Ｉｃｈｉｇｏがいっぱい（ファームウエア書込み編）

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　こどもパソコンＩｃｈｉｇｏＪａｍのマイコン基板はシンブルなハードウエア、ソフトウエア（ファームウエア）からなる非常に使いやすいシングルボードマイコン基板の印象を持っています。　「こども」だけではなく、１９７０年代のマイコン黎明期にマイコンに接していた現在の年寄りにとっては当時を思い出すＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＢＡＳＩＣがファームウエアとして用意されているため、とても取っつきやすいマイコン基板です。　半分なつかしい気持ちでＩｃｈｉｇｏＪａｍ関連のキット類を集めていましたが、「Ｉｃｈｉｇｏがいっぱい」になってしまいました。

　今回は「Ｉｃｈｉｇｏがいっぱい」のなかで、ＩｃｈｉｇｏＪａｍ関連用のファームウエア書込みに関して紹介します。

　自作のファームウエア書換えツール（ハードウエア）を別途紹介予定です。

　現在のＩｃｈｉｇｏＪａｍ、ＰａｎＣａｋｅ関係のマイコン基板を一同に集めてみました。　現状では下記写真、リストに掲載の１２種類を有しています。　これ以外にも数多くの種類があるようですが「Ｉｃｈｉｇｏがいっぱい」で満腹状態にあるため、また、入手のしやすさを考慮して、これ以上増やすのをためらっています。

ＩｃｈｉｇｏＪａｍ，ＰａｎＣａｋｅリスト
No.	分類	キット名称	入手元
1069	マイコン	こどもパソコン「ＩｃｈｉｇｏＪａｍ」プリント基板キット (K-09053)	株式会社jig.jp　秋月電子通商
1093	マイコン	ＩｃｈｉｇｏＪａｍプリント基板キット　Ｕ　(K-09420)	株式会社jig.jp　秋月電子通商
1550	マイコン	ＩｃｈｉｇｏＪａｍプリント基板完全組み立てキット　Ｔ　　(ICHIGOJAM-KKIT-T)	ｊｉｇ．ｊｐ　マルツエレック
1551	マイコン	Ｉｃｈｉｇｏｊａｍプリント基板ハーフキットＳ　(ICHIGOJAM-HKIT-S)	ｊｉｇ．ｊｐ　マルツエレック
1199	マイコン	こどもパソコン「ａｉ．Ｊａｍ－Ｔ」キット (K-JAM-TS)	(株)秋葉原　ａｉｔｅｎｄｏ
1197	マイコン	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（組立キット） (KA-IJEX-K)　：　ａｉｔｅｎｄｏ取扱い	合同会社クガデン　(株)秋葉原　ａｉｔｅｎｄｏ
1202	マイコン	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（組立キット） (KA-IJEX-K)	合同会社クガデン
1203	マイコン	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（ＺＩＦソケット仕様　組立キット） (KA-IJEX-K)	合同会社クガデン
1414	マイコン	ＩｃｈｉｇｏＬａｔｔｅ (K-11512)	株式会社ナチュラルスタイル　　秋月電子通商
1599	マイコン	ＩｃｈｉｇｏＣａｋｅ　組み立てキット（未プログラム）　(K-13773)	ｊｉｇ．ｊｐ　秋月電子通商
1102	マイコン	ＰａｎＣａｋｅプリント基板キット（サウンドグラフィックボード）　(K-09686)	株式会社jig.jp　秋月電子通商
1570	マイコン	こどもマルチメディアボード「ａｉ．ｃａｋｅ」キット　チップ付き書き込みなし　(K-ai.cake)	(株)秋葉原　ａｉｔｅｎｄｏ

２．ファームウエア書込み

　ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８にファームウエアが書込まれていない場合、ファームウエア入替えやファームウエアＶｅｒｓｉｏｎ　Ｕｐの場合、ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８にファームウエアを書込まなければなりません。　この場合、ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８をＩＳＰモードに移行して新たなファームウエアを書込みます。

　ＩＳＰモードに移行する方法は参考資料LPC111x_UM_Rev.00.15_Japanese.pdf（UM10398 LPC111x/LPC11C1x ユーザーマニュアルRev. 00.15 — 2010 / 9 / 28）には以下のように記述されています。

