)のGND端子に接続しています。

 動作確認にはAdafruit社の「Adafruit 4−Channel ADC Breakouts」用に公開されている「Downloads」→「Software ADS1x15 Library for Arduino」の「differential.ino」をベースにして、A0(信号プラス側)〜A1(信号マイナス側)入力のみを連続測定するように改造して測定しました。

 

【 プラス入力差動信号測定 回路図 】

 

【 プラス入力差動信号測定 外観 】

 

【 プラス入力差動信号測定 測定結果 】

 

【 マイナス入力差動信号測定 回路図 】

 

【 マイナス入力差動信号測定 外観 】

 

【 マイナス入力差動信号測定 測定結果 】

 

5.差動入力動作例 (2線接続)

 テスターによる電圧測定時は2線で測定できます。 差動入力時でも3線接続ではなく2線で電圧測定を行うとどうなるかを試しました。 まともな測定にはならないのは分かっていますので、今まではこのような測定を 意識的に実施したことはありませんでした。 今回の差動入力測定時に、コモンレベル用電線を本基板側で未接続にする(≒高インピーダンスにする)だけですので 容易に試すことができます。 下記に結果を掲載していますが、2線接続では安定した測定ができません。 この結果からもコモンレベル用電線は信号源のマイナス側と低インピーダンスで接続されている必要があることがわかります。

 

【 シールド線未接続(2線接続時) プラス入力差動信号測定 回路図 】

 

【 シールド線未接続(2線接続時) プラス入力差動信号測定 外観 】

 

【 シールド線未接続(2線接続時) プラス入力差動信号測定 測定結果 】

 

【 シールド線未接続(2線接続時) マイナス入力差動信号測定 回路図 】

 

【 シールド線未接続(2線接続時) マイナス入力差動信号測定 外観 】

 

【 シールド線未接続(2線接続時) マイナス入力差動信号測定 測定結果 】

 

6.入力電圧信号範囲外の信号入力

 ADS1015のデータシート(出典TEXAS INSTRUMENTS ADS101x 基準電圧、発振器、プログラマブル・コンパレータ内蔵の超小 型、I2C互換、3.3kSPS、12ビットADC JAJSEC7E –MAY 2009–REVISED JANUARY 2018)では、アナログ信号の入力に関して絶対定格とMultiplexerの記載を確認して理解する必要があります。

 

【 7.1 Absolute Maximum Ratings 】

 

【 8.3.1 Multiplexer  】

 

 Multiplexerのアナログ信号ラインはGND間とVDD間に入力保護ダイオードが設けられています。 7.1 Absolute Maximum RatingsのAnalog input voltageの±0.3Vはこの保護ダイオードによるものと推測されます。 Analog input voltageを逸脱する入力信号が加わるとこの保護ダイオードを破損してADS1015に永久的な破壊を与えることになります。

 いえ、なりました。 信号源に可変電圧電源を用いて差動入力時の再現動作確認をしている際に、コモンレベル用電線を電源出力(約2.7V)のマイナス側に接続すべきところ誤ってプラス側に接続しました。 アナログ変換値を読み取っていると、期待する値とは異なる数値になっていたので配線を確認すると誤配線に気付きました。 直ぐに電源オフしましたが、本基板のL1 もしくはL2付近・ADS1015が熱くなっていました。  なお、差動入力の動作確認、シングルエンド入力時に設けていた抵抗を設けていませんでした。 (抵抗さえ設けていればと後悔しています。)

 

【 誤配線時の配線 】

 

 その後、ADS1015の動作確認をしたところ、A0・A2・A3ラインは測定可能でしたが、A1ラインAD変換値が0付近のままとなり測定不可でした。 テスターの抵抗レンジでA1〜GND間 、A1〜VIN間の抵抗値を測定したところ約100Ω程度の低い抵抗値を示しました。 その他のA0・A2・A3ラインは5MΩ程度でした。 A1ラインの保護ダイオードを破損したと思われます。

 ADS1015利用時にはアナログ入力電圧範囲・極性に注意しましょう。 測定精度を必要としない場合は「2.シングルエンド入力」の事例のようにアナログ入力ラインに直列抵抗を挿入することがお勧めです。

 

データ作成者 CBA

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