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Memorandumの小部屋

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サウンドバー、鳴らんどバー

1.はじめに

 2000年代前半の液晶TVとプラズマTVが競っていた頃に、ボーナスを利用してン10万円の32型プラズマディスプレイを購入しました。 当時としては贅沢をしたものです。 その頃のTVは作りがしっかりしており、付属のスピーカから聞こえる音声で も素人にとっては充分でした。 購入して10年以上経過すると突然電源がオフする現象が生じましたので50インチの液晶TVに買い替えました。 しかし、音が酷い、聴くに堪えられないためにサウンドバーも追加購入しました。  その当時のことをHPにも下記のように記載していました。 

Edition 5.532 (2015-03-08)

 10年以上前のプラズマTVのモニターが突然電源オフになる現象が頻発するようになりました。 長年使用していたのでコネクタの接触不良、埃、電解コンデンサを疑い、自己責任で裏フタをあけて清掃、コネクタゆさぶり、部品外観チェックです。10年以上前の作りですので、部品点数、コネクタ類も多いですが作りはしっかりしていて電解コンデンサの外観も問題無しです。コネクタを触り、内部の埃を清掃してフタを閉めて再度通電すると電源オフしなくなりました。 しかし、翌日、また電源オフする現象が再発しだしました。これで諦めがつきましたので新たに安価な液晶TVを購入することにしました。
 老眼には4Kは不要で2Kです。 しかし、外付けHDDによる裏番組録画はできるものにしました。 このスペックの日本製ブランド品50インチが税込で10万円でおつりがくる時代になっていました。 早速購入して設置です。 サイズが大きくなったのでラックを組み直して、次に音がとても貧相になったので1万円程度のサウンドバーを設けて無事終了です。 電話、ネットワーク、TVと自宅インフラを次々と更新した月間は、これで終了です。

 その際に選定したサウンドバーは日本メーカ品にも関わらず比較的安価なPioneer製の2.2chワイヤレスサウンドバーSBX−300(Bluetooth対応)でした。 ちなみに購入価格は送料、税込みで12,876円でした。
 

 以下の改修は全て自己責任で行っています。 記載内容は個人的に行った状況を掲載したものであり、記載内容に対して本ページ著者は何ら責任を負いません。  また、記載内容、所感はあくまでもメモランダムとして記載したものであり、主観の羅列です。 断定したものではありません。


2.初回改修

 使用開始して1年以上経過した2016年8月に、今度は突然サウンドバーから音声が聞こえなくなりました。 あれこれ触っているとサウンドバーの上面中央部に熱がこもっているようでしたので分解してみることにしました。

 

W900mm×H86mm×D121mm (大きいです。) 

【 サウンドバーSBX−300外観 】

 

タッピンネジ等を約30個(多い!!)外すとカバーを切り離すことができます。

【 ケース取り外し状態 】

 

中央の金属ケース部分が発熱しているようです。

【 発熱部分 】

 

 金属ケース内には下記の3枚の基板が収納されていました。

     左側上段:アンプ基板

     左側下段:マイコン制御基板

     右側:電源基板

【 蓋カバー取外し時 】

 

右側の電源回路が不具合の原因と決め打ちをして基板を取り外しました。

【 金属ケース内部拡大 】

 

【 電源基板取 単体外観 】

 

電解コンデンサの外観に異常は見受けられませんでした。

【 出力側の電解コンデンサ状態 】

 

 熱がこもる⇒電解コンデンサの劣化と推測していましたが、電解コンデンサに明らかな外観上の不具合は見当たりませんでした。  せっかくここまで分解しましたので、基板上の電解コンデンサの特性をLCRメータDE−5000でC s+Rsを測定してみることにしました。  静電容量は総じて10数%低めに測定されているようです。

 

Cs=294μF 、 Rs=0.30Ω

(容量がわずか低下しているようですが、Rsは小さいので劣化はすすんでいないようです。)

【 電解コンデンサ1:1次側200V330μF(105℃) 測定結果 】

 

Cs=76μF 、  Rs=0.65Ω

(外観が少しくすんでおり、容量抜けもしているよ うです。 Rsは大きくは変化していないと推測されます。)

【 電解コンデンサ2(C716):2次側25V100μF(105℃) 測定結果 】

 

Cs=382μF 、  Rs=0.79Ω

(容量が低下しているようですが、Rsは大きくは変化していないと推測されます。)

【 電解コンデンサ3(C706):2次側25V470μF(85℃) 測定結果 】

 

Cs=604μF 、  Rs=1.21Ω
(劣化がすすんでいると思われます。)

【 電解コンデンサ4(PC75の横):2次側10V680μF 測定結果 】

 

Cs=884μF 、  Rs=0.53Ω

(容量が低下しているようですが、Rsは大きくは変化していないと推測されます。)

