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Memorandumの小部屋

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目で見るダイオードの動作の巻

 

 ダイオードの動作を説明するのに電流や電圧を使って説明することがあります。 しかし、電流や電圧って言われても電気に親しんでいないと、その数字の感覚やボルトやアンペアの意味するものがわかりません。 そのような場合に発行ダイオードの点灯 /消灯や、明るさでダイオードの動作を説明をしてみてはどうでしょうか。

 

1. ダイオードの整流作用を発光ダイオードの明るさで見る

 ダイオードの代表的な動作として電流を一方に向しか流さない整流作用があります。 この動作を発光ダイオードの点灯/消灯として目視で確認してみましょう。

 今回の動作確認として同じ発光ダイオードを2個用意して試験回路を組みます。 一方の発光ダイオードには電源と抵抗だけ、もう一方の発光ダイオードにはさらに動作を確認するためのダイオードを設けます。  今回の確認に使用する回路図と試験回路外観で下記に示します。

(肝心のD7は回路図シンボルとダイオードの向きが不一致です。 ご容赦を。)

【 図1 試験回路 】

 それでは上記の回路で通電したときの様子を図2に示します。 図2はD7の三角形の底辺から頂点側に電流が流れる場合です。 ダイオードD7の向きが電流を流すことができる方向になっています。 電圧を印加(電池を接続)するとLED7、抵抗R7に電流を流すことができるためLED7が点灯しています。

 

   LED6:OSHR3131P

   LED7:OSHR3131P

   D7:RK16

   V0=3V

【 図2(a) 試験回路 】

【 図2(b) 試験回路動作状態 】

 

 次に図3に示すようにダイオードD7の向きを逆にしてみましょう。 今後はダイオードD7の向きが電流を流すことがでない方向になっています。 電圧を印加(電池を接続)するとLED7、抵抗R7に電流を流すことができないためLED7が消灯しています。

 

   LED6:OSHR3131P

   LED7:OSHR3131P

   D7:RK16

   V0=3V

【 図3(a) 試験回路 】

【 図3(b) 試験回路動作状態 】

 

 以上のようにダイオードD7の向きによって電流を流したり流さなかったりできます。 言い方を変えれば、ダイオードに印加する電圧の極性(プラス、マイナス)によって回路に電流を流したり流さなかったりできることを意味します。 このような動作を整流作用といいます。

 この機能の身近な使用例として、交流商用電源(50Hz、60Hz)から直流電源を作ったり(ACアダプタなど)、電池の逆接続からも保護回路として使用されています。

 

2. ダイオードの特性を発光ダイオードLEDの明るさで見る

 ところで、図2(b)では同じ型式(同一ロット)の発光ダイオードLED6、LED7を使用していますが、明るさが若干違って見えませんでしょうか。 左側のLED6の方がLED7より明るいように見えます。 これは何を意味しているのでしょうか。 これは個体差が原因なのでしょうか。

 個体差の極端な例として、違う使用のLEDを何個か同時に点灯してみましょう。 また、印加する電圧を変化させたときにどうなるかも試してみましょう。 ダイオードの光具合を見ることで、ダイオードの特性を目で確認できます。  図4に今回の確認を行った試験回路の回路図、部品リスト、試験回路外観を示します。

 

【 図4(a) LED同時点灯回路および使用LED 】

 

左側からLED1、LED2・・・・・LED8です。

【 図4(b) 使用LED発光色 】

 

【 図4(c) 試験回路外観 】

 

 電源電圧V0を0Vから+5Vまで印加したときの結果を以下に示します。 なお、電源の性能上、最小印加電圧が1.78Vのため0〜1.78V間の測定はできておりません。

 

表1 電圧変化時の発光ダイオード発光状態
 

電圧V0 [V]

発光状態

0V

全て消灯しています。

1.78V

LED3(橙色)、LED5(黄色)、LED6(赤色)が薄く点灯しています。
写真には写りませんがLED9(赤外線)も点灯しています。

2.0V

LED3(橙色)、LED5(黄色)、LED6(赤色)の明るさが増しました。
 

2.5V

LED4(緑色)が薄く点灯しはじめました。 
LED3(橙色)、LED5(黄色)、LED6(赤色)の明るさがさらに増しました。

3.0V

LED1(白色)とLED2(青色)が薄く点灯しはじめました。 

4.0V

LED8(紫外線)が薄く点灯しはじめました。

5.0V

D7が逆方向に接続されているLED7以外のLEDは全て発光しています。

 

