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Q&Aの小部屋

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皆様から頂いたご質問の回答の一部を紹介させて頂いております。

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注意

  •   本製作例は信頼性、安全性の確認はしておりません。 最大定格の確認などもできておらず、機能的に動作しただけです。 よって、本製作例による如何なる事故、故障、損害については、何ら責任を負いません。

  •  本ページの製作例は100VACラインから非絶縁となっていますので、感電には注意して下さい。

  •  本事例を製作される場合は、100VAC/150VDCの電圧に耐える絶縁カバー(ケース)の中に収納して下さい。 また、外部に電線を引き出すなどの行為も決して行わないで下さい。

  •  動作確認したい場合は、電池駆動のテスタは使用可能ですが、感電に注意して下さい。 絶縁されたスロー制御回路以外はオシロスコープで波形観測は原則実施不可です。

 

 

ご 質 問   

 


 40〜65Wのハロゲンランプをホタルのようにソフト点灯とソフト消灯の繰り返しをさせたい。
 

 

回   答   

 

1 ご質問への回答

 ご要望の機能は大きく2つに分けることができます。 一つは点灯/消灯の時間設定機能、もう一方は点灯・消灯時にに光量を徐々に変化する機能(以下、スロー制御機能と記載)です。

 このうち、時間設定機能はタイマーICを使って容易に実現できます。 いろいろ各ホームページで紹介されていますので「タイマ」、「555」などで検索してみて下さい。 また、エレキットで「リレー付間欠タイマ【PS−3041】」などを使用するのも手頃でよいでしょう。

 問題は点灯・消灯時にに光量を徐々に変化する機能です。 こちらについては、トライアックを使った位相制御回路の事例があります。 しかし、ボリュームによる手動調整や、ここ最近はマイコンをした位相制御によりボタン操作で調整するものはありますが、今回のご要望のようにスロー制御機能を見つけることができませんでした。

 そこで、この機能に関して回路検討した結果を以下に掲載します。 なお、負荷としてハロゲンランプはありませんので通常の白熱電球40W品を使用しています。


2 スロー制御回路

 交流100VAC負荷のハロゲン電球の光量を徐々に変化させる方法はDC点灯するのが制御が一番楽なのですが、比較的高いDC電圧が必要となるので、この方法は今回はパスすることにします。 その代わりに、オーソドックスな方法ですがトライアックを使用した回路とすることにします。

 位相制御は手元にあった秋月電子通商の「トライアック万能調光器キット(20Aタイプ) (K-98)」を使用することにします。 このキットではどこにでもあるボリューム式の手動調整となっていますので、ボリュームの代わりに調光できる制御信号を加えることにします。 この制御信号は電源周波数に同期させる必要がありますので、電源ラインの電源電圧が0V付近になっていることを示す同期信号も必要となります。 この制御信号と同期信号は100VACと接続する必要がありますが、手元に有る汎用のフォトカプラTLP521−1を用いてスロー制御回路と100VAC回路を光で絶縁することにしました。

2.1 スロー制御回路の回路図

 今回試作したスロー制御回路の回路図を下図に掲載します。

上図をクリックすると原寸の回路図をダウンロードできます。

【 スロー制御回路の回路図 】

  •  回路は3つの部分に分かれています。 

(a) スロー制御回路 : 今回の自作回路です。

(b) 「トライアック万能調光器キット(20Aタイプ) (K-98)」 : 少し改造して使用します。

(c) IF基板 : スロー制御回路と「トライアック万能調光器キット(20Aタイプ) (K-98)」の
         インターフェース回路。
          汎用フォトカプラTLP521−1を用いた光を用いた絶縁回路です。

  •  U1のオペアンプはレールツーレールの片電源で、出力電流30mA程度確保できる仕様が要求されます。 通常のオペアンプを使用すると思ったような動作ができませんので、この仕様は必ず守って下さい。 今回は秋月電子通商で購入したJRCのNJU7044Dを使用しています。

  •  フォrトカプラPC1は電源ラインの電圧が0V付近であることを検出する回路です。 R1〜R4は耐電圧及び電力に注意を要します。 損失は0.5W以上、また、定格電圧100V程度の抵抗を選択して下さい。 ダイオードブリッジDB1で全波整流して、0V付近ではPC1のLED電流が小さくなることを利用して、電源同期信号を作っています。