【 電解コンデンサ5(C721):2次側10V1000μF(105℃) 測定結果 】

 

Cs=895μF 、  Rs=0.45Ω

(容量が低下しているようですが、Rsは大きくは変化していないと推測されます。)

【 電解コンデンサ6(C704):1次側25V1000μF(105℃) 測定結果 】

 

 以上の測定結果からは明らかな劣化品は見当たりませんでした。 せっかく取り外しましたので手持ち電解コンデンサと交換できるものだけでも交換することにしました 。 残念ながら交換したかった電解コンデンサ2(C716):2次側25V100μF(105℃)、電解コンデンサ 4(PC75の横)(10V680μF)については交換可能な手持ち品がなかったので交換を諦めました。

 

Cs=437μF 、  Rs=0.22Ω

【 電解コンデンサ3(C706)代替え品:25V470μF(105℃) 】

 

Cs=922μF 、  Rs=0.14Ω

【 電解コンデンサ5(C721)代替え品:16V1000μF(105℃) 】

 

Cs=949μF 、  Rs=0.50Ω

【 電解コンデンサ6(C704)代替え品:25V1000μF(105℃) 】

 

 電解コンデンサが不具合の原因とは思えませんでしたが、これで作業を終了して再組立をしました。 再通電したところ正常に動作しましたので、電解コンデンサが 原因のひとつであると自分に言い聞かせて、この時は対策を終えました。

 

【 電解コンデンサ交換後の電源基板外観1 】

 

【 電解コンデンサ交換後の電源基板外観2 】

 

 マイコン制御基板にも電解コンデンサが多く実装されていましたが外観上の異常は見当たりませんでした。 今思えば、この段階でもっとしっかり基板を目視確認しておくべきでした。

【 マイコン制御基板外観 】

 


3.2回目の改修

 初回改修してから約1年後の2017年7月に突然サウンドバーから音がしなくなりました。 やはりサウンドバーの中央部分に熱がこもっているのが気になります。 前回の経験から電解コンデンサ起因 だけとは思えません。 前回同様に分解して、金属ケース内の基板を改めて目視確認をしました。
 するとマイコン制御基板の三端子レギュレータIC309(1117C−3.3)とIC305(1117C−1.8)のフィンが熱で変色しているようでした。 特にIC309は相当温度が上昇していたようです。 改めて1年前に撮影した上記写真を確認すると、当時既にIC309のフィンの変色がしていました。

 

【 三端子レギュレータ回路部分の外観(今回の観察) 】

 

 IC309はダメージを受けていると思われるのでIC309を取り外して、代品としてTA48033Sを取付けることにしました。

【 IC309取り外し時の状態 】

 

 5V⇒3.3V⇒1.8Vと2段で降圧しています。 このような回路は、電源ICのデータシートの熟読・理解は当然として、電源ICの負荷全体像を理解していないと設計ミスを誘発しやすいです。
 しかし、プロでもこのような回路を採用するとは! 少なくとも今回はデータシートを全く理解せずに素人設計となっているようです。 コンシューマ向け商品という視点でこの回路を見ると、設計ミスによる欠陥商品の印象を持ちました。

【 IC309,IC305まわりの回路図 】

 

 θjaを少しでも小さくするためにTO−220パッケージ品を利用することにしました。 以前に買いだめしていたTA48033S の最後の1個をどうにか探し出して利用しました。

【 代品のTA48033S 】

 

 放熱を少しでも改善する(θjaを小さくする)ために放熱フィンを追加しました。 また、入出力にコンデンサを追加しました。

【 IC309代替え部品外観 】

 

IC309代替え品用パターンを電線で引き出します。

【 電線によるパターン引出し 】

 

実はこの回路でもデータシートの注意事項を守っていませんでした。

【 改造後の電源回路 】

 

 ポリイミド樹脂テープで絶縁して隙間に実装しています。 放熱の観点からいえばテーピングして放熱板全体を覆うは放熱板利用に反しているのはわかっているのですが、絶縁優先としました。

【 改修後の実装状態 】

 

 この改修に際して、入力出力を測定しました。 その結果は下記のようになりました。

IC309

入力電圧 (実測)

4.96V

入力電流 (実測)

0.37A

出力電圧 (実測)

3.28V

損失 (計算)

0.62W

接合部温度上昇 (計算:θja=110℃/Wと仮定)

68℃

IC305

入力電圧 (実測)

3.28V

入力電流 (推測)

0.37A

出力電圧 (推測)

1.80V

損失 (計算)

0.55W

接合部温度上昇 (θja=110℃/Wと仮定)

60℃

 

 周囲温度40℃とするとTj=100〜110℃前後と、結構な温度になっているようです。 IC309のリード線の変色から想定すると、実際にはもう少し温度が上昇しているのではと推測しています。