 上記表1の結果より以下のことがわかります。

 今回は発光ダイオードの明るさをダイオードの特性として目でみてもらいましたが、実際のダイオードとしては明るさではなく電流に置き換えてこの現象を理解していきます。

 

3. 電気的特性としての理解

 これからは少し電気屋さんっぽい説明をします。

 図4で使用した発光ダイオードの電流と電圧の関係を測定してみました。 その結果を下図に示します。  横軸がLEDの両端に印加されている電圧です。 電源電圧V0ではありません。 縦軸がLEDに流れる電流です。

 

(上図をクリックすると原寸大画像にアクセスできます。)

【 図5 発光ダイオードの特性 】

 

 どうでしょうか、LEDの発光変化がダイオードの電気特性を示していることをお分かりいただけたでしょうか。 なお、LEDの電流が急激に増加してもLEDの電圧はほとんど変化しません。 このように電圧変化が小さい領域の電圧を順方向電圧Vfと呼びます。 (正しい定義は各デバイスのデータシートにより定められています。) また、順方向に流れる電流を順方向電流Ifと表します。 発光ダイオードに限らず、ダイオードは上記のような特性を示します。 小型のLEDのVfは1〜4V程度ですが、電源用のシリコンダイオードと呼ばれるダイオード は0.7V前後、ショットキーダイオードやGeダイオードは0.1〜0.4V程度です。 

 

4. 追加説明1 LED6の方がLED7より明るい理由

 ここでもう一度、2節の最初の質問「図2(b)では同じ型式(同一ロット)の発光ダイオードLED6、LED7を使用していますが、明るさが若干違って見えませんでしょうか。 左側のLED6の方がLED7より明るいように見えます。 これは何を意味しているのでしょうか。 これは個体差が原因なのでしょうか。」に戻ります。 

 実際には個体差は0ではありませんが、今回の場合は同一ロットということもあり個体差は無いと仮定します。 それではなぜLED6の方が明るくみえるのでしょうか。

 LED7には直列にD7が入っています。 このD7はショットキーダイオードでVfは実測で0.2V程度あります。 このD7のVfを考慮すると、LED6,LED7の両端電圧の観点では以下の差が常に生じます。

 LED6+R6回路 : 電圧V0 = LED6両端電圧 + R6両端電圧

 LED7+R7回路 : 電圧V0 = LED7両端電圧 + R7両端電圧 + D7両端電圧(約0.2V)

             → 電圧V0− D7両端電圧(約0.2V)  LED7両端電圧 + R7両端電圧

 つまり、LED7側の回路では、電源電圧がD7両端電圧分低いことを示しています。 そうです、D7により電源電圧が低下したのと同じことが生じているのです。 このため常に LED6両端電圧 > LED7両端電圧 となり、LED6が明るく見えるのです。 明るさでダイオードの順方向電圧Vfを目で確認していたことになるのです。

補足
 ここでは電圧Vfで説明しましたが、LEDに流れる電流の大小で説明する方がより正しい説明となります。 VfとLEDに流れる電流は比例して大小関係は電圧でも電流でも同じなので、上記のように電圧の大小で説明しています。

 

5. 追加説明2 図5のデータ採取方法

 図5のグラフは、図4回路図において、電源電圧V0、および、ダイオードと抵抗の接続点の電圧V1を、モバイル型絶縁高電圧入力レコーダ NR−2000で記録して作成しています。

 LED両端電圧 = V0 ー V1

 LED電流 = V1 / 抵抗(270Ω)

 実際に測定したデータを用いてLED両端電圧とLED電流の時間変化を下記に記載します。 時間の数字は特性に関しては意味がありませんが、調整の時間変化をみるために参考まにで記載しています。 測定値がガタガタに変化していますが、これは手動で電圧を変化させたためです。

【 図6 LED測定データ 】

 このようなガタガタデータでも、横軸を電圧、縦軸にしてプロットをすると図5のようにきれいなカーブを描くことができます。 ただし、このような雑なデータ測定でもきれいに描くことができ るのはサンプリング間隔を5ms と短い時間間隔でサンプリング(合計で9000点くらい)しているので急激な変化を捉えることができているからです。


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