  •  U1−1のオペアンプは位相を電圧に変換したランプ波形をつくります。 この波形の形状から、のこぎり波形とも呼ばれます。 周期的にリセットするために前記のPC1の出力信号を使用します。 ここではこの信号を電源同期ランプ波形と記載します。 

(a) VR1はランプ波形の傾きを調整します。 商用周波数50Hz、60Hzで調整値が変わります。
  もし、オシロがある場合、右上がり時電圧が4.5〜4.7V程度になるように調整して下さい。

  •  U1−2のオペアンプは明るさの制御を行う信号レベルをつくる回路です。 この信号を出力制御信号と記載します。 SW1をオンの時に点灯、SW1がオフのときには消灯します。 SW1の接点がオフ→オンのときに徐々に明るく、オン→オフの時に序徐々に消灯していきます。

(a) VR2で点灯時の変化時間を調整することができます。

(b) VR3で消灯時の変化時間を調整することができます。

  •  U1−3のオペアンプは電源同期ランプ波形と出力制御信号を比較してLED駆動信号を作ります。 今回は、オペアンプで直接LEDを駆動しています。

  •  C2,C3は無極性電デンサを使用して下さい。 今回は積層セラミックコンデンサを使用しています。 C3の100μFは秋月電子通商で購入しています。 C2の1μFは秋月電子通商で購入できませんが、代わりに1.5μFでも使用可能と思います。

  •  電源ラインの電解コンデンサC5〜C7はたまたま設けただけです。 部品実装レイアウト、電源パターンに応じて適度に設けて下さい。 C4はセラミックコンデンサで0.1〜100μFであれば、静電容量値はあまり気にする必要はありません。

 


3. 製作例

 前記回路図を元に製作した例を下記します。

 

スロー制御回路はブレッドボードで試作しました。

【 スロー制御回路 】

 

上段 : 「トライアック万能調光器キット(20Aタイプ) (K-98)
      CF1,CF2,CF2左側のバリスタは手持ち部品を使用
     しています。

下段 : IF基板

【 位相制御基板、IF基板 】

 

 各部の波形を下記に示します。 詳細説明は省略させて頂きます。

【 スロー制御回路各部波形 】

 

 当初、R13+ZD1の回路は有りませんでした。 このとき、SW1を押して出力が変化するまでワンテンポ遅れて反応する感じがしていました。 出力制御信号の波形を確認すると下図のように出力制御信号が飽和している状態となっていました。 当然といえば当然ですが。 これが原因なのか不明ですが、SW1オンオフに対して0.3s程度の遅れが観測されています。

【 R13+ZD1無し時 波形 】

 これを改善するためにR13+ZD1を設けてオペアンプ出力振幅に制限をかける方法をとることにしました。 手持ちのツェナーダイオードが4,3V品でしたので、カットアンドトライでR13は15kΩとしました。 その際の波形を下図に記載します。 出力制御信号の電圧は電源同期ランプ波形の最小電圧(約1V)程度が望ましいですが、下記でも応答遅れが認められませんのでこれで良しとしました。
 

【 R13+ZD1有り時 波形 】

 

 R13+ZD1は、ZD1の特性(ツェナー電圧)に合わせてR13を調整すれば4.3V品に拘る必要がありません。 ZD1は3.5〜4.5Vの範囲であれば調整できるのではないかと推測します。

 この回路を使って白熱電球をオンオフしたときの動画を下記に掲載します。

qa11a1、3gp (662,476バイト)

 残念ながら、思ったようにスムーズに明るさが変化しているようには見えません。 消灯時はそれなりに見えますが、点灯時は直ぐに明るくなる感じです。 位相角と出力電圧、出力電圧と明るさの関係が線形ではありませんので、とりあえずこれで良しとすることにしました。

 


4 その他

  •  ソフト点灯とソフト消灯を繰り返すやめには、タイマー機能(例:「リレー付間欠タイマ【PS−3041】」)のリレー接点をスロー制御回路のSW1の接点に接続して下さい。

  •  電源電圧は4.5〜5.5Vの範囲として下さい。

  •  IF基板のR1〜R4は発熱しますので、注意して下さい。

  •  スロー制御回路以外は100VACラインから絶縁されていませんので、感電しないように注意して下さい。

  •  今回は汎用のフォトカプラを使用しています。 田舎に住んでいると、手元に有る部品で済ますことをまず考えます。 もし、部品入手できる環境にあれば、PC1の代わりにTLP626、また、PC2,PC3の部分はTLP560などを使用すればもっと洗練された回路に変更することができます。 


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