 上記測定に際して、当初はIC309の入出力にコンデンサを付加していませんでした。 その場合、なぜか正常に電流を測定することができませんでした。 現象としては電流計の内部インピーダンスの小さい電流レンジ(20A)で測定すると正常にマイコンが立ち上がらず、内部インピーダンスが大きい電流レンジ(0.3A)で測定すると正常に立ち上がりました。 代替えのIC309 を別型式の三端子レギュレータに変更してみましたが同様な現象でした。 三端子レギュレータ特有の問題ではないと判断しています。 現象から推測するにIC309の出力が発振しているような感じでした。 その推測を前提にしてIC309の入出力にコンデンサを付加することで電流レンジ(20A)でも正常に測定できるようになりました。

 動けばよいということで、この状態で連続動作確認を開始しました。 最初の約10分程度は何ら問題無く動作していましたが、その後、突然、ポッ、ポッ、ポツ、ポツ、ボツ、ブツ、ブツブツ、ブブブブブとスピーカから破裂状の音がして 最終的に動かなくなりました。 改修に失敗したようです。

 そこで思い出したのが電流をまともに測定できない現象です。 三端子レギュレータの使い方が間違っていると思いながら改修を進めていましたが、改めて各社の1117のデータシートを読み直しました。 そうです、三端子レギュレータの基本的な使い方ができていませんでした。 IC309の出力側にも電解コンデンサを追加することにしました。

【 最終的な改修後の電源回路 】

 

追加コンデンサはIC305に実装しました。

【 改修後の最終回路外観 】

 

 IC309の出力側に電解コンデンサを追加することで連続動作をしても問題なく動作するようになりました。


4.電源基板再見直し

 上記一連の改修では手を付けていなかった電源基板についても再見直しをすることにしました。 前回(2016年8月)の写真と比較すると電解コンデンサ2(C716)25V100μFの変色が相当すすんでいるのに気付きました。

 

 中央上側に写っているIC72(三端子レギュレータ7812)の左側の黒っぽい円筒形部品が電解コンデンサ2(C716)です。 1年前と比べて色が相当黒くなっています。

【 2016年8月改修部外観 】

 

 電解コンデンサの劣化具合を確認するために、前回追加した部品を再度測定することにしました。 測定に際して、該当の電解コンデンサを取り外しました。 

【 電解コンデンサ取り外し時外観1 】

 

【 電解コンデンサ取り外し時外観2 】

 

電解コンデンサの測定結果まとめです。 部位ごとに時間変化がわかるようにまとめてみました。

電解コンデンサ2

(C716)

25V100μF

(105℃)

(a) 2016年8月測定 (オリジナル品)

劣化が認められましたので代品と交換することにしました。

(b) 2017年7月 (オリジナル品)

(c) 2017年7月 交換品50V100μF(85℃)

 

電解コンデンサ3

(C706)

25V470μF

(85℃) 

(a) 2016年8月(オリジナル品)

(b) 2016年8月(交換品)

劣化していませんでした。

(c) 2017年7月

 

電解コンデンサ4

(PC75の横)

10V680μF

(105℃)

(a) 2016年8月(オリジナル品)

前回との変化はないようですが、Rsが気になり交換することにしました。

(b) 2017年7月 (オリジナル品)

680μFの手持ちがないため1000μFに交換しました。

(c) 2017年7月 交換品10V1000μF(105℃)

 

電解コンデンサ5

(C721)

10V1000μF

(105℃)

(a) 2016年8月(オリジナル品)

(b) 2016年8月(交換品)

若干劣化していますが、まだ交換は不要と判断しました。

(c) 2017年7月

 

電解コンデンサ6

(C704)

25V1000μF

(105℃)

(a) 2016年8月(オリジナル品)

(b) 2016年8月(交換品)

若干劣化していますが、まだ交換は不要と判断しました。

(c) 2017年7月

 

電解コンデンサ7

(C718)

50V22μF

(105℃)

 

 外観上は問題なさそうでしたが、IC72(三端子レギュレータ7812)の近くに実装されていましたので交換することにしました。

(a) 2017年7月(オリジナル品)

(b) 2017年7月(交換品) 50V22μF

 

 

 上記部品交換を実施した電源基板の外観です。 IC72(三端子レギュレータ7812)が相当発熱しているようなので、差し込み式の放熱板を追加しました。 周囲温度を上昇させるだけの改悪の懸念がありましたが、思わず追加してしまいました。

【 電源基板外観1 】

 

【 電源基板外観2 】

 

 変色していたC716はIC72(三端子レギュレータ7812)から少し距離をとるようにリードフォーミングしました。

【 電源基板外観3 】

 


5.まとめ


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