19.3.1 ブートローダ
ブートローダは、リセット後の初期動作を制御します。また、UART またはC_CAN を介してフラッシュメモリのプログラミングを達成する手段も提供します。これは、ブランクデバイスの初回プログラミング、以前にプログラミングされたデバイスの消去と再プログラミング、または実行中のシステムのアプリケーションプログラムによるフラッシュメモリのプログラミングのいずれかになります。
　ブートローダのコードは、部品に電源が投入されるかリセットされると毎回実行されます。ローダは、ISP コマンドハンドラまたはユーザーアプリケーションコードを実行できます。PIO0_1 ピンでのリセット後のLOW レベルは、UART またはC_CAN（存在する場合）のいずれかを介してISP コマンドハンドラを起動するための、外部ハードウェア要求と見なされます。

出典元　LPC111x_UM_Rev.00.15_Japanese.pdf　P291　19.3 概説

　専門用語の羅列で難しく記述されていますが、要は「（一般的には）リセット信号立上り時にＩＳＰ端子がLowレベルになっていればＩＳＰモードに移行しますよ。」と記載されています。　もっと雑な言い方をすれば、（一般的には）ＩＳＰ端子をＧＮＤに接続して電源をオンすればよいことになります。　ファームウエア書込み後に書込んだファームウエアを利用するためには、ＩＳＰ端子を未接続（オープン）にしてから電源をオンします。

　実際に「ＵＳＢシリアル変換モジュール（ＣＨ３４０Ｅ）　（BTE17-06）」の３．３Ｖ系回路用配線接続を用いて「Ｉｃｈｉｇｏｊａｍプリント基板ハーフキットＳ」のファームウエアを書換えたときの接続図、外観を以下に掲載します。

【　「Ｉｃｈｉｇｏｊａｍプリント基板ハーフキットＳ」ファームウエア書込み接続図　】

【　「Ｉｃｈｉｇｏｊａｍプリント基板ハーフキットＳ」ファームウエア書込み外観１　】

【　「Ｉｃｈｉｇｏｊａｍプリント基板ハーフキットＳ」ファームウエア書込み外観２　】

　次に「ＵＳＢシリアル変換モジュール（ＣＨ３４０Ｅ）　（BTE17-06）」を用いて「ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８書き込みキット（ゼロプレッシャーＩＣソケット）」のファームウエアを書換えたときの接続図、外観を以下に掲載します。

【　「ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８書き込みキット（ゼロプレッシャーＩＣソケット）」ファームウエア書込み接続図　】

【　「ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８書き込みキット（ゼロプレッシャーＩＣソケット）」ファームウエア書込み外観１　】

【　「ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８書き込みキット（ゼロプレッシャーＩＣソケット）」ファームウエア書込み外観２　】

　ＵＳＢシリアル変換をジャンパー線でマイコンに接続することでファームウエア書込みができますが、ジャンパー線を用いると誤配線の可能性が高まります。　その対応として、ジャンパー線を極力用いないようにした基板類が各社から提供されています。　以下に手持ちのファームウエア書込みに際して利用した基板、オプション部品をまとめてみました。

　ＩｃｈｉｇｏＪａｍのＬＰＣ１１１４ＦＮ２８のファームウエア書込み用の変換基板「ジャムＩＳＰ書き込み変換基板 (P-Jam.Isp.Ifb(6PE))」は各種ＩｃｈｉｇｏＪａｍマイコン基板に利用することができます。

　更に、ISPモードに移行させるためにＩＳＰ端子をＧＮＤレベルに接続する短絡配線が必要です。　IchigoJam基板をＩＳＰモードに移行したときの実行事例を以下に掲載します。

「ジャムＩＳＰ書き込み変換基板 (P-Jam.Isp.Ifb(6PE))」ＩＳＰモード実行事例
o.	キット名称	ＩＳＰモード実行事例
1069	こどもパソコン「ＩｃｈｉｇｏＪａｍ」プリント基板キット (K-09053)	【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1093	ＩｃｈｉｇｏＪａｍプリント基板キット　Ｕ　(K-09420)	【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1550 ／ 1551	ＩｃｈｉｇｏＪａｍプリント基板完全組み立てキット　Ｔ　　(ICHIGOJAM-KKIT-T)	【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1551	Ｉｃｈｉｇｏｊａｍプリント基板ハーフキットＳ　(ICHIGOJAM-HKIT-S)	【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1199	こどもパソコン「ａｉ．Ｊａｍ－Ｔ」キット (K-JAM-TS)	【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1197	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（組立キット） (KA-IJEX-K)　：　ａｉｔｅｎｄｏ取扱い	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸはＲＥＳＥＴスイッチ（ＳＷ４）をＲＥＳＥＴ側に設定することでＩＳＰモードに移行できます。　そのため、一般的なＩｃｈｉｇｏＪａｍで必要としているＩＳＰ端子をＧＮＤに接続する短絡用配線は不要です。【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1202	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（組立キット） (KA-IJEX-K)
1203	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（ＺＩＦソケット仕様　組立キット） (KA-IJEX-K)	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸはＲＥＳＥＴスイッチ（ＳＷ４）をＲＥＳＥＴ側に設定することでＩＳＰモードに移行できます。　そのため、一般的なＩｃｈｉｇｏＪａｍで必要としているＩＳＰ端子をＧＮＤに接続する短絡用配線は不要です。【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1414	ＩｃｈｉｇｏＬａｔｔｅ (K-11512)	【　利用例　外観１　】　【　利用例　外観２　】
1599	ＩｃｈｉｇｏＣａｋｅ　組み立てキット（未プログラム）　(K-13773)	【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ相当側利用例　外観１　】　【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ相当側利用例　外観２　】　　ＰａｎＣａｋｅ相当側に接続する場合はとジャンパーピンＪ１を取り外さなければなりません。　その理由は、ＩｃｈｉｇｏＪａｍ相当側のＴＸＤと「超小型ＵＳＢシリアル変換モジュール (M-08461)」のＴＸＤが短絡状態となり、ＰａｎＣａｋｅ相当側はＲＸＤ信号として正常に認識できなくなるためです。【　ＰａｎＣａｋｅ相当側利用例　外観１　】　【　ＰａｎＣａｋｅ相当側利用例　外観２　】
1102	ＰａｎＣａｋｅプリント基板キット（サウンドグラフィックボード）　(K-09686)	コネクタＣＮ２のＲＸＤ端子、ＴＸＤ端子とＬＰＣ１１１４のＲＸＤピン、ＴＸＤピンはクロス接続されていますので「ジャムＩＳＰ書き込み変換基板 (P-Jam.Isp.Ifb(6PE))」は利用できません。（無理をすれば利用は可能ですが、非効率です。）　ファームウエア書込みには「ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８書き込みキット（ゼロプレッシャーＩＣソケット）　(FN28-WRT-Z)」を利用することを推奨します。　【　「ＬＰＣ１１１４ＦＮ２８書き込みキット」　利用例　】
1570	こどもマルチメディアボード「ａｉ．ｃａｋｅ」キット　チップ付き書き込みなし　(K-ai.cake)

４．ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット

　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ基板にはオプションＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セットがあります。　このオプションにＵＳＢシリアル変換インターフェースを接続してオンボード上のＬＰＣ１１１４ＦＮ２８のファームウエアを書き換えることができます。

【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　構成部品　】

【　「超小型ＵＳＢシリアル変換モジュール (M-08461)」、変換ケーブル外観　】

　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ基板にＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セットを組み込んだ事例を以下に掲載します。

ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　接続事例
	キット名称	接続事例
1197	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（組立キット） (KA-IJEX-K)　：　ａｉｔｅｎｄｏ取扱い	【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実装時外観１　】　【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実装時外観２　】　【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実行時外観　】
1202	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（組立キット） (KA-IJEX-K)	【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実装時外観１　】　【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実装時外観２　】　【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実行時外観　】
1203	ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ（ＺＩＦソケット仕様　組立キット） (KA-IJEX-K)	【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実装時外観１　】　【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実装時外観２　】　【　ＩｃｈｉｇｏＪａｍ　ＥＸ用　ＦＷ書き換え部品セット　実行時外観　】